名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
人気アニメ「宇宙戦艦ヤマト」シリーズの「宇宙戦艦ヤマト 2199」「宇宙戦艦ヤマト 2202 愛の戦士たち」の総集編「『宇宙戦艦ヤマト』という時代 西暦2202年の選択」が1月15日に上映される。総集編では、1969年の人類月面着陸から2042年の火星到達、2202年のガトランティス戦役まで人類とヤマトの航海の歴史をまとめた。総集編が特殊なのは、真田志郎の視点で語られるドキュメンタリー風の映像にまとめたところで、真田役の声優の大塚芳忠さんのナレーションが印象的だ。約2時間半にわたる収録を終えたばかりの大塚さんを直撃し、「宇宙戦艦ヤマト」への熱い思いを聞いた。
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「宇宙戦艦ヤマト」は1974年にテレビアニメ第1作が放送。「宇宙戦艦ヤマト2」「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」「宇宙戦艦ヤマト 復活篇」なども制作されてきた。第1作をリメークした「2199」が2012~14年に劇場上映、テレビ放送された。「2199」の続編「2202」が2017~19年に劇場上映された。総集編は、「2202」のシリーズ構成を務めた福井晴敏さんが、新たな切り口で再構成する。新カット、新ナレーションを交えつつ、人類史、宇宙史に刻まれる歴戦の記録をまとめる。
総集編は、真田の視点で「宇宙戦艦ヤマト」の歴史が語られる。「2199」から真田を演じてきた大塚さんは「責任、重圧を感じた」という。
「台本を読み、これは重大な仕事が舞い込んできた……と責任、重圧を感じました。この総集編は、ナレーション、語りで進んでいきます。できることをやるしかない!やりながら思いを何とか伝えたい!という気持ちで臨みました」
「『宇宙戦艦ヤマト』という時代」はただの総集編ではなく、真田の視点で語られるドキュメンタリーでもある。大塚さんはナレーターとしても大活躍しているが、一般的なナレーションとは勝手が違った。約2時間の作品で、せりふ量も膨大だが、大塚さんは約2時間半で収録を終えたというから驚きだ。
「上質なドキュメンタリーで『ヤマト』の魅力が凝縮されています。ここまでせりふ量が多いのも珍しいです。シーンからこぼれてもいけないし、急いでしまうと、真田のキャラクター性が失われます。夢中になり、集中しました。タイミングがピタッとハマった時は、気持ちよかったですね。普段のナレーションも好きですけど、また違う特別な喜びを感じました。大変ではありましたが、疲れませんでした」
大塚さんが真田を演じたのは「2199」からだ。それまでは故・青野武さんが演じてきた。テレビアニメ「宇宙戦艦ヤマト」の放送が始まったのは1974年。当時、大塚さんは「宇宙戦艦ヤマト」を見たことがなかったという。
「20歳くらい、田舎から東京に出てきた頃でした。仕事がなくて途方に暮れている時期です。『ヤマト』の存在は知っていたけど、僕自身は四畳半に住んでいて、テレビもなかった。知っていたけど、見たことがなかったんです。ちょうど、声優を志そうとしていた時期でもあります。出演されていたのは、華やかで雲の上のような存在の方ばかりです。遠くの世界のように感じていました。今思えば、見ておけばよかったですね」
大塚さんにとって、青野さんは「大好きな先輩」だった。真田役を引き継ぐことに特別な思いがあった。
「青野さんには毎日のように会い、お酒もおごってもらって、遊びに連れて行っていただいていました。青野さんに対する思い、尊敬があったので、真田役をいただけ、改めて先輩の偉大さを感じました。真田は、強面(こわもて)だけど優しい、決断力もある。あらゆるものを備えた男の理想と考えていました。最初はクールで、冷徹に見えます。徐々にユーモアも見せるようになるなど変化を楽しんでいました。強いだけではないところも漂わせようと考えていました」
大塚さんが特に印象的だったのが「2202」の第26話の真田の演説のシーンだ。「『宇宙戦艦ヤマト』という時代」でも重要なシーンとなっている。
「『彼はあなたです』。いいせりふですよね。真田はこれを言いたかった。いつもそういう思いがあったんでしょう。名文句ばかりです。静かに始まり、高揚していく。自分も熱くなり、興奮、思いが自然と表現できました。長いシーンですし、役者としてもやりがいがありました」
「宇宙戦艦ヤマト」は、放送から半世紀を迎えようとしているが、「2199」「2202」によって若いファンも増え、さまざまな世代に愛されている。今年は「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち」が上映されることも発表されている。最後に、大塚さんが感じる「宇宙戦艦ヤマト」の魅力を聞いた。
「驚きの発想、夢とロマンがあります。まずはヤマトが空を飛ぶという目から入ってくる感動がありますし、そこから始まり、人間の悩み、人を思う気持ち、地球を思う気持ち、宇宙全体の平和……という大きなテーマを楽しめます。未来を描いていますが、現実は『ヤマト』の世界のような困難が近づいているのかもしれません。僕らは今、『ヤマト』に助けてほしい気持ちもあります。『ヤマト』は想像だけの世界ではないのかもしれません。『2205』はどうなるのか? どう困難に立ち向かうのか? 楽しみにしています」
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