ドラゴンボールDAIMA
第6話 イナヅマ
11月18日(月)放送分
人気マンガ「名探偵コナン」のコミックスが100巻に到達した。押しも押されもせぬ国民的長寿マンガだが、劇場版アニメの興行収入が数十億円に達するなど、人気はさらに過熱しているようにみえる。その理由についてアニメコラムニストの小新井涼さんが独自の視点で分析する。
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ご存知「名探偵コナン」の原作マンガが、今月18日ついに100巻を突破しました。全世界累計発行部数が2.5億冊を突破したことや“100巻プロジェクト”の始動も発表され、さらに先週半ばには来年の劇場版についても新ビジュアルが解禁されるなど、連日話題が絶えず、現在大いに盛り上がっています。
テレビアニメも既に放送25周年を迎え、もはや国民的長寿作品でもある本作ですが、同じ長寿アニメである「ちびまる子ちゃん」や「ドラえもん」といった作品と比べると、こうした新作アニメにも近い新鮮なファンの熱量が常にあるのも特徴です。
「名探偵コナン」は一体なぜ、ずっと熱く盛り上がり続けることができるのでしょうか。
まず考えられるのは、各所で言われているように、長寿作品でありながらファンがなかなか“卒業”しない作品であるからだと思います。
小さい頃から少年探偵団と同じ目線でコナンの活躍を楽しみ、進学に伴って新一や蘭たちの目線でもどかしい恋愛模様を見守り、大人になったら刑事や公安、FBIや黒の組織と同じ目線で『こんなに複雑だったの?!』という作品設定に改めてのめり込む……。こうして、年齢が変わるごとに違った楽しみ方もできる本作は、学年が上がるとともに番組視聴を卒業するといったことも比較的少なくなるのか、元々のファンは減らないまま新たなファンが入ってくることで、時間を重ねるごとにファン人口が増え続けているようです。
それに加えて、ここ5年程で特に顕著なのは、それでも一度卒業していったファンたちが、本作を“再履修”する機会が増えてきていることです。
きっかけとして大きいのは、2016年公開の「純黒の悪夢」以降、毎年興行収入50億円を突破し続けている劇場版アニメの盛り上がりだと思います。安室透や赤井秀一の活躍により、その後特に女性ファンたちが相次いで“再履修”したことに加えて、そうして毎年劇場版が盛り上がることで、毎週欠かさずアニメをチェックするのは難しいけれど、映画だけは毎年見に行くという“再履修”者も増えてきているようです。
加えて、そこで改めてコナンにハマった再履修者には、“休学中”に明かされた新事実や関係性の進展、新キャラクター等、「今コナンってこんなことになってるの!?」と、よりのめり込んでしまう驚きの情報が山ほど用意されています。登場人物たちが年をとらない、いわゆる“サザエさん時空”でもある本作ですが、そうして作品の大枠にあたる謎や恋愛模様などはしっかり進んでいるため、再履修で足を踏み入れたところ、思わぬ沼の深さにどっぷりとハマってしまう人も多いのでしょう。
本作が、長寿作品でありながら常に新鮮なファンの熱量を持つのは、そうして改めて本作に魅了された再履修者が、近年新たに生まれ続けているからでもあると思います。
こうした“卒業”のしにくさと、それでも卒業した人たちが次々と行う“再履修”によって、長寿作品でありながらファンが入れ替わるより母数が拡大し続けていることで、昨今の「名探偵コナン」はますます盛り上がりをみせているようです。その根底には、スピンオフなどで近年人気のキャラたちを程よくフューチャーしながらも、そちらにばかり力を入れ過ぎず、本編ではいつだってコナンを中心とした物語がしっかり展開されているという軸のブレなさが常にあることもポイントだと思います。
こうして「名探偵コナン」は、年月を重ねるごとに安定の知名度と人気を獲得して“殿堂入り”をしていくというよりは、長寿作品でありながら常に旬でもあり続けるという、希有(けう)な作品となっているのでしょう。
こあらい・りょう=埼玉県生まれ、明治大学情報コミュニケーション学部卒。明治大学大学院情報コミュニケーション研究科で、修士論文「ネットワークとしての〈アニメ〉」で修士学位を取得。ニコニコ生放送「岩崎夏海のハックルテレビ」などに出演する傍ら、毎週約100本(再放送含む)の全アニメを視聴して、全番組の感想をブログに掲載する活動を約5年前から継続中。「埼玉県アニメの聖地化プロジェクト会議」のアドバイザーなども務めており、現在は北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院博士課程に在籍し、学術的な観点からアニメについて考察、研究している。
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2024年11月22日 01:00時点
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