オクラ~迷宮入り事件捜査~
第11話 バディ終焉!最後のねつ造
12月17日(火)放送分
綾瀬はるかさん主演のフジテレビ系“月9”ドラマ「元彼の遺言状」(月曜午後9時)第3話(4月25日放送)に出演する俳優の望月歩さん。これまで、ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(日本テレビ系、2019年)やNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「エール」(2020年度前期)など話題作に相次いで起用され、5月スタートのNHKの土曜ドラマ「17才の帝国」(総合、土曜午後9時)への出演も控えているなど、八面六臂の活躍で注目を集めている若手の一人だ。「元彼の遺言状」では、ホスト役に挑戦する望月さんに、同ドラマへの意気込みや俳優として大事にしている思いなどを聞いた。
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「元彼の遺言状」は新川帆立さんの同名小説(宝島社)が原作のミステリー。主人公・剣持麗子(綾瀬さん)が、「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」という遺言を残して亡くなった元恋人・森川栄治(生田斗真さん)の巨額の遺産に迫る姿を描く。望月さんは殺人容疑をかけられた、“武田信玄”という源氏名で働く銀髪のホスト・黒丑益也(くろうし・ますや)を演じる。
同ドラマへの出演について「びっくりが強かったですね」と望月さん。もともとドラマ自体は認識していたといい、「面白そうだなと思っていたところに出演の話が来たので、『え、出れるの』というびっくりが強かったです。うれしさもありましたが、びっくりが一番強かったかもしれない」と驚きを明かす。
役作りでは髪を銀髪に染めた。「もともと染めたいという気持ちがない人間なので、こういうきっかけを作ってもらえてうれしかったです。髪の毛が白いことによってこのテンションでいられることが、自分の中ではすごく大きくて、役を演じるうえでの助けにもなっているので、染められたことはありがたいです」と抵抗はなかったといい、「いろいろな人に『意外と似合っている』とか『似合わないと思っていたけど似合っているからムカつく』とか言われるんですけど(笑い)。それはすごくうれしい言葉なので、良かったなと思っています」と笑顔を見せる。
演じる上で、撮影前はホストの動画を見て研究した。また、黒丑益也が酒が強く、客と一緒に飲むタイプのホストという背景を知り、オフの日には「ずっとお酒を飲んでみました」と役作りの一端を披露。「次の日に、二日酔いとは違った体がだるい感覚がずっとあって『あー、これなのか』と。それを経験したことは、自分的には役作りの一つなのかなと思っています」と振り返る。
ホスト役はやや意外なイメージもあり、望月さん自身も「自分も(ホストのオファーが)くるとは思っていなかった」と笑うが、「でも役を見てみると、真っすぐでアホだけど、自分なりのものがある。自分とそんなに遠くはないし、意外と腑(ふ)に落ちる部分が多いので、納得してやれている気はしています」と手応えも。「自分の中では、ホストモードのときと黒丑モードのときの差のようなものがキャラクターの印象としてすごく強い。基本はホストモードで生きているけど、ふとしたときに自分が出てくる。その人間らしさのようなものを表現できたらいいなと思っています」と意気込む。
主演で敏腕弁護士の剣持麗子を演じる綾瀬さんとは初共演。以前から、綾瀬さんが「好きな女優さんの一人」だったという望月さんは、共演は「うれしいです」と喜びつつ、「以前から憧れている方なので、僕の中に緊張感がまだある」とも告白。だが「それを払って、頑張ってコミュニケーションを取れたらいいなと思っています」と力強く語る。
望月さんといえば、これまで「3年A組」や「エール」、NHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」(2020年)などに出演。俳優の神尾楓珠さん主演で、5月7日にスタートするNHKの土曜ドラマ「17才の帝国」では、動画配信で人気を集める若者・林完を演じる。
神尾さんとも共演した「3年A組」は話題を集め、望月さん自身にとっても重要な作品で成長のきっかけとなったという。「あんなに長い期間、いろいろなクラスメートと先生と作品に向き合い続けたことで、やっぱり作っている意識、参加している意識がすごく強くなったと思いました。作品の中でいろいろなものを感じて、役を成長させていく楽しさや重要性を感じられましたし、体感として少しは成長するきっかけの一つになったのかな、と思います」と振り返る。
「3年A組」以降に出演したドラマ「鈍色の箱の中で」のインタビューの際は、自身の現在地について「自分の想像より前には行けていない、と感じているので、もっとどんどん行かなきゃ、という思いの方が強いです」と心境を明かしていた望月さん。改めて現在の状況についての思いを聞くと、「あのころよりは、前には進めていると思います」と胸を張り、「前に進めば進むほど、やっぱり理想はその前に行く。でも『あのときよりは進んでいる』という実感をちゃんと認めてあげないと、僕自身が無理になっちゃうから。だから、あのころから見ると頑張っていると思っています」と手応えを語る。
そんな望月さんが、俳優業を続ける中で大事にしていることは何か。
「たぶん無意識な部分ですが、一つは『自分が一番楽しく、ワクワクできたらいいな』と。そうじゃないと、役として生きているときに、感情も含めて止まってしまう部分があるから。だから『ワクワクしていて、楽しいものに汗をかけるような人でありたい』という思いはずっとあります。もう一つは、作品の大小に関係なく、一つひとつまじめに本気で取り組めたら、という意識は大切にしています。もちろん作り方はそれぞれ違うから大変さは変わるかもしれないですが、熱量は変わらないようにしよう、と思っています」
「17才の帝国」はヒットアニメを手がけてきた吉田玲子さんのオリジナル脚本で、望月さんはアニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」など吉田さんの作品が以前から「すごく好きだった」といい、「日本だからこそ無理だった部分にきり込んだ作品になっていると思います。それと、僕の世代は僕も含め、すごく政治に興味ある人は少ないと思うので、そういう人が少しでも興味を持ってもらえるものになったらいいな」と期待する。
同ドラマで主演を務める神尾さんは、これまでも「3年A組」をはじめ数々の作品で共演している同世代の一人。望月さんは「『17才の帝国』で仲良くなれたなと思います。それまでは自分が人見知りだったこともあってしゃべれない部分があったので。神尾さんは歳も上で、ちょっと“お兄ちゃん感”がある。すごく頼らせてもらっています」と信頼を寄せているようだ。
最後に、これからの目標について聞いてみると、「連続ドラマの主演をやってみたいです」と望月さん。「あとはいろいろな作風に触れてみたい、という思いもあります。役者として、いろんなことをやってみたいですね」と意欲的に語る望月さんに、これからますます注目が集まりそうだ。