アイドルグループ「乃木坂46」の渡辺みり愛さんのファースト写真集「消極的な華やかさ」(竹書房)が、8月31日に発売される。写真集は、グループの27枚目のシングル「ごめんねFingers crossed」をもって卒業を予定している渡辺さんの、透明感あふれるピュアな表情から大人の色気をのぞかせる瞬間まで捉えた一作だ。「少女と大人の狭間で揺れる“等身大の今”を写し出した」という写真集やこれからについて語ってもらった。
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終始笑顔で取材に応えてくれた渡辺さん。写真集発売は「ずっと念願だったのですごいうれしかったです」という。
「乃木坂にいた時間で、私が自分を表現できることが少なかった気がしています。ダンスでこそ自分の魅力は出せましたが、引っ込み思案な分、発言は思うようにできませんでした。それがタイトルにも表れています。最後の最後に、この写真集でようやく自分の全てをさらけ出せた感じがしています。本当にいい機会でした。8年間推してくれたファンも、やっと最近私のことを知ってくれた方も、誰でも新鮮な一冊になっていると思います。乃木坂にいた8年間の苦悩や喜びが詰まっています」
撮影は北海道と東京で実施。「北海道では、“昔の自分”みたいな懐かしい雰囲気の撮影で、田舎の少女っぽい一面が出せました。東京では、衣装やヘアメーク含め、8年間乃木坂で活動して『やっと大人っぽくなりました!』みたいな、成熟した大人の女性の雰囲気を出してもらっています。飽きない一冊です」と自画自賛した。
お気に入りのカットは、写真集の撮影がスタートしたばかりの頃に撮った赤いワンピースの一枚。
「最初だからこその初々しさと言いますか、顔にちょっと緊張が出つつ、でも1日目ということで、最高にコンディションが良かった日だったんです。髪色とワンピースの色がちょうどマッチしていて、色合い的に儚(はかな)い感じを演出できたと思って、個人的に好きですね」
今回は初の水着、ランジェリー姿も披露している。
「乃木坂に当時最年少で入っているので、イメージ的にも可愛らしい印象しかなかったと思います。今回やっと大人っぽい一面を見せられました。8年間推してくれているファンの方でも新鮮に見られる作品だと思います」
普段見せない体のパーツを見せるにあたって、ジムで筋トレもした。「トレーナーさんからは『みり愛ちゃんは適応能力が高いから(ジムのトレーニングをするのも)うまい!』と言われることが多かったです。意外と苦痛を楽しむタイプなので、そんなに大変ではなかったです」と説明。自慢のボディーパーツを尋ねると「全部です(笑い)!」とにこやかに答えた。
コロナ禍に伴い、有観客の卒業ライブは実現せず。「けっこう心残りではあります。こうやって写真集を出して、自分の人生の大きな一歩にできて大きかったです。悔いなく卒業できます」と胸を張る。
写真集内のインタビューでは、自身のアイドル人生を100点満点中72点と自己採点。28点の減点は多すぎる印象も受けるが、本人は再び「私のアイドル人生に悔いはないです」とにっこり。「もともと私は、キャラクター的にアイドルっぽくなかったと思います。アイドルっぽさがなかったことが、反省の意味も込めてマイナス28点という数字になりました。アイドルだったら『こういうことできたよね』『ああいう発言できたよね』という部分で低めの評価をしました」と話す。
後を託す後輩の中でも、気になるメンバーは新センターの賀喜遥香さん。「賀喜ちゃんは一回一緒にご飯を食べに行きました。普段あまり悩みを言わない子なんですけど、うま~く私が探り出したら(笑い)、全部素直に言ってくれました。彼女なりにすごい悩んでいるなと感じました。しかもその悩みが、私が乃木坂に加入した当初の悩みと似ていました。『支えてあげたいな』と思いましたし、『賀喜ちゃんには、賀喜ちゃんの良さがあるから、それを磨けば絶対大丈夫だよ!』と言いました。現役の子って、卒業生のほうが相談しやすかったりするんですよ。なので、賀喜ちゃんが新センターの重圧に押しつぶされて疲れたときには、今後ぜひ私に頼ってほしいですね」とほほ笑んだ。
ファンが気になる卒業後の進路は未定。他方、写真集のインタビューでは「かっこいい女性になりたい」と述べている。
「本当に、この先は何も決まっていません。外の社会での作法・礼儀は未熟なので、その部分を学んでいきたいです。こういう華やかな芸能界だけではなくて、一般企業のことも知れたら、いろいろなことができるマルチな女性になれるかなと考えています。乃木坂を21歳という若いタイミングで辞めますが、この長い人生、いろいろなことを経験して、人にもっといいアドバイスをしたり、頼られたりする女性になりたいです」
トークは苦手、と言いながらもインタビューにハキハキ答えてくれた渡辺さん。今後の人生に幸多からんことを。(取材・文・撮影:桜井恒ニ)