津田健次郎:念願のアニメ「極主夫道」はスピード感、ノリを大切に 仕事は「一つ一つ丁寧に」

「極主夫道」に出演する津田健次郎さん 撮影:堤博之
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「極主夫道」に出演する津田健次郎さん 撮影:堤博之

 新潮社のマンガサイト「くらげバンチ」で連載中のおおのこうすけさんのマンガが原作のアニメ「極主夫道」が、4月8日にNetflixで全世界配信される。主人公の元極道で専業主夫の龍(たつ)の声優を務めるのが、津田健次郎さんだ。津田さんは、原作の実写版PVで監督を務めるなど作品への思い入れが強いといい、「改めてアニメーションで龍を演じられるのは新鮮ですし、全世界に配信されてどんな反応があるのかとても楽しみです」と笑顔を見せる。演技のこだわりや作品の魅力、家事についても聞いた。

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 ◇龍の魅力的なギャップ 得意な家事は?

 「極主夫道」は、“最凶”の極道「不死身の龍」といわれ、極道から足を洗い専業主夫となった龍が、家族や町の平和を守る姿を描く“ギャグコメディー”。テレビドラマも話題となった。アニメは、今千秋さんが監督を務め、J.C.STAFFが制作する。

 津田さんは自身が演じる龍の最大の魅力を「ギャップ」と表現する。

 「伝説の元極道が主夫として一生懸命家事をやっているというギャップの面白さが一番大きな魅力だろうなと思います。それに、とても人情味ある熱い男ですし、半端じゃない熱量で家事に向かっている。あとは、人にとにかく優しい。丁寧に人と接しているんですよね。いい男だなと思いますね」

 龍は主夫道を極める家事のプロ。津田さん自身は、得意な家事はあるのだろうか。

 「得意な家事は、ないんですよね(笑い)。本当に苦手で。唯一洗い物は苦じゃない、嫌じゃないみたいなところはありますけどね。ちゃんとモードに入れば、きっと窓拭きとかは楽しいんでしょうけど。窓がめっちゃきれいに拭けたら、これはきっと楽しいぞとか思うんですよ。でも、それまでの準備が……みたいな(笑い)」

 ◇前振りなしの全力疾走 ひたすら楽しかった収録

 津田さんは、アニメで龍を演じる上で「スピード感」を意識したという。

 「アニメは、セリフにスピード感がすごくあったので、めちゃめちゃノリが大事だなと思いましたね。思い切りアクセルを踏み込んで、すごいエネルギーで持っていくというのが、一番大事な部分になるなと。龍はエネルギーがすごくありますし、前振りなしで全力疾走みたいな瞬間もたくさんあるので、エネルギー量は大切にしました」

 さらに演じる上で「ギアチェンジ」も大切にしたという。

 「力を抜いてしゃべるとか、その次の瞬間にはめちゃめちゃ力みながらしゃべるとか、ギアチェンジのオンパレードなんです。とにかくいろいろなことをやらせていただいて、その一つ一つがひたすら楽しかったです」

 アニメでは、伊藤静さんが龍の妻・美久役、興津和幸さんが龍の元舎弟の雅役として出演しているほか、細谷佳正さん、M・A・Oさん、田中敦子さん、大塚芳忠さんと豪華声優陣がそろった。

 「それぞれのキャストさんが、それぞれのキャラクターの面白さを持ち込んでくださるので、『なるほど、この人はこのキャラで、こういう芝居なんだ。楽しいな』と。どのキャラクターもとても魅力的で、隙(すき)のない布陣ですね」

 ◇「一生懸命やって次の次元に」 仕事は「丁寧に」

 津田さんは、さまざまな作品で重要なキャラクターを演じ、活躍している。2020年に放送された俳優の窪田正孝さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「エール」で語りを務めたことも話題になり、今年3月に発表された「第15回声優アワード」では、主演男優賞に選ばれた。「極主夫道」の龍が主夫道を極めようとするように、津田さんが声優として大事にしていることを聞いた。

 「さらに丁寧に一つ一つの仕事をやっていきたいなと思っています。一生懸命やって、別の次元にいけるぐらいに。声優のお芝居もそうですし、今は映像を制作したり、いろいろなものを作り始めているので、一個一個勉強しながらやっていきたいなと思っています」

 「丁寧に」という思いは、年々強くなっているといい、「今までは勢いでやっていた部分があったんですけど、それはもちろん大事なところとしてなくさずに、さらに丁寧に丁寧に、と思いますね」と力を込める。

 津田さんが、丁寧に、かつエネルギッシュに演じた「極主夫道」。笑いと人情にあふれたストーリーに元気をもらえるはずだ。

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