上田晋也:マイク・タイソン対ロイ・ジョーンズ戦は「現代版の巌流島」 勝つのは…

マイク・タイソンさん(右)とロイ・ジョーンズさん 写真︓アフロ、ロイター/アフロ
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マイク・タイソンさん(右)とロイ・ジョーンズさん 写真︓アフロ、ロイター/アフロ

 2005年に行われた試合を最後に事実上の引退となっていたマイク・タイソンさん(54)と、世界4階級制覇王者のロイ・ジョーンズさん(51)との“ドリームマッチ”が、「生中継!エキサイトマッチSP『マイク・タイソンvsロイ・ジョーンズ』」と題して、11月29日正午からWOWOWプライムで生放送される。番組にゲスト出演するお笑いコンビ「くりぃむしちゅー」の上田晋也さんが試合の見どころについて語り、勝者を予想した。

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 タイソンさんは、1985年3月にプロデビューし、翌年11月に史上最年少となる20歳5カ月でWBC世界ヘビー級王座を獲得。その後、WBA、IBFヘビー級タイトルを獲得し、当時の主要団体の統⼀王座を6度防衛。今年4月からミット打ちをする動画をSNSに公開。そして、7月23日にジョーンズさんとのチャリティーマッチを行うと発表していた。

 ジョーンズさんは、ミドル級出身でヘビー級の王座を獲得した史上2人目のボクサー。世界4階級制覇を達成したレジェンド。2018年2月までリングに立ち続け、ボクシング史上最高の天才ともいわれている。

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 --この一戦が発表された時の感想は?

 2人の現役時代ですら、このマッチメークを僕は全然想像しませんでしたから、このマッチメークを考えた方は天才ですね。こんな最強のマッチングはオーロラソース以来ですよ(笑い)。

 --初めてマイク・タイソンさんを知ったきっかけは?

 記憶は定かではないのですが、マーベラス・マービン・ハグラー対ジョン・ムガビの時に、屋外の試合会場だったので、雨で試合開始が遅れたんです。そこで試合が始まるまでの時間つなぎで、マイク・タイソンのダイジェスト映像が流れてきて、見たのが初めてだったかなと思います。ただ、なんじゃこのヘビー級の選手はと思いましたよ。パンチの強さ、速さはもちろんですけど、相手のパンチを避けるスピード、ヘッドスリップにもう度肝抜かれたと言いますか、これはすぐに世界タイトルをとるな、と一目で思いましたね。

 --現役時代のマイク・タイソンさんの印象は?

 人々の想像の上をいくというかね。時に斜め上をいくというかね(笑い)。だって全盛期バリバリで東京ドームでの試合で、ジェームス・ダグラスに負けるなんて、誰が思います? イベンダー・ホリフィールドとの再戦では、今回はホリフィールドがまた勝つかな、勝つなら判定かなとか、いや今回はタイソンだよ、タイソンが勝つならKOだよ、なんて世界中の人が予想しましたよ。そこで誰が耳を噛(か)みちぎって失格になると予想します? 破天荒の数々、他にも私生活でも波乱万丈の人生、タイソンの人生はフィクションよりもフィクションですからね。僕の中ではハリー・ポッターと同じくらいフィクションだと思っています(笑い)。

 --印象に残っているマイク・タイソンさんの試合は?

 そういう意味では、ジェームス・ダグラス戦ですかね。僕は受験で上京していて、兄と2人でテレビで見ていたんです。タイソンが負けた瞬間「歴史が変わった!」ってアナウンサーが絶叫していたのを、はっきり今でも覚えています。その後は「あのタイソンが負けた?」みたいな、ぼうぜんとしていたんですけど。そして次の日が志望校のテストだったんですが、全然集中できなくて……。志望校に落ちたのはタイソンのせいだと思っています。僕の勉強不足のせいではないです。タイソンのせいです(笑い)。

 --SNSで公開された54歳になったマイク・タイソンさんの動きについては?

 あの動画はすごいですね。スピードもあるし、あの迫力は全盛期に迫るような、ど迫力ですね。あれを本番のリングでもみたいですね。問題はスタミナなんでしょうけど、瞬間的なスピードは今でも全然あると思います。

 --対するロイ・ジョーンズさんの現役時代の印象は?

 ロイ・ジョーンズは相手のパンチを見切って、避けるやいなや自分のパンチをガツンと当てるという、居合の達人みたいな選手ですよね。運動神経の伝達というのかな、それがものすごく速い。当時から5Gが備わっていたのかなと思いますね(笑い)。身体能力、運動神経のよさは、歴代のボクサーの中でもトップといっても過言ではないんじゃないでしょうか。

 --印象に残っているロイ・ジョーンズさんの試合は?

 個人的には、スーパーミドル級の時代が全盛期なのではないかと思うのですが、衝撃という意味では、ミドル級時代のアート・セーワノ戦です。ロイ・ジョーンズの右のスイング気味のパンチがドーンと当たって、セーワノはもう片足がグニャって曲がりながら、棒が倒れるようなシーンでした。あんな倒れ方見たことないです。ロイ・ジョーンズの試合は当てさせずに当てるっていうスポーツライクな試合が多かったと思うんですけど、あの試合にはボクシングの恐怖を覚えましたね。

 --今回の試合について、ずばり予想は?

 ロイ・ジョーンズがリングから遠ざかって2年くらいですよね? タイソンが15年くらいですから、そうなると年齢的にも若いロイ・ジョーンズが有利なのではないかと思います。タイソンは膝の状態がどうなんでしょう。現役の終盤は膝が悪かったですから。スタミナにも多少の不安はあるかもしれないので、タイソンはもう最初から仕掛けていくのではないでしょうか。そこであのパンチがロイ・ジョーンズに当たるかどうか。どっちがよりハードに練習して、コンディションを整えてくるかで決まるのではと思います。

 --試合の見どころは?

 タイソンもロイ・ジョーンズもその階級の概念を変えた2人です。しかもその当時のパウンド・フォー・パウンドのトップ同士のボクサーが、こうやって時代を経て試合をするということは、もう現代版の巌流島みたいなものですね。僕にとってタイソンは青春時代を彩ったヒーローの一人ですから、僕は自分の青春時代を思い出しながら、見ることになるのかな、と期待しています。

 12月の「エキサイトマッチ〜世界プロボクシング」(WOWOWライブ、毎週月曜午後9時)では、7日がWBC・IBF世界ウェルター級タイトルマッチ「エロール・スペンスvsダニー・ガルシア」、14日は「中谷正義vsフェリックス・ベルデホ」「シャクール・スティーブンソンvsトカ・カーン・クラリー」、21日は「ダニエル・デュボアvsジョー・ジョイス」「ノニト・ドネアvsエマヌエル・ロドリゲス」、28日は井上尚弥選手がゲスト出演し、今年の総集編を放送する。

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