ドラゴンボールDAIMA
第10話 ウナバラ
12月16日(月)放送分
人気アニメ「宇宙戦艦ヤマト」シリーズの最新作「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち」の「前章 -TAKE OFF-」が10月8日に上映される。「2205」は、新たなスタッフが参加し、「マクロスΔ(デルタ)」「創勢のアクエリオンEVOL」などで知られる安田賢司さんが監督を務めることも話題になっている。安田監督に白羽の矢が立ったのは「『ヤマト』にあまり詳しくないスタッフに新しいヤマトを作ってほしい」という思いがあったからだという。新しい「ヤマト」とは……。安田監督に聞いた。
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「宇宙戦艦ヤマト」は1974年にテレビアニメ第1作が放送され、「宇宙戦艦ヤマト2」「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」「宇宙戦艦ヤマト 復活篇」なども制作されてきた。第1作をリメークした「宇宙戦艦ヤマト2199」が2012~14年、「2199」の続編「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」が2017~19年に劇場上映、テレビ放送された。「2205」は、「2202」に続き、福井晴敏さんがシリーズ構成、脚本を担当。サテライトが制作する。全2章。
「勉強するところから始まりました」と話す安田監督。「ヤマト」には詳しくなかったことで苦労も多かったようだが、新鮮な気持ちで挑んだ。
「大変だとは聞いていましたが、大変でしたね。これまでのシリーズにこだわりすぎて自分がやる意味がないので、新たな気持ちで作っていこうとしました。自分が参加する意味として、映像的にこれまでと違うものを目指しました。『2205』は全2章と短期決戦です。テンポアップできれば、と相談させていただきましたが、脚本のテンポが速く、密度も高いんですよね。削れるシーン、せりふがほとんどなかったんです。よく見ると、せりふのないシーンがあんまりありませんしね。配分が大変でした」
確かに「2205」はこれまでの「ヤマト」とは違う。戦闘シーンにしてもこれまでと雰囲気が変わったようにも見えるが、何が変わったのだろうか?
「戦艦の重厚感を出したかったので、これまでのようにゆっくり動かすと分かりやすいのですが、今回はゆっくり動かす時間があまりありませんでした。カット割りなどで重厚感を出そうとしました。そこは今までと違ったアプローチになったかもしれませんね。水平線上は、少し角度をつけてみるなど、これまでのヤマトから外れない範囲で新しい見せ方を調整しました。横に並んだ時、上と下であまり隙間を作らない、同じ勢力でも多少高低差をつける、敵がちょっと斜めの方向から撃ってくるなどそういうちょっとした変化なのですが」
「ちょっとした変化」なのかもしれないが、新鮮に見えるのは、安田監督の手腕によるところも大きいのだろう。作品全体に漂う雰囲気もこれまでと違うようだが……。
「『2202』では絵をキレイにぱっきり見せていましたが、光、フィルターを使うことで見せ方を変えています。自分が近年やってきたことの延長なのですが、絵をキレイに見せるより、画面をキレイに見せるために、絵を素材として扱う。撮影で絵が完成するという作り方をしています。画面に奥行き感が出たり、見せるべきところに視線を誘導したり、背景を暗くすることで緊迫感、焦燥感を強調するなどムードを強調したり……と情報量をコントロールしていきました。自分が元々、出崎統さんの『あしたのジョー』が好きなので、ちょっと懐かしさもある処理なのですが。でも、今のアニメは撮影によるところが大きく、そこでいかに映像を作り込むかが大事になっています。キレイにするだけでは、ヤマトっぽさはなくなるので、リアルにするための処理ではなく、見せたいものを際立たせるために処理をしました」
安田監督は、新しい「ヤマト」を作っていったが、変えなかったところもある。それは音楽だ。音楽は「ヤマト」を「ヤマト」たらしめる重要な要素で、安田監督も音楽の力の大きさを感じたという。
「通常のアニメや映画よりも音楽の存在感が大きい作品なんですよね。個人的には新しいヤマトにするんだったら、音楽を一新するのも一つの手かな?とも思っていたんですけど、この音楽じゃないと、ヤマトではなくなってしまう。テンポアップした映像に対して今までの音楽がマッチするのか?という懸念もありましたが、実際に音楽を鳴らすと、鳴った瞬間にヤマトだ!となる。音楽の力を改めて感じました。音楽を聴かせるために映像を盛り上げていくような作り方も必要になってきます。今回も『新たなる旅立ち』をリスペクトしていて、待っていた!という瞬間に音楽が鳴るシーンもあります」
後章に向けて「古代の物語があり、土門の物語、デスラーの物語、イスカンダル、スターシャの物語があり、それだけでもおなかいっぱいですが、薮(助治)の物語もありますからね。おいしくいただけるように作っていますので、お楽しみにしていただければ!」と話す安田監督。新しい表現に挑戦した「ヤマト」の後章の展開にも期待したい。
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