ひらいて:“たとえ”作間龍斗は「寡黙ゆえに面白い」 演技では自分を「持て余していた」? 首藤凜監督が告白

映画「ひらいて」の首藤凜監督(左)とユーロスペースの北條誠人さん(C)綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会
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映画「ひらいて」の首藤凜監督(左)とユーロスペースの北條誠人さん(C)綿矢りさ・新潮社/「ひらいて」製作委員会

 人気作家・綿矢りささんの同名小説(新潮文庫)を実写化した映画「ひらいて」。本作のメガホンを取った首藤凜監督と、東京・渋谷の映画館「ユーロスペース」の支配人・北條誠人さんが、10月22日の公開を前に対談を行った。北條さんは、ジャニーズJr.の人気グループ「HiHi Jets」の作間龍斗さんが演じた男子高生・西村たとえについて、「寡黙ゆえに面白かった」と語った。

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 映画は、クラスの人気者の木村愛(山田杏奈さん)と、愛がひそかに片思いしているたとえ、たとえの恋人の新藤美雪(芋生悠さん)の三角関係を描く物語。北條さんは「初めは作間さん演じるたとえというキャラクターが勉強ができてかっこいいから、愛がひかれていくのかなと思っていたら、実は家庭環境も酷くてそこから脱出するために勉強を一生懸命していて、中学の時から付き合っている秘密の彼女だけは連れ出そうとしているんだなと、そのあたりのキャラクターが寡黙ゆえに面白かったですね」とコメント。

 首藤監督は、演じた作間さんについて「演技もほぼ初めての様子で背の高さ、スタイルの良さも含めて持て余している感じでした」と印象を語り、「自分の出番が終わっても気配を消して他のシーンの撮影を見ていたり、私がこのシーンは見られたくないな、と思ったときは何も言わなくても帰っていかれたり」と現場での様子を明かした。

 また、首藤監督は愛の見せ方に苦労したといい、「私がずっと共鳴してきたキャラクターなんですが、演じる場合には愛自身も自分のことが良くわかってないので、演じる時に山田さんも悩まれたようなんですが、私は、その分からなさもそのまま演じてほしいと思っていたので試行錯誤しました」と告白。

 「私が言語化して伝えてその通りに演じてもらってもあまり面白くならないような気がしていて。山田さんも愛と同世代なのでその渦中の中にいる人の特有の分からなさがいいと思いました。役者さんとこんなにも対話することも初めてでした」と振り返った。

 最後に、首藤監督は「見るといろいろ言いたいことが出てきたり、もやもやと複雑な気持ちになったりするかもしれませんがぜひ、いろんな感情になってもらえたら一番うれしいなと思います」と、メッセージを伝えた。

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