長瀬智也:「俺の家の話」最終回撮影で西田敏行と涙も… 磯山CP「50歳の長瀬君も見たい」

人気グループ「TOKIO」の長瀬智也さん主演の連続ドラマ「俺の家の話」の最終回のワンシーン(C)TBS
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人気グループ「TOKIO」の長瀬智也さん主演の連続ドラマ「俺の家の話」の最終回のワンシーン(C)TBS

 人気グループ「TOKIO」の長瀬智也さん主演の連続ドラマ「俺の家の話」(TBS系、金曜午後10時)。3月26日の放送でついに最終回を迎えるが、視聴者からは「俺の家の話、一生見てたい」「終わらないでほしい」という声が続々と上がっている。最終回を撮影する現場では、長瀬さんも寂しい気持ちのようで、本作をはじめ長瀬さんのドラマを数多く手がけてきた磯山晶チーフプロデューサーは、「西田(敏行)さんと長瀬君の二人のシーンでは、目と目が合うだけで二人とも泣いちゃうみたいな感傷的な感じ」と明かす。そんな磯山さんに、数々のタッグを組んできた長瀬さんへの思いを聞いた。

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 ◇宮藤官九郎のセリフを「さらに面白くする努力」

 「俺の家の話」は、宮藤官九郎さんが脚本を担当。ピークを過ぎたプロレスラー・観山寿一(じゅいち、長瀬さん)が、能楽の人間国宝である父・寿三郎(西田さん)の介護のために現役を引退し、名家の大黒柱として、次々と一家に降りかかる困難に立ち向かう。そして謎の女性介護ヘルパー(戸田恵梨香さん)を巻き込みながら、家族と一致団結し、一家をまとめていくというストーリー。

 最終回の撮影が行われる中、取材に応じてくれた磯山さん。長瀬さんの様子について、「寂しくなってきたって感じですね」と明かしながらも、「おかしいシーンは爆笑しながらやっていますし、すごく楽しそう」と話す。プロレスや能の撮影はほとんど終わったといい、「精神的にもちょっと楽になったのではと思っています」と長瀬さんを気遣う。

 役作りのため、肉体改造に励み、「(体重は)12~13キロぐらい増やした」と明かしていた長瀬さん。そんな“役者・長瀬智也”を「誰よりも先にスタンバイしている人」と表現する磯山さんは、「体も含めて、自分の役作りのスタートが早い。および完成度の高い仕上がりで、ものすごく感動した」と振り返る。

 同局の連ドラでは、2000年4月期の「池袋ウエストゲートパーク(IWGP)」、2005年4月期の「タイガー&ドラゴン」、2010年7月期の「うぬぼれ刑事」、放送中の「俺の家の話」とこれまで4作品でタッグを組んできた長瀬さん、宮藤さん、磯山さん。

 磯山さんによると、長瀬さんは、宮藤さんが書くセリフをさらに面白くする努力をギリギリまでしているといい、「いろいろなアイデアを自分の体を使って試しています。完璧主義というか、高い得点をどんどん狙っているというか……」と明かす。また、「『長瀬さんと宮藤さんの相性バッチリ』ってよく言われるんですけど、今回すごくそう思いました」とも話す。

 たとえば、第7話では、息子・秀生(羽村仁成さん)が書いた作文を読み、思わず涙した寿一が、マスクで涙をぬぐうシーンが登場した。実は、これは長瀬さんのアドリブだという。

 「『もしかしたらそういう(マスクで涙をぬぐう)やり方もあるな』とは思っていたけど、練習してきたわけではなくて。その場でやってみたらうまくいった、と言っていました」と長瀬さんとのやりとりを明かした磯山さん。長瀬さんが急に一点を見つめてじーっとしているときは、「だいたいどうしたら(もっと)よくなるか考えている」のだという。

 ◇長瀬智也&西田敏行は「本当の親子のよう」

 そんな長瀬さんの演技について、SNSでは、ドラマが放送されるたびに絶賛の声が上がっている。なかでも、スパリゾートハワイアンズへの家族旅行が描かれた第6話は「神回」と大きな盛り上がりを見せた。

 第6話では、各地のスーパー銭湯を回るムード歌謡グループ「潤 沢」の新曲「秘すれば花」を、メンバーのたかっし(阿部サダヲさん)とともに、寿一、踊介(永山絢斗さん)、寿限無(桐谷健太さん)が歌声を披露する場面が登場。

 阿部さんは、長瀬さん(主演)と宮藤さん(脚本)のタッグ作の常連で、「俺の家の話」で約16年ぶりに“長瀬×宮藤”作品に出演を果たしたのだが、実は、西田さんの熱望により阿部さんの出演が実現したのだという。

 西田さんについて、磯山さんは「本当に長瀬君が好きなんだなと思うんです。長瀬君とのお芝居がすごく生き生きしていて……」と話す。そんな西田さんに対して、長瀬さんは「本当の息子のようにそばに寄り添っている」という。

 ◇「俺の家の話」は「現時点で最高傑作に」

 今回の取材中、「長瀬君がジャニーズ事務所を退所する前の最後の作品ということで、すごい責任を感じた」と胸の内を明かした磯山さん。「ものすごい責任感を持って取り組んだつもりですし、宮藤君ともそう話していました。長瀬君が今後どんな芸能活動をやっていくのか、やっていかないのかも知らないんですけど、現時点で最高傑作にしたいなと思っている」と明かす。

 そんな思いで制作した今作で、長瀬さんが演じた寿一については「今までで一番(長瀬さんの)素に近い」と表現する。「宮藤さんの(脚)本もだんだん、長瀬君が本来持っている気質にすごい近づいていっているような気がして……。長瀬君には聞いていないからわからないですけど、私たちが想像する長瀬君という人に寿一が近づくような感じがしました」と話す。

 これまで、“役者・長瀬智也”は、説得力のある芝居で視聴者を楽しませてくれた。「俺の家の話」では、42歳の長瀬さんが寿一を演じたからこそ、伝わってくる思いがあった。磯山さんは、「『池袋ウエストゲートパーク』の時は21歳で、『タイガー&ドラゴン』の時は27歳。『うぬぼれ刑事』の時は31歳。今、42歳で。その時々の違う表現の仕方が、彼の人生というか、自分の年齢に合わせた演技のいろいろになっている」と話す。

 最後に、「俺の家の話」は、長瀬さんの“集大成”なのではないかと尋ねてみると、「今までいろいろな経験を積んできたものを全部出してくれているなと思います」と話した磯山さん。

 「これが“最高傑作”っていうと、もうなんか見られないような気がするので、そういうふうに言いたくないんですけど……。50歳の長瀬君も、60歳の長瀬君も見たいので、『これはこれでいい仕事できてよかったな』という感じですね、今は」

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 「俺の家の話」最終回は、3月26日に15分拡大で放送。グループホームを抜け出し観山家にやってきた寿三郎は、3度目の脳梗塞で危篤に……。多くの門弟や家族たちに囲まれ、最後の時を迎えようとしていた寿三郎の前に、いままで正体を隠してきた寿一がスーパー世阿弥マシンとして現れる。そして「肝っ玉! しこたま! さんたま!」の掛け声で、奇跡的に寿三郎は一命を取り留める。そして寿一は、新春能楽会で舞う予定の「隅田川」の稽古に励んでいた……というストーリー。

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