杢代和人:「カッコいい大人にならないといけない責任感がある」 「仮面ライダーギーツ」でヒーロー演じる“覚悟”

「仮面ライダーギーツ」で仮面ライダーバッファ/吾妻道長を演じる杢代和人さん
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「仮面ライダーギーツ」で仮面ライダーバッファ/吾妻道長を演じる杢代和人さん

 9月4日にスタートする特撮ドラマ「仮面ライダー」シリーズの新作「仮面ライダーギーツ」(テレビ朝日系、日曜午前9時)で、仮面ライダーバッファ/吾妻道長(あづま・みちなが)を演じる杢代和人(もくだい・かずと)さん。ボーカル・ダンスグループ「原因は自分にある。」のメンバーである杢代さんは、グループ活動を制限して本作に出演することに。その真意やグループへの思いを聞いた。

ウナギノボリ

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 杢代さんは2004年5月20日生まれの18歳。連続ドラマ「あせとせっけん」(MBS)、「卒業式に、神谷詩子がいない」(日本テレビ)や、ABEMAの恋愛リアリティーショー「恋とオオカミには騙(だま)されない」などに出演してきた。

 俳優としてキャリアがあり、グループ活動も行っている中でオーディションにチャレンジしたことについて、「今年の年始に出させていただいたドラマの現場で、あるスタッフの方から急に声をかけられ、『仮面ライダーやらないの?』『絶対なれると思うし、やってほしい』と言われたのが始まり」と意外なきっかけを明かす。

 その当日にマネジャーに聞いてオーディションを受けることを決めた杢代さんだが、「運命のようなものを信じちゃうというか。人と人は出会いじゃないですか。声をかけられた瞬間、今年は何かあるのだろうと思いましたが、こうして仮面ライダーになれた。運命というのか分からないですけどすごいことですよね」と即断即決した真意を語る。

 ◇ グループ活動制限への思い

 今作への出演にあたりグループ活動を制限することを発表したが、「どちらも大切だからこそ中途半端にできない。中途半端にすることが一番苦しかったので」と神妙な表情で思いを口にする。

 「グループ活動の先を見たとき、この1年間の僕の活動制限の期間がメンバー的にも僕的にも良い期間になったと言えるような、これからの活動にしていきたい。仮面ライダーを通して僕のことを知っていただいてグループに還元できるように頑張ります。この一歩、この作品に出会えたことは人生の中でも大きいので、頑張らなきゃなという感じです」

 グループに出演を報告した際は「すごく緊張してガチガチで、どういうリアクションをされるのだろうと思いながら報告した」といい、「みんな少年に返ったような顔で『おめでとう』『うれしいよ』と言ってくれて。それでもう自分の緊張というか不安もとけました」と笑顔を浮かべる。

 ◇「吾妻道長は共感を呼ぶキャラクター」

 杢代さんが演じる吾妻道長は、主人公・ギーツ/浮世英寿(うきよ・えーす、簡秀吉さん)のライバル。紫の牛がモチーフの仮面ライダーバッファに変身し、ギーツに異様なほどの敵対心を燃やすという役どころだ。

 道長の性格を「一匹オオカミでぶっきらぼう。とげがあるように見える」と評し、「バックボーンをたどっていくとある過去があり、それをきっかけに強い願いをかなえようとするのですが、そこが僕はすごく共感できました。視聴者の皆さまにも共感して道長を応援してもらえたらうれしいです」とアピールする。

 オーディションでは、「途中からある役をやってくれということが多くなり、そのやっていた役が多分今の役だったと思う。そのときから自分はライバルポジションに意識があった」と道長役に縁を感じていたと話す。

 キャスト発表の反響を「すごかった」と驚き、「グループ的に見ても新しい一歩でしたし、仮面ライダーは歴史があり、ファンの皆様方の愛が大きい作品だなと実感しました。情報解禁されて身が引き締まったというのはもちろんあります」と気持ちを新たにしたという。

 ◇渾身の変身ポーズ「意識して見て」

 初めての変身シーンの撮影の感想を聞くと、「仮面ライダーになったんだなって率直に思いました」とにっこり。「変身」というせりふについては、「(言うときは)緊張しました。重みというか。『変身』はやっぱり思いだったり、気持ちがすごく入る一言です」と感慨深げに語る。

 バッファの変身ポーズの制作過程を、「スーツアクターの縄田(雄哉)さんと話し、その後、僕も考えたものを監督に提出。そこから作戦会議みたいな感じだった」と説明。完成したものは、「80%ぐらいは自分が考えたものだったので、変身の瞬間はより身が入ります」と笑顔を浮かべる。

 特に注目してほしいところを、「見ていただいたら、『もしかしてこれってあれを意識してやっているのかな』とか気づくところがあると思うので意識して見てほしい」と話し、「マネできますし、マネしたくなると思います!」と言ってうなずく。

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 「『侍戦隊シンケンジャー』世代が好きで、『仮面ライダーW』ももちろん見ていた。ライダーごっこもしていましたし、ベルトってカッコいいなって思った」と子供のころを振り返る杢代さん。そんなヒーローを演じる現状を、「小さいころに夢見ていたじゃないけど、こんなカッコいい大人になりたいなと思っていた、その大人に今僕がなるという状況が、どこかまだ現実味がない」と率直な思いを語る。

 そんな杢代さんだが、「そのプレッシャーというか、僕が小さいころカッコいい大人と思ったからこそ僕もそのカッコいい大人にならないといけないなという責任感がある。幅広い方々の心を動かせるような芝居をできたらなと思います」と決意を口にする。

 これから1年にわたり撮影・放送が続いていくが、「1年間は長い時間ですし、俳優活動をしていても1年間同じ作品をすることは本当にないこと。それを経験できること、たくさんの方々と一緒に一つの作品を作り上げられることが本当に幸せ」と杢代さん。

 そして、「なにより演じることが大好きなので、吾妻道長の1年間を通して成長し、道長を成長させるのは自分だし、自分も人として成長していけたら。リスタートというか、初心に戻ってしっかり一つ一つ学んでいきたい」と意気込みを語った。

 「仮面ライダーギーツ」は「生き残りゲーム」がテーマ。多数の仮面ライダーたちが街の平和を守るゲーム「デザイアグランプリ」で競い合う姿を描く。「仮面ライダーエグゼイド」(2016~17年)、「仮面ライダーゼロワン」(2019~20年)などを手掛けてきた高橋悠也さんが脚本を担当する。(取材・文・撮影:遠藤政樹) 

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