吉田羊:初の音楽コンサートはJUJUをお手本に デビュー25周年は「“奇跡の25年”だった」

吉田羊さん
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吉田羊さん

 今年デビュー25周年を迎えた女優の吉田羊さん。女優として多数の映画やドラマ、舞台で活躍している吉田さんだが、9月22、23日に25周年を記念してBillboard Live TOKYO(東京都港区)で初の音楽コンサートとなる「吉田羊 Night Spectacles The Parallel~ウタウヒツジ~25th Anniversary Special」を開催。往年の名曲や思い入れのある曲を披露する予定で、「とにかく“楽しんで歌っている吉田羊”を楽しんでいただければ」と語る。吉田さんにコンサートや音楽活動、そしてデビュー25周年の心境などについて聞いた。

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 ◇JUJUのライブから学び コンサートでは「客いじり」も

 同コンサートは、WOWOWが企画・制作を手掛ける俳優コンサート「Night Spectacles」シリーズの第1弾。吉田さんにとって初の音楽コンサートの開催は、25周年という節目であることが大きなきっかけだったという。「『25周年を特別な形でファンの方とお祝いしたい』という思いから決めました。もともと、歌うことは大好きですし、小さなころから(松田)聖子ちゃんや(中森)明菜ちゃんのまねをしていました。テレビの歌番組も、必ずチェックしていましたね」と振り返る。
 
 コンサートは初開催だが、これまでにも音楽活動の経験はあった。2018年にはJUJUさんの楽曲「かわいそうだよね (with HITSUJI)」にHITSUJI名義で参加した。もともとはバラエティー番組に出演した際にJUJUさんとデュエットしたことがきっかけで、JUJUさんから一緒に歌うことを打診されたという。当初はプロのフィールドに踏み込むことは失礼になると考え迷ったが、熱望されて参加を決意。その後、JUJUさんの武道館ライブにもゲスト出演することになり、多くのことを学んだという。

 「歌はもとより、トークスキルも、ユーモアも、会場を巻き込んでいく力もあって、空気も読める。オールマイティーで万能な方なんです。だから『ライブをするのは、こんなになんでもできないといけないのか』と絶望的な気持ちになったんですが、そのときいろいろと学ばせていただいて……。JUJUさんを見て『こういうの、いいな』と思ったことを今回のライブで生かせればいいなと思います」

 そのひとつが「客いじり」だといい、「会場がそんなに広くはなく、お客様とアイコンタクトが取れる距離で歌うことになると思うので、できるだけお客様と目を合わせながら、巻き込みながらやっていけたらいいな、と。いわゆる“客いじり”みたいなこともちょこちょこ入れていけたら、一体感が生まれるのかなと思っています」とイメージを語る吉田さん。「なんなら、曲は二の次でいいと思っていて(笑い)。とにかく“楽しんで歌っている吉田羊”を楽しんでいただければいいなと思っています」といい、「今回は、私の歌を聴きたくてくる人たちばかりですから、たぶん何をやっても許してくれる、という安心感があります」と笑う。

 コンサートの選曲については「私が歌いたい曲、ファンの方が聴きたいであろう曲、懐かしい曲……など、いろいろなジャンルを選曲している」と説明。コンサートに向けて、歌詞を覚えるために候補曲のプレーリストを作ってランニング中に聴いていたといい、「歌詞が覚えられなくて……せりふを覚える筋肉とは違う筋肉だな、と感じました。たぶん、お芝居のせりふは、せりふと一緒に体が連動しているんですよね。それで体が覚えてなじんでいくんですが、歌だと体はほとんど動かない。しかも歌詞と同時に音も覚えないといけないので、実はすごく複雑なことをやっているんだな、と実感しました」と明かす。

 これ以外にも、音楽活動と普段の女優業との違いは感じている。「歌を歌うときは、やはり吉田羊自身なので、ちょっと気恥ずかしさはあるなと思います。お芝居のときはそこにひとつ、役のフィルターがかかるので役の感情や背景をイメージしながらやれますが、今回は歌い手が私なので、私が歌詞から感じた何かを表現することになる。そう思うと、どこか裸にされていく感じというか、『この歌であなたはそう感じて歌うのね』とお客様に推測されてしまうのではないか、という気恥ずかしさはあるかもしれないですね」と考えを語る。

 ◇デビュー25周年 「奇跡の25年だった」

 現在、テレビや映画でさまざまな作品に出演し、活躍を続ける吉田さん。デビュー25周年というひとつの節目を迎えたことについて心境を聞くと、「本当にたくさんの方に助けられた、“奇跡の25年”だったなと思っています」と感慨深い表情を浮かべる。

 「振り返ってみれば、苦しいことや投げ出したくなることもたくさんありましたが、そのときどきで手を差し伸べてくださる方がいて、言葉をくださる方がいて、『自分を見失わないようにしなさい』と叱咤(しった)してくださる方がいて……。そんなふうに、その都度必要な言葉やご縁をいただいてきた25年だったなと思います。私自身は本当に平凡で、何のとりえもない人間。そういう人間が、こうしてコンサートでお仕事をいただけて、『この役は吉田さんに』と言っていただけるのは、本当に奇跡だと思いますし、そこに導いてくれる方がいなければかなわないことだと思っています」

 9月9日にはオリジナル楽曲「colorful」をリリースした。2020年の緊急事態宣言時に作った歌で「WOWOWで『2020年 五月の恋』というリモートドラマをやらせていただいて、そのドラマをイメージして作った歌なんです」と吉田さん。そして女優としては、さらに挑戦を続けていきたいと覚悟を語る。

 「これからも挑戦することをやめない者でありたいなと思います。昨年、初めてシェイクスピア劇に挑戦して。『自分にはとても太刀打ちできないだろう』という難しい作品だったんですが、自分なりに一生懸命向き合った先に得られた手ごたえが大きかったので、やっぱり、まずは挑戦をしなければその喜びは得られないと改めて思いました。これからも怖がらずに飛び込んでいく勇気を常に持ち続けていたいなと思います」

 コンサート「吉田羊 Night Spectacles The Parallel~ウタウヒツジ~25th Anniversary Special」は、9月22日は午後4時開場で同5時開演、同7時開場で同8時開演の2公演。23日は、午後3時半開場で同4時半開演、同6時半開場で同7時半開演の2公演。

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