香川照之の昆虫すごいぜ!:なぜ元日から放送 4回目で初の「授業」形式 カマキリから学ぶのは、ズバリ「愛」

2021年1月1日に放送される「香川照之の昆虫すごいぜ!『お正月はカマキリより愛をこめて』」の一場面 (C)NHK
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2021年1月1日に放送される「香川照之の昆虫すごいぜ!『お正月はカマキリより愛をこめて』」の一場面 (C)NHK

 昆虫好きで知られる俳優の香川照之さんによるNHK・Eテレの学校放送番組「香川照之の昆虫すごいぜ!」の特別授業「香川照之の昆虫すごいぜ!『お正月はカマキリより愛をこめて』」が2021年1月1日に放送される。同番組の“特別編”が、元日に放送されるのは今回で4年連続4回目となるが、華やかな正月番組があふれるこの日に、「授業をする」意義とは? 2016年10月の放送開始から初めて、香川さんが最も愛する昆虫「カマキリ」を取り上げる、最新授業の見どころと共に、プロデューサーの野々部一成さんに語ってもらった。

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 ◇カマキリ先生と子カマキリで「授業」 「原点」を見つめ直すにはいいタイミング

 番組は、「人間よ!昆虫に学べ」をテーマに、香川さんがカマキリの着ぐるみ姿の“カマキリ先生”となり、大好きな昆虫の生態を紹介する。2016年10月にスタートし、1時間目から8時間目まで「トノサマバッタ」「モンシロチョウ」「オニヤンマ」「クマバチ」「ハンミョウ」「アリ」「キリギリス」「セミ」を取り上げ、特別編も放送されてきた。

 今回の「お正月はカマキリより愛をこめて」が過去の正月放送回と違うのは、枠を44分に拡大(通常は30分)しての特別編でありながら、カマキリ先生と子カマキリ(生徒)が一緒になって行う「授業」の形式を採っていること。

 香川さんがカマキリ先生として、「昆虫のすごさ」を授業で「伝えたい」という熱い思いの表れでもある。新しい1年の始まりという意味でも、「香川さんをはじめスタッフ一同が、番組の原点を見つめ直すにはいいタイミングなのかなって考えました」と野々部さんは説明する。

 ◇なぜ「カマキリ」? 香川照之も決断「今こそやるべき」

 一説には最終回で取り上げる予定だったと言われる「カマキリ」をテーマに選んだワケについても野々部さんに聞いてみた。そのきっかけとなったのがステイホーム期間。番組スタッフは「昆虫採集ができない」ことを逆手に、カマキリ先生の指令の下、オオカマキリの飼育専用施設「メゾン・ドゥ・カマキリ」を作り、秘密裏に飼育と観察をスタートさせていた。

 「カマキリって春に卵から孵化して秋までのはかない命ではあるのですが、その一生をつぶさに見せるということをやろうと思って。夏の時点で“撮れ高”の一部をカマキリ先生に見せたら『これは早く伝えたい』『授業したい』と言っていただけて。番組ディレクターは香川さんに『(カマキリは)最終回って言ってませんでしたか?』と聞いたのですが、『藤井君(←ディレクターの名前)、そんなの関係ない。今こそやるべきだ』って」と野々部さん。

 そこから大きく動き出した今回の「カマキリ」をテーマにした特別授業だが、番組が掲げる「人間よ!昆虫に学べ」になぞらえると、視聴者は「カマキリ」から何を学ぶのか? その答えは「愛」だという。

 そんな「愛の授業」の鍵を握るのが「メゾン・ドゥ・カマキリ」で撮影された映像だ。Eテレ理科番組の特殊撮影チームによる、「普段、自分たちが見ているカマキリとは明らかに違う決定的な瞬間」を目にすることができるという。野々部さんは「その『愛』が何なのかは番組を見てほしいのですが、お正月って家族が集まって向き合う時間でもあるので、そこで子供たちが自分たちの家族の意味を学べる授業になっていると思いますので、きっと泣けますよ」とアピールしていた。

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