全領域異常解決室
第7話 すべてお話します 物語はここから始まった
11月20日(水)放送分
俳優の仲野太賀さん主演で、松尾諭さんの“半”自伝的エッセーを映像化したドラマ「拾われた男 Lost Man Found」が、6月26日から動画配信サービス「Disney+」で配信がスタートする。仲野さんが演じるのは、原作者・松尾さん自身がモデルの主人公・松戸諭。どこまでが実際の松尾さんのエピソードで、どこからが松戸の物語なのか。そんな本作において、魅力となっているのが、思い立ったら行動し、当たっては砕けるという松戸の人間味あふれる姿。仲野さんの役作りの裏側にあったものとは――。
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「拾われた男」は、金もツテもないが、強運と縁に恵まれた俳優志望の男が、他人に“拾われ”続けることで夢も恋もつかんでいく、松尾さんの実話に基づいた笑いあり涙ありのヒューマンストーリー。
物語は売れない役者・松戸諭(仲野さん)が自販機の下に落ちていた1枚の航空券を拾うところから始まる。それは、諭と個性豊かな人々との縁が紡ぐ予測不能な出来事。運命の女性とも出会い、人生がようやく軌道に乗り出したころ、突然の1本の電話により、米国に渡ったきり音信不通であった兄・武志(草なぎ剛さん)が倒れたということを知り、兄を迎えに行くため旅立つ。他人に“拾われ続けて”人生を切り開いてきた男が、今度は兄を“拾う”べく、旅立つのだが、さらに思いもよらない、多くの出会いが待ち受けていた……。
仲野さんは役作りについて、「一人の男の長い人生を描くドラマなので、いろいろな側面を表現できたらと思い、実際の松尾諭さんに寄せるというよりは、脚本の中にある松戸諭役にフォーカスして想像を広げていきました」といい、「愛(いと)しい部分もそうだし、勇ましい部分だったり、クズみたいな部分も、演じる上で“人間の厚み”みたいなものをどこまで広げられるかを常に意識していましたね」と語る。
監督は、NHK連続ドラマ小説(朝ドラ)「あまちゃん」(2013年)や、同局の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(2019年)の井上剛さんが務め、仲野さんは「自分が思いつくものは(監督に)ぶつけて、分からないことに関しては一緒に歩みを止めて悩んで。そうやって諭という人間を監督と共犯関係的にたくらみながら作ってきました」と明かす。
井上監督は現場で「だんだん、物語を撮っているというよりは、松戸諭という俳優のドキュメンタリーを撮っている感覚になってきたな」と語っていたそうで、「諭という役の持ついろいろな側面を見せたい、人間の厚みを見せたいということにつながってくるのですが、丸ごと”松戸諭”になっている状態を撮ってくれたのかなと思います」と仲野さんは感謝していた。
松戸諭を“拾う”芸能事務所「FMC」の社長・山村役を演じた薬師丸ひろ子さんも、仲野さんが作り出す諭の“人間力”を絶賛する一人。
薬師丸さんは山村として「大勢の人を見てきた中で、研修生のような立場から積み重ねていくうちに魅力的になっていく彼(松戸諭)には、才能があるということを見抜いていたでしょう」と話しつつ、「最大の魅力は“人間力”と言いますか、実際の松尾さんにも備わっていらして、そしてこの役が人間力の塊、仲野太賀君で本当によかったと思っています」と結論づける。
また、体重も増やして撮影に臨んだという仲野さん。「松尾諭さんに似せる必要はなかったので、自分の体形のままでもよかったと思いますが、なぜこんなにも諭という人間が憎めなくて愛されるのか、ということを考えたときに、少し肉付きのいい方が全体的に丸みを帯びるというか、”可愛らしさ”があると思い少し体を大きくしました」とも説明していて、諭のクスッと笑えて、つい応援したくなるような“人間味”には注目だ。
ドラマは全10話。NHK・BSプレミアムとBS4Kでも6月26日から毎週日曜午後10時に放送される。
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