ドラゴンクエスト ダイの大冒険:名作復活の裏側 色あせない魅力

テレビアニメ「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」の一場面(C)三条陸、稲田浩司/集英社・ダイの大冒険製作委員会・テレビ東京
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テレビアニメ「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」の一場面(C)三条陸、稲田浩司/集英社・ダイの大冒険製作委員会・テレビ東京

 人気ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズの世界観、設定を基にしたマンガ「DRAGON QUEST -ダイの大冒険-」の新作テレビアニメ「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」。1991~92年にもテレビアニメが放送されており、約28年ぶりにアニメ化されたことも話題になっている。原作の連載が始まったのは1989年で、30年以上前ではあるが、時代を超えた色あせない魅力がある。新作アニメは、不朽の名作を現代によみがえらせた。アニメを手がける東映アニメーションの内藤圭祐プロデューサーに、復活の裏側、色あせない魅力について聞いた。

 ◇目指したのは「ドラゴンボール」

 「DRAGON QUEST -ダイの大冒険-」は、三条陸さんが原作、稲田浩司さんが作画を担当し、堀井雄二さんが監修。「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1989~96年に連載された。少年・ダイが、魔法使いのポップたちと魔王を倒すために冒険する姿が描かれた。テレビ東京系で毎週土曜午前9時半に放送中。

 アニメは、2020年10月に放送をスタートした。「ダイの大冒険」は今も語り継がれる名作ではあるが、なぜ、約28年の時を経て再びアニメ化することになったのだろうか?

 「集英社さんがアニメ化に前向きで、東映アニメーションは旧作アニメを手がけていたご縁もあり、お話をいただきました。弊社としても『ONE PIECE』『ドラゴンボール』に続く強いIPを求めていました。イメージしていたのは『ドラゴンボール』のような作品です」

 「ダイの大冒険」の連載当時、夢中になって読んでいた世代も大人になった。新作アニメは親子2世代で楽しめる作品を目指した。

 「『ドラゴンボール』は子供にも浸透していて、親子2世代で楽しめる作品になり、世界中で愛されています。『ダイの大冒険』もそういう作品として育てていきたいという思いがありました。『ダイの大冒険』は、『ドラゴンボール』と違って、アニメなどの展開が継続してきたわけではありません。長年動きがなかったこともあり、親世代は枯渇感もあったはずです。子供たちには毎週楽しんでいただきたいのと視聴習慣の醸成のため、クール分割ではなく、連続して放送しています。長期シリーズなので、制作は非常に大変ではあるのですが」

 ◇心情を大切に 表情の芝居を丁寧に

 1991~92年に放送されたテレビアニメは、原作がまだ連載中だったこともあり、最後までアニメ化されなかった。原作者の三条さんは、新作テレビアニメがスタートした際、「最後までやるつもり」と話したこともあった。壮大な物語を最後までアニメ化する中で、大切にしているのが「キャラクターの心情」だ。内藤プロデューサーは「原作の先生方からも『心情を大切にしてほしい』というお話をいただき、我々も裏切らないように、大事なところをしっかり描いていきたいと考えています」と話す。

 「ダイの大冒険」には、時代が変わっても色あせない魅力がある。主人公・ダイの成長、強敵との戦いを描いた少年マンガの王道ともいえるストーリーが大きな魅力ではあるが、ダイ以外のキャラクターも魅力的で、心の動き、成長を丁寧に描いている。

 「人として本当に大切にしたいことが込められていると感じます。友情、仲間との絆、親子の絆など時代を超えた普遍的なテーマが大きな魅力だと思います。また、見る人の境遇によって見え方が変わるんだということが、今回気付いた新たな面白さでした。自分自身も子供の頃、アニメのヒュンケルの格好よさに憧れていたけど、大人になった今、ハドラーの気持ちがよく分かるようになりました。子供の頃はハドラーの気持ちにまで思い至れませんでしたけど(笑い)。上司としても実はいい男だし、ダイたちに対しても武人として真摯(しんし)に接し、熱い思いがある。ハドラーの生きざまにグッときています。勧善懲悪ではなく、みんなが必死に生きていて、それぞれに信念があるんです」

 「キャラクターの心情」を丁寧に表現しようとする中で、「表情の芝居」にこだわった。

 「深夜アニメのような1、2クールものと、劇場アニメ、そして『ダイの大冒険』のような長期シリーズものでは、作り方が全然違います。深夜アニメのクオリティーで長期シリーズを制作するのはほぼ不可能だと思います。とはいえ、アニメのクオリティーへのハードルは年々高まっておりますので、まずはしっかり完走できるようバランスを考えつつ、注力すべきポイントを走りながら試行錯誤しているという感じです。その中でも優先度を高くしているのが、毎話確実に総作画監督を入れ、表情の芝居をしっかり描いていくことです」

 普遍性はあるが、約30年前の作品ということで、時代の変化に合わせてアップデートしたところもある。

 「全世界で展開していく作品ということもあり、暴力、性的な表現を極力抑えないといけません。一部のせりふもそうです。『男らしさ』『女らしさ』といったような言葉など今の時代にはそぐわないところは、先生方に確認を取りつつ変更させていただいています」

 15年以上前から「男らしさ」「女らしさ」という言葉は使わないようにしてきた「プリキュア」シリーズを手がける東映アニメーションならではの配慮なのかもしれない。「マイルド」にしたところはあるかもしれないが、「ダイの大冒険」の普遍的な魅力が損なわれたわけではない。

 今後の展開について「大魔王バーンにどう立ち向かっていくのか? 熱い人間ドラマも目白押しです。ぜひ、今後も見逃さずに!」と語る内藤プロデューサー。さらなる盛り上がりが期待される。

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