佐倉綾音:「ギャルがマイブーム!」 アニメ「恋は世界征服のあとで」“ギャル”闇奈役 知られざる秘密も

「恋は世界征服のあとで」の宝条闇奈役の佐倉綾音さん(C)野田宏・若松卓宏・講談社/恋せか製作委員会
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「恋は世界征服のあとで」の宝条闇奈役の佐倉綾音さん(C)野田宏・若松卓宏・講談社/恋せか製作委員会

 「月刊少年マガジン」(講談社)で連載中のラブコメディーマンガが原作のテレビアニメ「恋は世界征服のあとで」で、メインキャラクターの死神王女こと禍原デス美のクラスメートの宝条闇奈を演じる佐倉綾音さん。闇奈は、校則違反だらけの派手な外見の“ギャル”で、佐倉さんは「ギャルがマイブームなんですよ!」と明かす。作品の魅力や収録の様子について聞いた。

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 ◇ギャルへのリスペクトゆえの葛藤 「楽しいけど苦しい」

 --「恋は世界征服のあとで」は、ヒーロー戦隊・ジェラート5のリーダー・相川不動と、世界征服をもくろむ秘密結社・ゲッコーの戦闘員リーダーである禍原デス美の禁断の恋が描かれます。作品の印象は?

 「あるようでなかった雰囲気と設定だな」と感じました。恋愛モノも、戦隊モノも、本来ならどちらかの要素一つだけで作品が成立すると思うんです。そんな二つの要素を組み合わせて、しっかりとコメディーとして昇華していて。古くは「ロミオとジュリエット」にも描かれた“かなわぬ恋”というテーマが、時代と共にどんどん進化して、ついに設定を戦隊モノにしてここまで来たんだなと思いながら、原作を読ませていただきました(笑い)。

 ヒロインのデス美も、悪の秘密結社の戦闘員という、普通だとヒロインとして成立しにくいんじゃないかと思うキャラクターなんですが、ちゃんと可愛らしいところもあって。相川不動/レッドジェラートの個性ともしっかりとかみ合っていて、すごく好感が持てるカップルだなと思いますね。動きもたくさんある分、アニメ映えしそうだなとも感じました。

 --演じる宝条闇奈の印象は?

 基本的には、明るくてマイペースなギャルです。初めて原作で見た時は、タレ目なビジュアルや語尾が伸びている印象から、おっとりしている子なのかなと感じたんですが、つっこむところはしっかりとつっこんでいて、すごく気のいい子だと思います。でも、何か腹に一物を抱えていそうな感じでもあって……。デス美とは仲のいい友人同士なんですが、闇奈とデス美って、本来はあまり仲よくならなそうなタイプだと思うんですよね。そんな二人が仲よくなった理由も今後明かされていくので、楽しみにしていただけたらと思います。

 --ギャルの闇奈を演じてみていかがでしたか?

 「ここまでのギャルの役を演じるのって珍しいね」といろいろな方に言われたんですが、自分としてはそれほどピンとこない役どころではなくて。たしかに、こんなにギャルに振り切っている役を演じるのは数年に1度くらいなんですが、私自身、自分の声に、地に足が着いていない雰囲気を感じているので、闇奈くらい適当でマイペースなところのあるキャラクターの方が声質には合っているのかなと思っています(笑い)。

 あと、ギャルがマイブームなんですよ! とてもポジティブに物事を捉えて、いい意味で適当に生きているギャルの方たちが、すごく面白いなと思っていて。声優仲間でも周りにそういう雰囲気の子がたまにいるのですが、だいたい「〇〇ちゃんって……ギャルだよね?」と確認すると、みんな「そうだよ、ギャルだよ!」ってうれしそうに答えてくれるんです。そんな姿に、ギャルであることを誇りに思いながら生きていたり、誇りを持ってギャルを目指していたりするんだなと感じられて。私の中でとても興味深い存在なんですよね。だから、そんな存在を闇奈として演じられるのはうれしかったです。

 --では、楽しみながら演じられた?

 ただ、自分の中のギャルに対するリスペクトが強すぎる分、実際に演じるのは難しかったです。「今の言い方はギャルではないな……」「いや、ギャルはそもそもそんなことを考えないのでは……」といろいろ考えてしまうのですが、そうやって考え始めた瞬間にもうギャルではなくなっている感じがして。頑張って演じようと思えば思うほど、ギャルから離れていくというジレンマに収録中は陥っていました。「私が思い描くギャルはもっとこんな感じなのに、自分の手腕では再現しきれない!」と、常に葛藤の繰り返しでしたね。楽しいけど苦しい、みたいな(笑い)。

 実は昔は、ギャルに対して怖いイメージや、何を考えているか分からないという印象があったんです。自分からあまりにも遠い存在な気がするといいますか。そういう“自分からの遠さ”が迷いにつながっているんだろうなと、個人的には思っています。自分の素質的にギャルにはなれないので、理想と現実のせめぎ合いを感じながらアフレコしていますね。

 ◇佐倉綾音の秘密とは?

 --「恋は世界征服のあとで」には、闇奈以外にも個性的なキャラクターが登場します。佐倉さんのお気に入りのキャラクターや注目してほしいキャラクターは?

 黒百合凶子/鋼鉄王女が好きです。原作を読んでいても、凶子と魔島忌々/魔獣王女との対比がすごく面白いなと思っていて。声が付いた時に、なんだか意外なキャスティングだなと思いました。「忌々みたいな役を花澤(香菜)さんがやるんだ」「凶子みたいなストイックな生徒会長役を金元(寿子)さんがやっているのをあんまり見たことがないな」という印象で、とても新鮮でしたね。原作を読んでいた時と、アフレコで声を聴いた時とで、少しイメージが変わった二人だったと思います。

 --闇奈は秘密を抱えているキャラクターのようですが、佐倉さんにも“あまり人には言っていない秘密”はありますか?

 これはラジオとかでもあまり言わないようにしていることなのですが……私、賞味期限が切れた食べ物も平気で食べちゃうんです。ちょうどこのインタビューを受ける前日にも、賞味期限切れのサラダチキンを食べてきました(笑い)。密封されてるし、大丈夫でしょうと思って(笑い)。しっかり加熱もされているはずですし! ただ、なんでもかんでも食べるというわけではないんですよ。匂いには結構敏感なので、食べる前にちゃんとチェックするようにしています。匂いを嗅いで大丈夫そうだったらOKだろうな、と。今のところ昨日のサラダチキンでおなかは痛くなっていないので、セーフだったんだと思います(笑い)。

 --最後にファンへメッセージをお願いします。

 戦隊ヒーローと悪の秘密結社の戦闘員による“ロミオとジュリエット的コメディー”という、いっぷう変わったラブコメが始まりました。個人的に「ロミオとジュリエット」が好きで、いろいろな舞台や映像作品を見てきたのですが、この作品は悲哀の要素が全くないところが新鮮で。原作も楽しんで読ませていただきました。

 アニメーションでは、ナレーションの立木文彦さんやボスラー大総統役の杉田智和さんといった濃い役者さんたちが脇を固められていて、自分もその一員になれたことがうれしかったです。収録している時にも皆さんの声を聴いて、めちゃくちゃな世界観なのに、お芝居によって謎の説得力が追加されていると感じました(笑い)。闇奈は秘めたる部分が大きい女の子なので、彼女がどんなふうに物語に関わっていくのか、ぜひオンエアで確かめていただけたらと思います。

 「恋は世界征服のあとで」は、野田宏さんが原作、若松卓宏さんが作画を担当するマンガで、2019年から「月刊少年マガジン」で連載中。世界平和を目指すヒーロー戦隊・ジェラート5のリーダー・相川不動と、世界征服をもくろむ秘密結社・ゲッコーの戦闘員リーダーである死神王女こと禍原デス美の禁断の恋を描くラブコメディー。

 アニメは、小林裕介さんが相川不動、長谷川育美さんが禍原デス美をそれぞれ演じる。いわたかずやさんが監督を務め、project No.9が制作する。TOKYO MXほかで放送中。

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