千本木彩花：「かげきしょうじょ!!」で見つけた“新しい扉”　夢に向かう少女たちに共感　血が騒ぐ！

　「メロディ」（白泉社）で連載中の斉木久美子さんのマンガが原作のテレビアニメ「かげきしょうじょ!!」が、7月3日からTOKYO MX、BS11ほかで順次放送される。紅華（こうか）歌劇音楽学校で少女たちが未来のスターを目指すアニメで、千本木彩花さんが主人公・渡辺さらさの声優を務める。さらさを演じたことで「新しい扉を見つけました」という千本木さんに、アフレコについて聞いた。

ウナギノボリ

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　◇頑張る姿に自身重ねる

　「かげきしょうじょ!!」は、女性のみで構成される紅華歌劇団の人材育成を目的とした学校・紅華歌劇音楽学校を舞台に、渡辺さらさ、奈良田愛ら予科生の少女たちが未来のスターを目指して奮闘する姿を描く。千本木さんは原作を読み「少女マンガですが、スポ根、青春マンガのようで、みんなが泥臭く頑張っている」と感じたという。

　「本当に面白かったです。お芝居をするというところは、私のいる業界に近いところもあります。声優とはジャンルは違えど、何かを演じるところは根本的に同じ。読んでいて、ハッとさせられるところもありました。止まらない！どうなるの！？と読み終わりました」

　「ライバルと切磋琢磨（せっさたくま）していくところは、中高生時代の部活動、声優を目指していた頃にも重なります」と共感するところもあった。

　「吹奏楽部だったので、コンクールに向けて夏は毎日、学校で練習して、冬は合宿をしたり、当時を思い出しますね。あの頃の気持ちがよみがえり、血が騒ぎました！　声優としては、事務所に入ってからが、予科生の子たちと重なるところもあります。同期で、同じスタートラインに立っている子がいて、みんなが頑張っている……。予科生の子たちの気持ちが分かるところもあるんです」

　◇花守ゆみりと共鳴

　千本木さんが演じる渡辺さらさは、178センチの長身としなやかな手足、輝く瞳を持つ少女。天真らんまんな性格で、幼い頃に祖母の影響で紅華歌劇団の「ベルサイユのばら」を鑑賞し、“オスカル様”を目指すようになる。

　「“ザ・陽”というキャラクターです。私と似ている部分もあるので、ナチュラルにできたかもしれません。明るくなりすぎないようにも意識しました。さらさは、天真らんまんなところが魅力です。そこを大事にしつつ、突っ走りすぎないようにしました。感受性が豊かなので、周囲のみんなの機微を感じることも大切にしました」

　さらさにとって、親友となる奈良田愛は大きな存在となる。愛は国民的アイドルグループJPX48のメンバーだったが、男性嫌いが理由でトラブルを起こして卒業し、男性のいない世界を求めて紅華に入学する。 花守ゆみりさんが声優を務める。

　「愛ちゃんは最初、こんなに暗い子なの！？とびっくりするかもしれませんが、どんどん変わっていきますし、感情移入しやすいと思います。アフレコは基本的にゆみりちゃんと一緒になることが多く、ここはどうしようかな？とお話をしながら収録していました。共鳴するところもあり、ゆみりちゃんと一緒にできてよかったです！　コロナ禍なので、なかなか難しいのですが、すてきな役者さんばかりなので、欲を言えば、みんなで録（と）りたかった……。ただ、どう演技しても受け取っていただける方ばかりなので、安心して演じることができました」

　◇“沼る”ところがたくさん

　さらさと愛がエンディングテーマを歌うことも話題になっている。歌劇風の楽曲で、千本木さんは「エモエモです！」と自信を見せる。

　「ミュージカルの楽曲をレコーディングするテンションに近かったのかもしれません。男役に寄せて、おなかから声を出したり、デュエットなので、愛ちゃんが隣にいて一緒に歌っているように意識したり、見つめ合って歌っているような情景を思い浮かべたり……。二階席まで歌を届けるような意識もありました。なかなかない経験なので、苦戦しましたが、面白かったです！　映像も素晴らしいので、放送が楽しみです」

　「かげきしょうじょ!!」は、千本木さんにとって挑戦の多い作品となった。

　「歌もそうですし、男役志望なので低い声で演じるところもあったり、挑戦することが多かったです。新しい扉を見つけました。扉が開いたかは分からないのですが。歌は好きだけど、自信はなくて……。皆さん、歌がうまい方ばかりなので、大丈夫！？となりましたが、さらさは歌はそこまでうまくないという設定ですしね（笑い）」

　アニメの見どころを「音楽も素晴らしいですし、“沼る”ところがたくさんあります。キャラクターもみんなすてきで、推しができるはず！　ぜひ推し活してください」と語る千本木さん。“かげき沼”にどっぷりとハマることができそうだ。