「時をかける少女」「サマーウォーズ」などで知られる細田守監督の新作劇場版アニメ「竜とそばかすの姫」(7月16日公開)の主人公・内藤鈴/ベルの声優をミュージシャンの中村佳穂さんが務めることが6月2日、発表された。細田監督自らが「すずを見つけ出す」と意気込んで開催されたオーディションによって抜てきされた。
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中村さんは1992年生まれ、京都府出身の29歳。20歳から本格的に音楽活動をスタートさせ、これまでロック・フェスティバル「FUJI ROCK FESTIVAL」にも二度出演するなど、活躍している。細田監督が中村さんの楽曲「そのいのち」に心打たれ、数年前にライブ会場に足を運ぶなど、もともと親交があったというが、中村さんは、「演技もできる人だったとは……こんなことになるとは思わなかった」と細田監督も驚きの演技をオーディションで披露し、今回の抜てきとなった。
中村さんは「実は監督とは、数年前に、奈良でライブをしたときにお会いしていて……。楽屋に届いた一升瓶を見て『どなたからですか?』と会場の方に聞いたら、『細田監督からです』と言われ、まさかと思っていたら、その奥に監督がいらしたんです。そこからのご縁で何度か演奏をご覧いただいて、本当に気さくに話しかけてくれるステキな方だなと思っていたのですが、今回オーディションに参加し、まさかこんなご縁につながるとは思っていませんでした」とコメント。
「今まで歌を歌うことしかしてこなかったので、アフレコでは最初は監督がおっしゃることを聞いただけでは理解できない部分が多かったのですが、日がたつにつれ、『あ、すずはこういう人なんだ』と、監督の意図が少しずつ見え、だんだん楽しくなっていきました。初めての経験で何から練習したら良いのか分からなかったので、ベルのときはヒールの高いパンプスを履き、すずの時にはなるべく低い靴を履いてしゃべってみたりと、服装に手伝ってもらいながら、すずとベルを演じ分けました。細田監督の作品の出会いは、高校生の頃、梅田で母と『時をかける少女』を見に行った思い出があります。そんな自分がまさか細田監督の作品に参加することになるなんて、うれしい気持ちです」と語った。
「竜とそばかすの姫」は、過疎化が進む高知の田舎町で父と暮らす17歳の女子高生・内藤鈴が、超巨大インターネット世界<U>と出会い、成長していく姿を描く。幼い頃に母を事故で亡くし、心に大きな傷を抱えていたすずはある日、“もう一つの現実”と呼ばれる超巨大インターネット世界<U>と出会い、ベルというアバターで参加することになる。心に秘めてきた歌を歌うことで、あっという間に世界に注目される存在となっていくベル(鈴)の前に竜の姿をした謎の存在が現れる。
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