滝藤賢一:「家電侍」「探偵が早すぎる」のかけもち主演 “名バイプレーヤー”が明かす、撮影現場での心がけ

俳優の滝藤賢一さんが主演を務めるドラマ「家電侍」のワンシーン(C)BS松竹東急/PROTX
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俳優の滝藤賢一さんが主演を務めるドラマ「家電侍」のワンシーン(C)BS松竹東急/PROTX

 「俳優人生26年、数々の修羅場をくぐってきたと自負する滝藤ですが、もっとも過酷な21日間でした」と撮影を振り返ったのは、BS松竹東急(BS260ch・無料放送)の連続ドラマ「家電侍」(土曜午後11時)で主演を務める俳優の滝藤賢一さんだ。滝藤さんといえば、数々の作品に出演する名バイプレーヤーであると同時に、今クールは、本作のほか、連続ドラマ「探偵が早すぎる~春のトリック返し祭り~」(読売テレビ・日本テレビ系)でも主演を務めている。そんな滝藤さんに、ドラマ初主演を果たした8年前からの変化や、俳優業の面白さについて話を聞いた。

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 ◇全13話を21日間で撮影

 「家電侍」は、江戸時代の長屋に暮らす貧乏浪人・兼梨四十郎(滝藤さん)のもとに、ひょんなことから現代の最新家電が届くようになり、それがきっかけで、さまざまな事件が巻き起こる時代劇コメディー。四十郎を支える献身的な妻・静枝を前田亜季さんが演じている。

 本作のプロデューサーは、滝藤さんがドラマ初主演を果たしたテレビ東京の連続ドラマ「俺のダンディズム」の濱谷晃一さん。当時の撮影現場で、滝藤さんは、濱谷さんから「家電侍」の企画の話を受けていたといい、8年越しに実現した。

 多くの作品に出演してきた滝藤さんは、「作品が完成し皆様に届いた時に、『報われた』と思うことはなかなかあることではない」というが、「家電侍」への思いはちょっぴり特別だ。厳しい寒さとの戦いの中、少数精鋭のスタッフとともに、全13話を21日間で撮影したこともあり、「とても小さなチームでしたので、“技師さん”でないと撮影が回らないような現場でした。そのため年配の方が多くて。あの過酷な現場で、誰一人病気にならず、いつも元気に笑顔でやれた屈強なチームを誇りに思います」と話す。

 ◇“主演の現場”で意識していること

 初のドラマ主演を果たした当時について「8年前の方が生意気だったと思う(笑い)」と語った滝藤さん。「『俺はこれから主演だ』『一気に主演俳優として駆け上がるぞ』なんて思っていたら、あの1回で終わりましたから(笑い)。そんな甘い世界ではない、というのをあの時に経験できてよかった」と振り返る。

 バイプレーヤーとして、さまざまな撮影現場を経験してきたが、主演をやらせてもらう時こそ、今まで以上にキャストやスタッフに謙虚に接し、作品と向き合っていくことが大切だと改めて感じたという。

 そんな滝藤さんは、撮影現場では「笑顔」や「雰囲気」を意識している。「主演させていただく時は、ゲストの方に声をかけるようにしています。伸び伸びやっていただいて、楽しんで帰ってもらえたら嬉しいですよね。それは自分が、浅野忠信さん(NHK『ロング・グッドバイ』)や、堺雅人さん(TBS『半沢直樹』)といった先輩達の主演作品で、そういうふうに受け入れてもらえていたので、見習わなければと思い実践しております。とくに若い子は、緊張とかあるでしょうから」と話す。

 最後に、滝藤さんにとって、俳優業の魅力をたずねてみた。「俳優にしか分からない、“凄まじいセッション”が生まれる瞬間があるんです。それが何年に一回なのか、何作品に一回なのか分からないのですが、あの瞬間を求めているところがあるかもしれない。ある種の
エクスタシーのようなものですかね。あの瞬間を経験してしまうと俳優はやめられないです(笑い)」。

 「家電侍」第4話は、4月23日午後11時放送。

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