土屋太鳳:特撮ヒロイン再演「恩返しのつもりで」 主演・山田涼介の芝居は「見ている人が愛情湧く」

映画「大怪獣のあとしまつ」で雨音ユキノを演じる土屋太鳳さん
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映画「大怪獣のあとしまつ」で雨音ユキノを演じる土屋太鳳さん

 女優の土屋太鳳さんが出演する特撮映画「大怪獣のあとしまつ」(三木聡監督)が2月4日に公開される。ヒロインの雨音ユキノを演じた土屋さんは特撮好きで、2010年には特撮映画「ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国」に出演したこともある。今回、改めて特撮ヒロインを演じて感じた思いや、主演の人気グループ「Hey! Say! JUMP」の山田涼介さんと芝居で初共演を果たした感想、20代後半という今の年齢と30代の展望を聞いた。

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 ◇“大怪獣のあとしまつ”は「自分の中でも気になっていたこと」

 映画では、巨大怪獣の死体が腐敗による体温上昇で膨張し始め、ガス爆発の危機が迫る。爆発すれば漏れ出したガスで周囲が汚染され、国民は混乱の事態となり、国家崩壊にもつながりかねない。そんな中、首相直轄組織・特務隊の隊員である帯刀アラタ(山田さん)が怪獣の死体処理という極秘ミッションを任されて……と展開する。

 本作は、松竹と東映が初めてタッグを組んで製作。今まであまり描かれることがなかった、“怪獣が死んだその後”にスポットを当てた。そんな新しい試みの作品でヒロインを演じた土屋さんは、「すごくありがたかったです。こういう時代だからできるタッグだったと思いますし、同じ時代に生きていてよかったと感じました」と振り返る。

 「私自身も特撮が好きだったので、倒された怪獣に対してどう“あとしまつ”するのかというのは、自分の中でも気になっていたことでした。それがこうして物語として表現されて、皆さんにも楽しんでいただけるんじゃないかと思います」

 ◇「勇気をもらっていた」特撮作品 ヒロイン再演への思いと使命感

 土屋さんは、「ウルトラマンゼロ」でもヒロインのエメラナ・ルルド・エスメラルダを演じた。「『ウルトラマンゼロ』のときもそうでしたけど、まさか自分がここに立てるとは思っていませんでした。自分が勇気をもらっていた特撮作品でヒロインになれるのがうれしかったです」と語る。

 「ウルトラマンゼロ」では、助監督から「怪獣だってウルトラマンよりも大げさに表現しないと負けてしまう」とアドバイスをもらったという。「その言葉を聞いて、すごく合点がいったんです。今回はそれを生かそうと、恩返しのつもりで挑みました」と思いを込める。

 「この作品を見た子供たちが次のヒロインになるかもしれない。そう考えると、私もちゃんと生きていかなきゃいけないと思いました」と、ヒロインとしての使命感もにじませていた。

 ◇山田涼介の“座長力” 「存在自体が現場を柔らかくする」

 主演の山田さんとは、バラエティー番組「スクール革命!」(日本テレビ・関東ローカル、日曜午前11時45分)での共演はあるものの、芝居での共演は今回が初めて。俳優としての印象を聞くと「とてもすてきな方です。コンディションが常に安定しているというか、普段の立ち振る舞いもお芝居も穏やかでいらっしゃって。座長として引っ張っていくってすごく難しいと思うんですけど、涼介さんの存在自体が現場を柔らかくしている感じがしました」と明かす。

 バラエティーではイジられキャラの一面も見せているが、土屋さんは「きっと、それぞれの現場で自分の立ち位置を分かっていらっしゃるんだと思います」と分析。本作の撮影では「カットがかかったからといって、がらりと人が変わることもないですし、日常の中に本番があるみたいで。私がユキノとして現場にいられるような“呼吸”をしてくださいました」と話した。

 さらに、完成した映像を見て「涼介さんが演じることで、見る側がアラタに対してものすごく愛情が湧くんですよね。それは(山田さんが沖田総司を演じた映画)『燃えよ剣』を見たときにも感じました」と告白。「本当にかっこいい座長だなと思いながら、お芝居をさせていただきました」と尊敬のまなざしを向けていた。

 ◇30代に向け大切にしたいこと 活動の原動力も

 土屋さんは現在26歳。20代を折り返し、30歳という節目が現実味を帯びてくる頃だ。「結婚や仕事に対しての意識が変わってくる年齢ですよね。自分もそうですし、友人を見ていても感じます。あとは、もしかしたら、自分のしたいことをやっと楽しめる年齢なのかなとも思います」と率直に語る。そんな土屋さんに30代に向けた展望を尋ねた。

 「仕事面では社会とよりつながることを大事にしたいです。ジェンダーなどさまざまな問題について、自分が女性として、女優として何ができるのかを考えて、私の立場で発信できることをしていきたい。プライベートでは日常生活をより大切に。コロナ禍になって、世の中何が起きるか分からないと実感したので、精いっぱい今を生きて、できることは何でもやっておきたいです」

 そんな土屋さんの活動における原動力はファンとつながることだという。「私の活動を見てくださっているファンの方々と、今はファンクラブを通してつながることができていて。その中で実現していくものは自分にとっても大きいと感じていますし、さまざまなお仕事をさせていただく上での原動力にもなっています」と明かす。

 「自分が本当にやりたいことを考えられるようになってきたので、計画を立てて、休みもきちんと取りながら、人間として充実させていきたいです」と、また一歩、前へと進む決意を教えてくれた。

 ヘアメーク:石川ユウキ(Three PEACE)/スタイリスト:津野真吾(impiger)

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