加藤諒:「ずっと演じていきたい」パタリロ役 「泣かない」マイルールの理由は

パタリロ役を演じる加藤諒さん
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パタリロ役を演じる加藤諒さん

 魔夜峰央(まや・みねお)さんの人気ギャグマンガが原作の舞台シリーズ第4弾「舞台『パタリロ!』~ファントム~」が9月に東京と大阪で上演される。主演を務める加藤諒さんに、ハマリ役とも言えるパタリロへの思い、初演当時の心境やこれまでを振り返って、いつまでパタリロを演じたいか、第4弾に懸ける意気込みを聞いた。

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 ◇常に自分の中にキャラクターがいる感覚も

 原作は1978年にマンガ誌「花とゆめ」(白泉社)で連載がスタートし、現在はマンガアプリ「マンガPark」で連載中。本作は2021年1月に上演された「舞台『パタリロ!』~霧のロンドンエアポート~」に続く第4弾で、加藤さんがパタリロ役を続投するほか、ザカーリ役で佐藤永典さん、ミスターフー役で井阪郁巳さん、ヒューイット役で丘山晴己さんら新キャストも出演する。

 人気原作のキャラクターを演じることに当初、「初演の舞台化が決まった際、パタリロを演じるのは誰か予想合戦が繰り広げられていた中、『(イメージが)違うと言われたらどうしよう……』という不安はありました」と明かす。キャストが発表された後、多くの「ぴったり」という声には思わず胸をなで下ろした。

 「うれしかったです。今もですが、ビジュアルが解禁され、『加藤諒のパタリロを見たい』と言ってくださる方がいてくれてうれしい。そういう人たちに喜んでもらえるようにやれたらいいなと思います」

 「当時の自分に『何年も先までやるよ』と伝えてあげたいし、愛着がある。パタリロは自分の中で大切な存在」と役への思いを口にする加藤さん。「芸能生活22年目ですが、その中でもこんなに長期間、同じ役を演じさせていただけることはない。もし自分以外の人がやったら、どれだけ嫉妬するのかなって思います(笑い)」

 ◇パタリロ役のマイルールは「泣かないこと」 でも「やっちゃった」瞬間

 パタリロ役について、「加藤諒が演じるパタリロを見たいと言ってくださるのがうれしい。だからこそ大切に演じていきたい」と笑顔を見せ、演じる際に守っていることを「泣かないこと」と明かす。

 「自分は千秋楽で泣いちゃうタイプですが、パタちゃん(パタリロ)は『スターダスト計画』のときにしか心の底から泣かない。(原作も)背中のコマだから泣き顔なんて見せちゃダメと思い、(舞台上では)泣かないと決めていた。ただ世の中的にもいろいろあった『霧のロンドンエアポート』の千秋楽ではこみ上げてきちゃって。やっちゃったって思いました。そこはちょっと悔しい」

 これまで3作の上演の思い出を聞くと、「初演は期待値が大きかったし、初めて座長を務めさせていただく舞台でもあったのでプレッシャーが大きかった」と話すも、「初演の初日を迎えた時、僕たちが提示したものに肯定的な意見が多くて良かった」とにっこり。初演の最後で披露した「次回予告だ NEXT!」の反応には「鳥肌が立ちました」と振り返る。

 「『次回予告だ NEXT!』という曲で次回作をやることは事前にわかっていましたが、初日にその歌を歌った時に会場から『おー!』と歓声が上がったことで手応えを感じることができました」

 ◇パタリロ役は「ミーちゃん先生が描く限り演じられたら」

 「パタリロ!」という作品の魅力を、「男性同士の恋愛が当たり前にあるパタリロの世界は魅力的だし、パタリロの可愛らしくもありカッコよくて面白いところなど。ほかにもバンコラン、マライヒ、タマネギ部隊といった魅力的なキャラクターがいるところ」と語る。

 4度目の舞台化ということで、「パタリロを演じる上で“構える”感じはなくなりました」といい、「さまざまな現場で(自分を)パタリロだと言ってくださる人たちがいるのはうれしい。そのくらいイメージが浸透してきているのだなって」と笑顔を見せる加藤さん。いつまで演じたいと考えているのだろうか。

 「できるならずっと演じていきたい。ミーちゃん(魔夜峰央)先生がパタリロを描いている限り、僕も負けないようにパタちゃんを演じられたら」

 “ライフワーク”のように演じ続けたいと願う一方で、「毎回これが最後かなとか思いながら全力投球している」と神妙な表情を浮かべる。

 「次作もあると思うと気持ちもまた変わってくるかもしれないので、『これが最後』『いま自分が持っているものを全て出していこう』という気持ちで毎回臨んでいます」

 最後に今回の上演に向けての意気込みを聞いた。

 「きっと待っていてくださった方もいると思いますので、待っていてよかったと感じてもらえる公演になるよう気合を入れていきたい。来年の連載45周年を記念する公演でもあるので“お祭り”のような舞台になるだろうし、ファンの方々と作り上げるレビューショーも見どころ。ぜひ皆さんマリネラにお越しくださいませ」(取材・文・撮影:遠藤政樹)

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