胸が鳴るのは君のせい:浮所飛貴らキャストが吹き込んだ“命”に感動 原作者・紺野りさが明かす実写化への思い

映画「胸が鳴るのは君のせい」の場面写真(C)2021 紺野りさ・小学館/「胸が鳴るのは君のせい」製作委員会
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映画「胸が鳴るのは君のせい」の場面写真(C)2021 紺野りさ・小学館/「胸が鳴るのは君のせい」製作委員会

 親友のように仲が良い友達同士の片思いを切なくもみずみずしく描き、コミックスの累計発行部数が250万部を突破している人気マンガ「胸が鳴るのは君のせい(胸きみ)」。ジャニーズJr.の人気グループ「美 少年」の浮所飛貴さん主演、白石聖さん共演で実写映画化され、6月4日に公開される。今回が初の実写化となった原作者の紺野りささんは、映画を見て「キャラクターたちが“生きてる”って思いました」と語る。作品が生まれた背景、物語を通して伝えたかったことをはじめ、実写化への思いを聞いた。

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 ◇「自分も一緒に楽しんだ」 実写化発表の盛り上がりに感動

 実写化が発表されたのは昨年の9月。紺野さんは「マンガ家としてやってきた中で、まさか自分の作品が映像化されるとは思わなかった。あくまでも紙の中で、自分の思い描くものを表現するという認識でやっていたので、誰かに演じていただけるという感動がものすごかったです」と語る。

 人気マンガの実写化とあって、ツイッターなどSNSを中心にファンからの声で大盛り上がり。配役は明かされていなかったが、紺野さんからキャストに関する“ヒント”が伝えられ、“予想合戦”も繰り広げられていた。

 こうした盛り上がりに、紺野さんは「連載終了から時間がたっていることもあり、こんなに話題に出してもらえているというのがとにかく新鮮で」とコメント。「キャストについても、皆さんの予想が大当たりですごいなと思っていました。皆さんの反応を見ながら、自分もその輪の中に一緒にいられているようで、すごく楽しかったですね」と振り返った。

 ◇原作の誕生背景は実体験 伝えたかったのは「好き」のパワー

 「胸きみ」は、転校生の有馬隼人に思いを寄せるヒロイン・篠原つかさの片思いを描く青春ラブストーリー。有馬と親友のように仲が良いつかさは、ある日、女友達から両思いだとはやし立てられ告白するも玉砕。しかし、つかさは有馬に諦めないと宣言し、その後も真っすぐいちずに思い続ける……。

 “フラれてからの片思い”が新しい本作だが、誕生の背景は実体験だったという。「学生時代に長い期間、男友達に片思いをしていたんです。結果はダメでしたが、その中で得た心の揺さぶりや振れ幅みたいなものを、ハッピーエンドとして焼き直して、世の中に送り出したいと思いました」と明かす。

 そして、紺野さんが作品を通して伝えたかったのが、「好き」という感情の素晴らしさだ。「誰かを真剣に好きになるって、簡単なことじゃないと思うんです。傷つくのが怖くて逃げ出したくなったり……。でも、『胸きみ』の中では皆、自分が傷つくことをいとわないくらい、体当たりで向き合っていく。原作で伝えたかった『好き』のパワーを、映画ではよりリアルに表現していただきました」と話す。

 ◇「キャラクターが生きている」 実写化での感動体験

 原作では中学〜高校時代の2人が描かれているが、実写化にあたり高校3年間のストーリーに変更。年齢設定について意見のすり合わせは行ったものの、それ以外は「逆に新しい『胸きみ』の世界観を見てみたい」と制作陣に“お任せ”したという。

 完成した作品を見たときには「キャラクターたちが“生きてる”って思いました。表情や声がつくだけで全然違うんですよ。原作と同じセリフでも、こういう声のトーンや話し方なんだって、生々しくてキュンキュンしました」と感激。「それぞれの個性も際立っていて、画面の中で描かれていない彼らの日常風景まで浮かんでくるような……」と、当時の気持ちを語ってくれた。

 そんな映画について、紺野さんは「片思いならではの切なさや喜びを、一番キラキラした青春という理想的な形で体感できると思います。『胸きみ』をもともと好きでいてくださる読者の方はもちろん、まったく知らない方が見ても、自分の体験に通じる懐かしさ、心に響くものがあると思うので、劇場で楽しんでいただけたらうれしいです」と呼びかけた。

 「好き」の尊さという軸をそのままに、時を超え、そして形を変え、新たに生まれ変わった「胸きみ」。フレッシュな若手キャストが紡ぐ青春の1ページを劇場で味わってほしい。新装版コミックス「胸が鳴るのは君のせい」(小学館、499円)全6巻も発売中。

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