島崎信長:「ワールドトリガー」で敵から味方へ ヒュース役は「新鮮」 玉狛第2の安心感

「ワールドトリガー」に出演する島崎信長さん
1 / 3
「ワールドトリガー」に出演する島崎信長さん

 葦原大介さんの人気マンガが原作のテレビアニメ「ワールドトリガー」のサードシーズンが、テレビ朝日系で10月9日深夜1時半から放送される。セカンドシーズンは、かつて敵だったヒュースが玉狛第2に加わるという熱い展開で幕を下ろした。サードシーズンは、玉狛第2に加入したヒュースの活躍に注目が集まる。敵から味方になったヒュースを演じる島崎信長さんは、変化を「新鮮」と感じているという。島崎さんに「ワールドトリガー」、ヒュース、玉狛第2の声優陣への思いを聞いた。

ウナギノボリ


 ◇やっときた!第3シーズン

 「ワールドトリガー」は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で2013年2月に連載をスタートしたSFマンガ。“こちらの世界”を侵略しようと異次元からやって来る近界民(ネイバー)と防衛組織であるボーダーの戦いを描いている。現在は「ジャンプSQ.(スクエア)」(同)で連載中。

 2014年10月~2016年4月にテレビアニメのファーストシーズンを放送。今年1~4月に放送されたセカンドシーズンは、約4年半ぶりの“復活”となったことも話題になった。ヒュースはファーストシーズンから登場しているキャラクターということもあり、島崎さんはセカンドシーズンの制作が決まった際、特別な思いがあったという。

 「セカンドシーズンの時点でヒュースが活躍するお話はありましたが、サードシーズンはついにランク戦でヒュースが思いっきり活躍します。やっときた!という気持ちです。ファーストシーズンからセカンドシーズンは、時間が空きました。ヒュースが仲間になることは分かっていたので、続きがあり、またヒュースを演じさせていただけることがうれしかったですね。ファーストシーズンで敵、アフトクラトル側として登場し、僕も最初はそのつもりで現場にいたのですが、途中から主人公側、味方に加わるというのは、経験があまりないですし、新鮮でした」

 「ワールドトリガー」はバトルが魅力の一つになっている。島崎さんは、これまでさまざまな作品でバトルを繰り広げてきたが、「ワールドトリガー」は、ほかの作品とは違う魅力があり、演技にも影響があるという。

 「ほかの作品と決定的に違うのが、トリオン体の存在ですね。トリオン体が存在するので、痛みを感じないですし、ランク戦もあえてゲーム感覚でやっているようなところがあります。それによって緊張感があるような、ないような不思議な状態なんです。アニメの演出でも、それがすごく現れていて、例えば、バトルでは演者は肉体の状態を意識して、体の動き、消耗している息切れ、疲労感、精神的な緊迫感、プレッシャーなどを芝居に乗せます。この作品に関しては、基本的にそれを乗せないんですよね。でも、修はトリオン体の状態でも芝居にそういう緊迫感があるんですよね。ヒュースや遊真のような強い人だったら入れないようなところで息遣いを表現していて。キャラクターによってお芝居が違うところもあります」

 ◇自然に向き合う中で変化を

 セカンドシーズンでは、ヒュースの変化が印象的だった。

 「セカンドシーズンは、ヒュースと玉狛第2の人たちなどみんなとの関係性ができていくところがとても面白かったです。例えば、(林藤)陽太郎と話している時、ヒュースは陽太郎のことをとても認めているし、敬意を持って接している。迅(悠一)に対しては露骨に気に食わない。でも認めている。修は、認めていないから、従えないという態度を取る一方、遊真のことは認めているから無駄なことは言わない。でも、修を認め始めるという変化もありました。ヒュースは、それぞれのキャラクターに対する評価が分かりやすいんですよね。演じていて一シーン一シーンがすごく面白かったです」

 「ワールドトリガー」はそれぞれのキャラクターの成長、変化が丁寧に描かれている。島崎さんは特別に変化を意識しなくても、演じる中で自然にヒュースの変化を表現できたという。

 「段階を追って変化がしっかり描かれているので、急に何かが変わったわけではないんですね。そういう積み重ねがあったから、考え方が変わったと分かるんです。『ワールドトリガー』は、たくさん登場人物がいるのに、人間関係がしっかり描かれていて、しかもその積み重ね、変化の理由もしっかり描写されているので、サードシーズンで仲間になったからといって、急に変化するのではなく、これまでの積み重ねの中での変化なんです。だから、ヒュースに自然に向き合っていればいいいんじゃないかな?と考えています」

 ◇玉狛第2のコンビネーション

 空閑遊真役の村中知さん、三雲修役の梶裕貴さん、雨取千佳役の田村奈央さんと玉狛第2の声優陣は、キャラクターと同じく個性豊かだ。

 「ファーストシーズンから、すごくいい現場だな!と思っていました。村中さんはパッションにあふれ、みんなに愛されている。作品への思いが飛びぬけています。梶さんも愛が深くて、村中さんをフォローします。コンビネーションがすごくいいんですよね。田中秀幸さんいわく、宇宙人と呼ばれている田村さんもすごく面白いんですよね。僕からは出てこないような発想がお芝居にあって、個性が素晴らしいんです。僕が入っても、何かあったらみんなが助けてくれるんですよね。ヒュースのようにずけずけとはしていませんが、皆さんがいらっしゃるから、堂々とできるんです」

 「安心感」があるからこそ「堂々とできる」のだろう。ちなみに、同作のイベントで、ファーストシーズンの収録の際、島崎さんが梶さんを慕い、トイレまで付いていったエピソードを暴露されていたが、「コロナ禍なのでトイレまで付いていっていないですよ!」という。

 サードシーズンの見どころを「ヒュースがランク戦に参加していく中で、一体どんな活躍を見せるのか? もしくは意外と活躍できないのか!? 楽しみにしていただきたいです。サードシーズンのランク戦も非常に面白いです。玉狛第2にヒュースって新しい手札が加わり、修たちも成長、変化している中で、強豪たちとどう戦っていくのか……。今までよりもさらにハイレベルな戦いが待っています。彼らの頭脳戦を楽しみに!」と語る島崎さん。

 抜群のコンビネーションの玉狛第2のバトル、声優陣の演技にも注目してほしい。

 ※注:島崎信長さんの「崎」は立つ崎(たつさき)。

写真を見る全 3 枚

アニメ 最新記事