8月25日に2曲入りコンセプトEP「SEKIRARA」を配信リリースした歌手のLinolino(リノリノ)さん。LiSAさんに憧れ2016年4月に地元・熊本から単身上京し、ライブハウスを中心に音楽活動を続けてきた。現在は「何でもやってみる」をモットーに、YouTubeを通じて、ミュージックビデオや楽曲制作の舞台裏などさまざまなことを発信。そんなLinolinoさんが、「タイトル通り赤裸々に、自分のことを“さらけ出す”っていう意味合いで作りました」と明かす、2曲の新曲について語った。
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「SEKIRARA」は、今年2月リリースの「MAGIC TIME」に続くコンセプトEPで、「VICTORY MONSTER」と「Heart Beat」の2曲の新曲を収録した。共に歌詞の中に「赤裸々」というフレーズが出てくるが、スローな「VICTORY MONSTER」とアッパーな「Heart Beat」と楽曲のタイプは異なっている。
「VICTORY MONSTER」についてLinolinoさんは、「夢を語ったり、あれをやりたいこれをやりたいと語ると『できるわけないじゃん』と言われてしまうことって多いし、否定されることが怖くて、自分がやりたいことをやれていない人もいるのかなって思って。出る杭(くい)は打たれがちな今の世の中で、たとえ周りに否定されたり、後ろ指をさされても、やり通すことで自分の道は開けるんだよっていうことを、諦めないで一緒に頑張っていけたらという思いで書きました」と振り返る。
一方、「Heart Beat」は「さらけ出すってことは勇気がいるし、人に知ってもらうってある意味、怖いことでもあるのですが、ちょっとでも友達、周りの人、大衆に自分はこういう人間なんだって伝えていくことで、結果的に自分自身が楽になるんじゃないかって。だから『Heart Beat』では、自分はこういう人間でこういうことをやっていきたいって表明することの覚悟、そうやって生きていくことは怖いけれど、何も恐れずさらけ出していくことに対しての強い覚悟を歌っています」と説明する。
また「Heart Beat」のミュージックビデオ(MV)では、お笑いタレントの紺野ぶるまさんとの共演が実現。紺野さんはMVの中で謎かけを披露し、一発撮りで完成させた。
撮影は終始「和やかだった」といい、「(紺野さんが)何を言うか、私は聞かされていなくて、リハもなくやったので、素のリアクションが出ています。撮影はめちゃくちゃ面白かったですし、なかなか楽曲が途中で止まるMVってないじゃないですか。新しい一つの作品というか、表現の形を作れたのかな」とうれしそうに笑った。
コロナ禍で、以前のようなライブ活動ができなくなり、代わりに始めたYouTubeもまだまだ試行錯誤の段階だ。それでも「何でもやってみよう、すべてにおいてさらけ出していこう」という強い思いから「VICTORY MONSTER」「Heart Beat」の2曲は生まれた。
そんなLinolinoさんに「歌うこと」のきっかけを与えたのがLiSAさんだった。
「今まで好きになったアーティストさんはたくさんいましたが、自分が『音楽の道に進もう』と決めるきっかけを与えてくれたのがLiSAさん。2015年の日本武道館ライブを生で見て、そのときが初めての東京だったのですが、私も歌いたい、ココに立ちたいって思ったんです。それまでは熊本を出るとか、東京に行くとかが怖くて。臆病で行動できない自分が嫌で、でもそこで火が付いてしまった。それから急いで熊本に帰って、バイトを増やして、お金をためて、1年後の2016年の4月に音楽をやるため上京してきました」
当時、後ろ盾などまったくなく、文字通り「単身」での上京だったというが、そこから5年、歌い続けて今がある。
音楽は「命」で「生きることと同じ」というLinolinoさんは、改めて「SEKIRARA」について、「欲を言ってしまえば、この世界にいるみんなに聴いてもらいたいですけど。人とのコミュニケーションに悩んだり、一人でいること時間が多くて、これからどうしていこうと悩んでいる人って結構多いんじゃないかって勝手に思っていて。そういったときに曲を通じて『こういう人もいるんだよ』って知ってもらえたらうれしい。今まで出してきた他の曲も、誰かの何かになれたらと、誰かの背中を押してあげるような思いで作ってきたので、それぞれの人に片隅にでも置いておいてもらえたら」と思いを語った。
※メーク:池田眞美子
日時:9月26日午後8時~同9時
配信:ZAIKOにてチケット購入後閲覧可能(下北沢LANDRUTH Studioより生配信、アーカイブあり)
料金:2000円