天国と地獄 ~サイコな2人~:いよいよ最終章に突入! 東朔也の動機が判明 魂を入れ替えるための条件、日高の目的は何か(ネタバレあり)

連続ドラマ「天国と地獄 ~サイコな2人~」第9話のワンシーン(C)TBS
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連続ドラマ「天国と地獄 ~サイコな2人~」第9話のワンシーン(C)TBS

 初回から第8話までの期間平均視聴率(世帯)が14%を超える(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)、女優の綾瀬はるかさん主演の連続ドラマ「天国と地獄 ~サイコな2人~」(TBS系、日曜午後9時)。第8話では連続殺人事件を起こした犯人・東朔也の正体も判明。いよいよ最終章を迎える第9話の放送を前に、解明されたこと、そして残された謎を整理する。

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 ◇以下ネタバレを含みます

 ドラマは、綾瀬さん演じる、努力家で正義感が強いが慌てん坊な35歳の刑事・望月彩子が、高橋一生さんが演じるサイコパスな殺人鬼・日高陽斗(ひだか・はると)と魂が入れ替わってしまう……というストーリー。「世界の中心で、愛をさけぶ」「JIN‐仁‐」「義母と娘のブルース」(いずれもTBS系)など数々のヒットドラマを手掛けてきた脚本家の森下佳子さんのオリジナル。初回世帯視聴率16.8%と好スタートを切り、その後も13%以上の高視聴率をキープ。最新第8話では14.8%を記録している。

 ◇東朔也の動機は… 3人の被害者に共通点

 まず、本作で描かれてきた連続殺人事件を整理する。3年前の一ノ瀬正造殺害事件の後に発生した連続殺人事件の被害者は、パチンコ会社「デンデン」の社長・田所仁志、「暁土地開発」の元代表取締役社長・四方忠良、警備会社「プロセーブ総合警備保障」の社長の息子、久米幸彦の3人だ。

 東は、プロセーブ総合警備保障でアルバイトをしていたときに、幸彦の犯した失敗を押し付けられて職を失った。東の父は、かつて四方から巨額の債務を押し付けられたのが原因で裕福な生活が激変。東は久米親子、四方に恨みを持っていたのだ。田所だが、日高<魂は彩子、高橋さん>が入手した東の職歴に「エンタープライズデンデン」という社名が入っていた。東と田所には何かしらの因縁があったことが推測でき、3人の被害者の共通点が浮き彫りになった。

 しかし、東と一ノ瀬とのつながりは判明していない。第8話冒頭で描かれた、捜査1課の刑事、河原三雄(北村一輝さん)の推理が正しいのかもしれない。河原の推理は、十和田元=クウシュウゴウ(田口浩正さん)が一ノ瀬を殺害。東が、自殺した十和田の自宅からマンガ「暗闇の清掃人Φ」を持ち出し、模倣したという内容だった。日高が持っていた殺人リストに一ノ瀬の名前がなかったのも、この推理なら納得がいく。

 ここで気になることが一つ。不動産屋が保管していた十和田の「死体検案書」には、十和田の自殺が推定で「2018年11月下旬」と明記されており、河原の捜査メモにあった一ノ瀬が殺害された日は「2018年12月16日」となっていた。十和田が死亡した後に、一ノ瀬が殺害されたことになり、今後、どのような形でこの“伏線”が回収されるのか、期待がかかる。

 ◇魂を入れ替えるための必要な条件、日高の目的は…

 第8話では、今後のストーリーを大きく揺るがすシーンもあった。まず、前述の通り、東の殺人の動機が明らかになったこと、そして東の正体が、渡辺陸(柄本佑さん)の“師匠”こと湯浅和男(迫田孝也さん)であることが判明したことだ。

 そしてラストでは、彩子<魂は日高、綾瀬さん>と日高<彩子>が歩道橋の階段から落下した。満月、凶器の石、手錠、階段から落下と、前回2人の魂が入れ替わったときと全く同じシチュエーションだった。本当に魂が入れ替わったのかどうかは第9話に持ち越されたが、今後、日高がそのような行動に出た理由、同時に魂を入れ替えるために必要な条件も明かされるだろう。

 脚本家の森下さんがオリジナル脚本で描くこのドラマには、まだまだ伏線がある。日高が、東の殺人を阻止しようとしていたのか、サポートしていたのかも気になるところ。幸彦の殺害では、東と幸彦が激しく争った形跡が見られた。しかし、田所と四方の殺害現場は争った形跡がなく、清掃された後のような現場となっていた。ここからは仮説だが、歩道橋に「9」という数字が書かれた新月の夜、久米正彦夫婦の自宅に潜入していた彩子<日高>は、正彦の意識を失わせるという行動に出た。田所と四方の殺害は、日高が意識を失わせた後に、東が殺害したから争いの形跡がなかったのではないだろうか。

 さらに第8話では、東が日高の胸ぐらをつかむシーンもあり、生き別れた双子の兄弟が大人になってから再会していたことも判明した。魂が入れ替わる前の日高が、「コ・アース」社の清掃員の女性に、清掃員だった東が突然、辞めた理由を質問していたことから、魂が入れ替わる前に、日高と東は音信不通になった可能性が高い。そのため、東は、日高と彩子の魂が入れ替わったことは知らないのではないだろうか。

 第6話では、東が久米夫婦の前で張り込みをする日高<彩子>たちを発見し、きびすを返す場面があった。もし、日高が共犯者だとしたら、東は引き返す必要がないため、殺人に日高が加担していることは知らないと考えられる。この真相も、今後、明かされることを期待したい。

 鹿児島・奄美大島の謎も少しずつ解明されてきた。第7話で、日高と東の母(徳永えりさん)が奄美大島出身だったことが明かされた。日高と東の2人で奄美大島を旅行する計画もあったが、直前でキャンセルされたことも分かった。旅行がキャンセルされた理由、そして、日高が奄美大島で東の名前を名乗っていた謎も残されている。奄美大島に伝わる「月と太陽の伝説」が今後のストーリーにどのように関わってくるのかも注目だ。

 最終章では、なぜ魂が入れ替わったのが彩子と日高だったのかという理由を含めて、怒涛(どとう)の展開で伏線が一気に回収されていくことが予想できる。第9話では、キャラクターたちが発する一言、一挙手一投足から目を離してはいけない。

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