樋口幸平:Jリーグ育成選手から芸能界へ 父の猛反対も“最後の1年”でつかんだスーパー戦隊レッド役

3月6日スタートのスーパー戦隊シリーズ「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」でドンモモタロウ/桃井タロウを演じる樋口幸平さん
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3月6日スタートのスーパー戦隊シリーズ「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」でドンモモタロウ/桃井タロウを演じる樋口幸平さん

 3月6日スタートのスーパー戦隊シリーズの46作目「暴太郎(あばたろう)戦隊ドンブラザーズ」(テレビ朝日系、日曜午前9時半)でドンモモタロウ(レッド)/桃井タロウを演じる樋口幸平さん。2020年に芸能界入りしたが、その前はサッカーJリーグ加盟クラブの育成選手という経歴を持ち、異業種への“転身”には父親からの猛反対もあったという。そんな樋口さんが、父と交わしていたある約束、オーディションのエピソードを明かした。

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 ◇芸能界に入る前は“サッカー一筋” 訪れた“人生の大きな転機”

 樋口さんは2000年11月30日生まれの21歳。兵庫県出身。サッカー選手の夢を断念したあと、2020年に芸能界入り。身長186センチの高身長を生かしてモデル活動を中心に活躍している。

 芸能界に入る前は“サッカー一筋”だったという樋口さん。「5歳から19歳までずっとサッカーをやっていました。『キャプテン翼』の岬(太郎)君を見てかっこいいなって始めたのがきっかけでした」と話す。

 大好きなサッカーの実力は、県内の強豪校でレギュラーに選ばれるほどで、高校卒業後はプロを目指して上京。Jリーグのクラブの育成選手になったが、「けがもあったのですが、自分の実力が及ばず、プロ契約をつかみ取ることができませんでした」という。

 結果的には、それが人生の大きな転機となった。「父と『プロになれなかったら地元に帰る』と約束もしていたので、チームを辞めて地元に帰ろうと考えていたとき、どうせなら服を買ってから帰ろうと渋谷に買い物に行ったんです。そこで、芸能事務所の方にスカウトされて、そこで『もしかしたら(芸能界で)頑張れるのかな』と思いました」と振り返った。

 ◇オーディション秘話 監督が“白羽の矢”を立てた理由も

 性格は「目立ちたがり屋」という樋口さんは、「芸能の世界ってすごく大変だとは思うのですが、一方ですごく華やかな世界に見えて」と、後に芸能界入りを果たすが、サッカーを諦めて、帰ってくるとばかり思っていた父親からしたら“寝耳に水”。当然、猛反対にあった。

 それでも、父親と話し合い、大学生から社会人となる区切りの年齢の22歳までに「何か大きな仕事に関わることができたら」という条件付きで、芸能活動を続けることを許可されたという樋口さんが、一番最初に立てた目標が「ヒーローになること」だったという。

 「この世界でどう活躍していくか、指針がない中で悩んでいたのですが、今活躍している役者さんたちが、戦隊や仮面ライダー出身の方たちがとても多い印象だったので、まずはその目標に向かって突っ走ろうと思いました!」

 10年以上スポーツ畑を歩んできた樋口さんは、甘いルックスの中に、どこか“体育会系”の雰囲気を感じさせる。今作のオーディションでも、「自分はスポーツ畑出身で、“すごく熱い部分”があると思うので、そこを(審査員の皆さんに)見ていただけたらと思って、どうしてもヒーローに、レッドになりたいという思いをぶつけました!」と明かす。

 オーディションでは、「最後までレッドをやりたいという思いをアピールし続けました。常に、一番笑顔でいようとか、一番先に話そうとか……。小さい頃から教えられてきた全員の目を見て話そうとかを意識しながら受けていました」と語る。

 その“熱い思い”は伝わっていたようで、後日、プロデューサーさんから「監督が『すごく真っすぐさが伝わってきて、ドンモモタロウという役に当てはまると思った』とおっしゃっていたことを教えてもらって。思いが伝わっていたと思い、すごくうれしかったです」と顔をほころばせた。

 ◇「責任もすごく感じる」 ヒーローとしての心持ち語る 

 22歳目前の“最後の1年”につかんだ大役。今作が初のドラマのレギュラー出演にもなる。先日の制作発表会見時には、「決まったときはうれしすぎて、頭が真っ白になって、膝からくずれ落ちました。家に帰っても余韻に浸って、3日間くらいずっと企画書や台本を眺めていました」と当時の喜びようを語っていた。

 “22歳のタイムリミット”を約束した父の反応も「とても厳しい父なのですが、とんでもなく喜んでくれました! 電話で伝えたのですが、最初は『ウソだろう……』って大声で喜んでくれて(笑い)。そして『頑張れよ』って言ってくれました」とうれしそうに語る。

 「歴史ある作品に関わらせていただけることや、今まで偉大な俳優さんがたくさん出ていることを考えると、何日かたった後は責任もすごく感じた部分もありました」と、45作以上続く国民的人気シリーズの新作を背負うプレッシャーも感じつつ、「とにかく1年間全力でぶつかっていきたいです!」と意気込んだ。

 最後に、樋口さんの思い出のスーパー戦隊シリーズを聞くと、「特捜戦隊デカレンジャー」(2004~05年)と「魔法戦隊マジレンジャー」(2005~06年)と回答。「(今作への出演が)決まった後におばあちゃんの家に行く機会があったのですが、そこに、(小さいころ遊んでいた)デカレンジャーの変身アイテムの手帳と、デカブレイクのスーツがあって! 次は自分のおもちゃが子供たちに届くと思うとうれしいです!」と声を弾ませた。

 「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」は、おとぎ話「桃太郎」がモチーフのヒーロー。“レッド”ドンモモタロウが、お供の“ブルー”サルブラザー、“ブラック”イヌブラザー、“ピンク”キジブラザー、そして鬼をイメージした“イエロー”オニシスターと共に、人間の消去をもくろむ敵「脳人(ノート)」に立ち向かう。「鳥人戦隊ジェットマン」(1991~92年)はじめ、「仮面ライダーアギト」(2001~02年)、「仮面ライダー555」(2003~04年)、「仮面ライダーキバ」(2008~09年)など数々の特撮作品を手掛けてきた井上敏樹さんの脚本。

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