人気ゲーム「ドラゴンクエスト」(スクウェア・エニックス)シリーズの音楽などで知られる作曲家のすぎやまこういち(本名・椙山浩一)さんが9月30日、敗血症性ショックのため死去したことが分かった。享年90歳。スクウェア・エニックスのホームページで発表された。
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すぎやまさんは1931年4月11日、東京都生まれ。東京大学を卒業後、文化放送をへてフジテレビに入社し、ディレクターとして活躍。同時に作曲家としての活動を始め、「亜麻色の髪の乙女」「花の首飾り」「恋のフーガ」「学生街の喫茶店」などのヒット曲、CM、アニメ、映画音楽、器楽曲、東京・中山競馬場の発走のファンファーレ、マーチなど幅広いジャンルの音楽を手掛けた。
「ドラゴンクエスト」シリーズの音楽は、発売以来担当している。制作中の「ドラゴンクエストXI 選ばれし運命の炎」の作曲が、最後の仕事になった。
スクエア・エニックスは「これからも共にご制作いただきたく思っておりましたので、誠に残念でなりませんが、『ドラゴンクエスト』の音楽は永遠に皆様の記憶の中にあり、『ドラゴンクエスト』のゲームの世界でいつまでも生き続けてまいります。すぎやまこういち氏の生前のご功績に対する心からの敬意と感謝とともに、謹んで哀悼の意を表します」とコメント。
「ドラゴンクエスト」の“生みの親”である堀井雄二さんは、「すぎやま先生の、あまりに突然な訃報を聞き本当に残念でなりません。ドラゴンクエストを作って35年間、その世界に、すぎやま先生は音楽という命をずっと吹き込んできてくださいました。先生には本当に、素晴らしい楽曲を、いっぱい書いていただきました。これからもドラクエは、先生の音楽とともにあります。ユーザーの皆さんの心の中に、先生は、生き続けるはずです。すぎやま先生、長い間、本当にありがとうございました」と追悼。
キャラクターデザインを手掛ける鳥山明さんも「すぎやま先生の訃報を聞き、驚いています。つい数年前にお会いした時の印象からも、いい意味で、永遠の命を持つ魔法使いのように思っていました。ドラゴンクエストのイメージは、当時からゲームが大好きでいらした、すぎやま先生の素晴らしく印象的な数々の名曲によって決定付けられた。といっても過言ではありません。長くご一緒に仕事をさせていただいて本当に光栄でした! 心よりご冥福をお祈りいたします」としのんだ。