今井翼:「演じることに抵抗あった」 今だから明かせる本音 40代、俳優として目指す「大器晩成」

ドキュメンタリー番組「#休暇今井」に出演する今井翼さん
1 / 9
ドキュメンタリー番組「#休暇今井」に出演する今井翼さん

 今年10月17日に40歳を迎えた俳優の今井翼さん。そんな今井さんが40歳を目前に過ごした“休暇”に密着したドキュメンタリー番組「#休暇今井」が、12月7日午前7時からフジテレビの動画配信サービス「FOD」で配信される。番組では、今井さんがこれまで胸の内に抱えていた思いを赤裸々に語っている。苦手意識があったという俳優業について、山田洋次監督がもたらした“目覚め”、俳優として進む40代の展望について聞いた。

ウナギノボリ

 ◇“弱さ”もさらけ出した素の今井翼

 「#休暇今井」では、“休暇”として今井さんが「本当にやりたいこと」をする様子を追いながら、今井さんのライフヒストリーを深掘りしていく。会ってみたかったという野球選手の川崎宗則さんに、恩師だと語るフラメンコ舞踊・振り付け・演出家の佐藤浩希さん、映画監督の山田洋次さんとの対談をはじめ、地元の神奈川・藤沢を訪れたり、キャンプをしてリラックスしたりと、“ありのまま”の今井さんを存分に感じられる内容となっている。

 「自分自身ここまでプライベートな時間を表に出すことはなかった」と語る今井さん。番組内では、葛藤や苦悩といった“弱さ”までもありありと映し出している。「正直、抵抗はありましたね」と明かしつつ、「素の今井翼を捉えたい」という松永大司監督の思いに賛同した。

 「30代最後の夏に会いたい人に会ったり、故郷に帰ったり……素の僕を楽しんでいただけたら」と話し、“休暇”を通して「見つめ合うこともでき、発見もあった」と充実感をのぞかせた。

 ◇「演じることに抵抗あった」 俳優として“目覚め”となったのは…

 現在は俳優として活躍する今井さん。しかし、かつては芝居に対して苦手意識があったと本音を語る。

 「芸能界に入った10代は、先輩たちの背中を見ながらとにかくがむしゃらで。20代でのCDデビューを経て、タレントとして人に見られる意識や、求められることに応えていく意識が強くなり、30代になるとそれは当然として、自分の思う表現を追い求めるようになりました。歌ったり、踊ったり、タレントとして番組に出たり、演じたり……ぜいたくにもマルチに活動させていただく中で、芝居をする自分と対峙(たいじ)することが、どこかずっとフィットしないというか。それが苦手意識になっていたと思います」

 “苦手意識”の内にあるものは何だったのか。「芝居をする上での、そもそものベースを捉えきれず、演じることにも何となく抵抗感があった。一つの人格になる難しさをものすごく感じていました」と振り返る。

 「#休暇今井」の第4回では、そんな今井さんが俳優として目覚めるきっかけになったという山田監督と対談。これまで2013年の舞台「さらば八月の大地」、2017年の音楽劇「マリウス」でタッグを組んだ。

 今井さんは、「大地を踏みしめるようにステージに立つ」ことにはじまり、山田監督に芝居を一から学んだ。稽古(けいこ)を重ねていくうちに、ようやく芝居をする自分と向き合えるようになったという。「監督は芝居への意識が浅かった僕を鍛え上げてくださいました。プライベートでも気にかけてくださったり、監督とのいろんな時間を過ごして、今では演じる難しさも含めて楽しいと思えるようになりました」。

 ◇「大器晩成」40代で目指す“憧れの大人” 若き日の経験も大事に

 40歳となり、また一つ人生の節目を迎えた今井さん。10代から芸能界で歩み続けてきた自身にとって、「2年間休んだ時間は、これからも大事にしたいくらい、大きな時間だった」と話す。

 「芸能界というきらびやかで、でも決して甘くはない世界だからこそ、やるべきことがたくさんあって、熱量を加えるために自分にウエートをかけないといけない。それが好きだから今もこの仕事を続けていますが、立ち止まることで物事をシンプルに見つめるとか、自分の本来の呼吸の仕方が分かった。休む怖さはすごくありましたけど、休む勇気も大事なんだと気づかされました」

 自身にとって“必要な時間”を経験して今に至った。「もちろんもがくこともまだまだあるとは思いますが、今までは恥ずかしくて言えなかったことを口に出せるようになったように、もっと正直に自分を受け入れられたら」と語る。そして「一つ一つ目の前のことを、できるだけ楽しめるときは楽しむ。それを自分の中で常に忘れないようにしています」と明かした。

 これから先の40代には期待が大きいと話す。「僕は子供のころから大人の世界にいるので、やっぱり大人になりたい願望が強かった。まだまだ人生の先輩方はいらっしゃいますが、いよいよここで一人の40代の男として、かっこよく言えば大器晩成みたいな。見ている人も一緒に変化を楽しめるような人になっていきたい」と前を見すえる。

 「もちろんこれからも、ファンの皆さんが求めることはやっていきたい。アイドルからは卒業しましたが、俳優として、10代からのいろんな経験も大事にしながらやっていきたいです。自分の表現でしかないですが、一番は皆さんが楽しんでくださったら、それが一番の自分の喜びにもなるのかなと思いますね」

 「#休暇今井」は12月7日から配信スタート。初回は午前7時、第2回以降は毎週火曜午前0時に配信される。

 ※川崎宗則さんの「崎」は「たつさき」。

 スタイリスト:渡邊奈央(Creative GUILD)

写真を見る全 9 枚

テレビ 最新記事