宮崎駿監督:「アーヤと魔女」語る 「大したもんですよ」「思いのほか健闘」

「アーヤと魔女」の企画・宮崎駿監督
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「アーヤと魔女」の企画・宮崎駿監督

 スタジオジブリが作る初の全編3DCG長編アニメ「劇場版 アーヤと魔女」(宮崎吾朗監督、8月27日公開)の企画として宮崎駿監督のインタビュー動画が8月17日、東宝の公式YouTubeチャンネル「東宝MOVIEチャンネル」で公開された。宮崎駿監督は、宮崎吾朗監督について「吾朗はちょっと無理じゃないかなと思ったぐらいで。だけど思いのほか健闘して、結構面白くなったと思います。CGの使い方も上手だったと思う。大したもんですよ。本当にいいスタッフが集まったなと思います」と話している。

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 「アーヤと魔女」は、スタジオジブリの劇場版アニメ「ハウルの動く城」の原作を書いた英国作家の故・ダイアナ・ウィン・ジョーンズさんの児童文学が原作。宮崎駿監督は同作を企画した理由について「ダイアナさんの作品は好きだから、開いてみたらとても面白かった。ハウルの時もいざ取りかかってみたら大変な目に遭いましたけど、今度のアーヤは短いし、非常に辛辣(しんらつ)だし、でもそれに負けないものがあるし、これは面白いんじゃないかと思ったんです」と説明した。

 宮崎吾朗監督については「僕は、劇場長編じゃないといけない宿命を背負わされているから、『アーヤと魔女』をやることはできないだろうなと思って、それで後は鈴木(敏夫)さんに任せたんです。吾朗にどうのとかそういうのは思ってこなかった」と明かした。

 作品を見て「試写は面白かった」「どこが面白いのかという話じゃなくて、面白いんです」と感じたといい、「本当に手放しに褒めたいぐらい、あれを作るのは大変だったと思いますよ。ストレートに、アーヤの『負けてたまるか! ここにいてやる!』という気持ちが貫かれていて、映画を作る覚悟をちゃんと踏みはずさないでやっていたから、本当によかった」とコメントした。

 ヒロインのアーヤを「したたか」と表現し、「周りが自分に対して敵意を見せている時に、神経衰弱になったり縮こまってしまうことがよくあるけど、その中でも何とかすき間を見つけて、そこに爪を立ててもくっついて、よじ登って、天上から顔を出す。そういうのをしたたかさというんですよ。人を利用するとか特異なことをするのは『ずるい』であって、それとしたたかさは全然違うんです」と話している。

 「アーヤと魔女」は、自分が魔女の娘とは知らずに孤児院で育った10歳の少女・アーヤがある日、奇妙な家に引き取られ、意地悪な魔女と怪しげな男と共に暮らすことになる。2020年12月30日にNHK総合で放送されたアニメで、劇場上映版では、新規カットが追加される。オーディションで選ばれた平澤宏々路(こころ)さんが主人公・アーヤを演じ、女優の寺島しのぶさん、俳優の豊川悦司さん、濱田岳さんも声優として出演する。

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