田辺桃子:「恋です!」“空ちゃん”で話題! ギャルJKから“筑前煮女”まで “変幻自在の22歳”の肖像

ドラマ「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」に出演している田辺桃子さん=日本テレビ提供
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ドラマ「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」に出演している田辺桃子さん=日本テレビ提供

 女優の杉咲花さん主演の連続ドラマ「恋です!~ヤンキー君と白杖(はくじょう)ガール~」(日本テレビ系、水曜午後10時)でヒロイン・ユキコ(杉咲さん)が通う盲学校の同級生・紫村空を演じている田辺桃子さん。太陽のように明るくて、やりたいことがあれば、後先考えずに突っ走るエネルギッシュな空を演じ、視聴者を魅了している。田辺さんといえばこれまでに、ギャルの女子高生から自衛隊のパイロットに至るさまざまな役を演じ、作品ごとに異なる表情を見せてきた。弱冠22歳にして、変幻自在の演技で魅了する田辺さんに迫る。

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 ◇大友花恋と「ミスセブンティーン2013」に 3年前にはドラマ初主演

 田辺さんは、2013年、北川景子さんや榮倉奈々さん、波瑠さんらを輩出したファッション誌「セブンティーン」(集英社)の専属モデルオーディションで、6478人の応募者の中から、「ミスセブンティーン2013」に選出。スターダムへの階段を上り始めた。ちなみに、同年に田辺さんと共にミスセブンティーンに選出されたのは、大友花恋さん。大友さんは、「恋です!」でユキコのアルバイト先の同僚・紺野を演じており、奇(く)しくも“同期”の2人の共演が実現している。

 ミスセブンティーンに選出された際には、「ステージの直前が緊張のピークで転びそうでした」としつつも、「ST(セブンティーン)モデルの一員として認められるように頑張りたい」と大きな意気込みを明かしていた田辺さん。

 以降、モデルとして活躍するかたわら、10代のころから女優としても着実にステップアップしていった田辺さん。話題作の一つといえば、2018年公開の映画「SUNNY(サニー) 強い気持ち・強い愛」(大根仁監督)。広瀬すずさん、山本舞香さん、富田望生さんらと共に“コギャル”の女子高生を演じた。話し方はもちろん、1990年代のコギャルのビジュアルを忠実に再現。多くの観客の印象に残った。

 同年9月から動画配信サービス「FOD」で配信スタートした「こんな未来は聞いてない!!」では、ドラマ初主演を果たす。岐洲匠さん、神尾楓珠さんらと共演し、美しい海の近くの街を舞台にした青春群像劇のヒロインを演じた。

 ◇今年4月期の“3様”の芝居話題に 「どんなことをしてびっくりさせようかな?」

 今年4月期には、「ガールガンレディ」(MBS・TBS)、「ゆるキャン△」のシーズン2「木ドラ24『ゆるキャン△2』」(テレビ東京)、「リコカツ」(TBS系)のドラマ3本にレギュラー出演。SNSでは、「リコカツと、ゆるキャン△と、ガールガンレディの役の振り幅がすごかった」と話題を呼んだ。

 田辺さんは当時、「『えっ、この人がこの役をやっていたの?』っていうサプライズというか、見ている人にびっくりして、楽しんでもらえたらいいなって思っています。最近になって少しずついろいろな役をやって、それを届けられているので、今はすごく楽しいなと思いますし、『次はどんなことをしてびっくりさせようかな?』っていうふうに思っています」と明かしていた。

 「ガールガンレディ」は、学校を舞台に、女子高生たちがプラモデルの銃を使って、生き残りを懸けたバトルを繰り広げる姿を描いたドラマ。田辺さんは、頭の回転が速く、人をだますことが得意な女子高生・東野菜月を演じた。メガネをかけ、知的なオーラを漂わる一方、ウソ泣きが得意だったり、自分より劣等とみなした人間にはむごい対応を見せるという強烈なキャラクターを見事に演じた。

 「ゆるキャン△2」では、2020年のシーズン1に続き、騒々しく快楽主義的な行動派で、男気のある性格の大垣千明を好演。大垣千明は、メガネをかけているという点を除いて、東野菜月とはほぼ真逆の人物。コミカルでキレのある芝居で見る者を楽しませてくれた。

 そして、今年4月期に特に大きな話題を呼んだ役が、「リコカツ」の一ノ瀬純だ。北川景子さんと永山瑛太さんが演じる夫婦の関係を引っかき回す自衛隊のパイロットで、SNSでは「もう恐怖」「毎週イライラが増してしまう」といった声が上がった。永山さん演じる自衛官・紘一に、筑前煮とおでんを持ってくる姿も描かれ、視聴者からは「筑前煮女」と呼ばれるように。ツイッターでも「筑前煮女」がトレンド入りする人気ぶりだった。

 作品ごとに別の表情を見せてきた田辺さんは、まさしく「カメレオン女優」。今後はどんな名演、怪演を見せてくれるのかが楽しみだ。

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