特撮ドラマ「ウルトラマン」シリーズのマンガが原作のアニメ「ULTRAMAN」のシーズン2がNetflixで配信された。シーズン2は、タロウとして戦う東光太郎が登場することも話題になっており、前野智昭さんが声優を務める。早田進次郎(ウルトラマン)役の木村良平さんは「タロウが新しい風を吹き込んでくれた」と話し、前野さんを「声優として無敵」と絶賛する。2人のヒーローを演じる木村さん、前野さんに「ULTRAMAN」の見どころ、互いの声の魅力を聞いた。
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木村さん シーズン1で、いろいろな出来事があって本当に成長した彼ではあるのですが、変わっていないといえば変わっていないという印象ですね。最初の頃より腹は据わっているし、ちょっと頼もしく思えます。シーズン2でも、シナリオに沿って素直に彼を演じました。
前野さん 元々「ウルトラマン」が好きで、特に「ウルトラマンタロウ」が一番見ていた作品だったんです。まさか子供の頃に見ていたウルトラマンタロウの声を担当させていただけるなんて夢にも思っていなかったので、不思議なご縁を感じました。
前野さん 「ウルトラマン」シリーズの中でも兄弟たちが倒されてしまうシーンが多かったんです。兄弟たちを倒した怪獣にタロウが勝つという、みんなの思いが一つになる場面が子供ながらにすごく刺さりました。あと、首が吹っ飛んだりとか斬新な描写も多かったですし、手からシャワーを出すような斬新な技もあって、すごく新鮮だなと思って見ていましたね。
前野さん 自分の感情に素直で後先考えずに行動をしてしまう熱血漢という印象で、それ故にピンチに陥ってしまうシーンも多いのですが、自分の取った行動に一切の後悔をしない男。その直情的な感じは、僕自身にはないものなので、なんとかお芝居で表現できたらという思いで演じさせていただきました。僕自身、真逆のタイプのキャラクターを演じるのは好きなので、やりやすさもありましたし、現場でもすんなり役に入り込めたかなと思います。気持ちよく演じられました。
木村さん 新しい風を吹き込んでくれた感じがします。進次郎は、普通の高校生から始まって、周囲にもまれて成長していくキャラクターですが、進次郎以外は経験豊かで有能なキャラクターが多いんです。そんな中で、ちょっと泥臭い、古き良きヒーローを感じさせる光太郎が入ってくれたことで作品の幅が大きく広がったような気がしていて。すごくいい意味で「ULTRAMAN」の新たな魅力になっているのかなと思います。
木村さん いや、前野くんと声の魅力を比べるのはちょっと不利よ!
前野さん 何よ、不利って(笑い)。
木村さん 本当にすごいと思う。前野くんのさじ加減次第で、どのラインの声を聞かせられても納得させられるんです。芝居の力でもあると思うんですけど、「なんかいけちゃうよね、前野くんなら」みたいに思わされる。僕もいろいろなキャラクターを器用に演じるのが好きなタイプではあるんですけど、前野くんは声の力でもってそれができてしまう。良い声を聞かせたいと思えば、無限にできるし、強いですよね。声優として、無敵じゃんって。
前野さん そんなことないです。そう言っていただけるのは、すごくありがたいですけど。僕は良平くんのすごくナチュラルな芝居がすごく好きで、アニメを見ていても、吹き替えのお仕事を見ていても、そう感じます。自然に感情を揺さぶられるお芝居というか。「ULTRAMAN」の進次郎も感情が揺れるシーンがたくさんあるんですけど、それをすごくうまく表現されていて、さすがだなと思いました。
木村さん うれしいです。ありがとうございます。
前野さん 多分、良平くんの声を嫌いな人っていないんですよね。プラス、ナチュラルなお芝居が加味されて、よりキャラクターを引き立たせるのが良平くんのすごさ。特に進次郎は、その代名詞とも言えるキャラクターなんじゃないかなと思いましたね。
木村さん 「ウルトラマン」は、もはやヒーローの一つのシンボルになっているというか、「ヒーロー」という単語を聞いて、ウルトラマンを思い浮かべる人も多いと思うんですよね。歴史上の人物に近い。僕自身、「ULTRAMAN」の出演が決まった時は、役者をやっているとスペシウム光線を打てる日がやってくるんだ、面白いなと思いました。芝居で「スペシウム光線」と声を発するわけではないのですが、そのシーンでは「やっぱこいつはウルトラマンだ」と改めて実感させられるし、特別なものですよね。
前野さん 僕も子供の頃から見ていた作品というのもあって、思い入れが強いので、子供の頃の自分が見てがっかりしないような作品にしなきゃと。自分の中でのプレッシャーみたいなものはありますね。いつか僕もストリウム光線(タロウの必殺技)が撃てるかもしれないですからね。
木村さん ウルトラヒーローたちが人間サイズというところが僕は好きかな。敵が巨大になっても人間サイズで戦うし、人間サイズだからこそ扱える武器もあるし、人間サイズだからこその迫力もあると思う。攻撃を受けた時の飛ぶ衝撃も「あ、飛んでる」という感じがするんですよね。そこが僕は魅力だなと思いますね。
前野さん スーツをまとって戦うところも僕はすごく好きです。それでいて、早田隊員の息子さんが血を受け継いでいるという特撮の「ウルトラマン」シリーズともつながりがある。だからよりリアルに感じられるのかなと思いました。大人の我々でも「もしかしたら本当にこういう世界ってあるんじゃないか」と思わせてくれるリアルな世界観というか。本当にリアルに感じられるウルトラマンだなと思いますし、僕もワンチャン、ウルトラマンになれるんじゃないかと(笑い)。
木村さん ラストは度肝を抜かれると思います。
前野さん やばいのが出てくるんですよね。
木村さん はぁ!となりました。キングジョーがどう描かれるのか楽しみにしてほしいです。
前野さん キングジョー、やばかったです! 初めて「ガンダム」のビグ・ザムを見た時のような「勝てないよ、こんなの!」と。あとは、オープニングにも注目してほしいです。6人のウルトラマンが立ち向かっていく絵があるのですが、そこがシーズン2を象徴しているような場面で、すごく胸を打たれました。
木村さん 進次郎としては、異星人との交流が描かれるのですが、進次郎なりの立ち向かい方をするので、そこは見てほしいところかなと思います。シーズン2は、笑えるシーンもシリアスなシーンもありますが、ファンの皆さんの「こういうのを見たい」というところはしっかりお見せできますので、期待していただけたらと思います。
「ULTRAMAN」は、「鉄のラインバレル」などの清水栄一さん原作、下口智裕さん作画のマンガ。かつてウルトラマンだった父・早田進の体に残っていたウルトラマン因子の影響で、生まれながらに特殊な能力を持つ早田進次郎が戦う姿を描いている。
アニメは「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」シリーズの神山健治さん、「アップルシード」の荒牧伸志さんが監督を務め、プロダクションI.GとSOLA DIGITAL ARTSが制作。シーズン1は、2019年4月からNetflixで配信され、2020年4月にはテレビ放送された。
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