プリキュア:ファイル―ズあい×悠木碧×成瀬瑛美 4世代共演の喜び 成長、オーディション秘話も

「映画デリシャスパーティ プリキュア 夢みる お子さまランチ!」の同時上映の「わたしだけのお子さまランチ」に出演する(左から)ファイル―ズあいさん、悠木碧さん、成瀬瑛美さん
1 / 1
「映画デリシャスパーティ プリキュア 夢みる お子さまランチ!」の同時上映の「わたしだけのお子さまランチ」に出演する(左から)ファイル―ズあいさん、悠木碧さん、成瀬瑛美さん

 人気アニメ「プリキュア」シリーズの第19弾「デリシャスパーティ プリキュア(デパプリ)」の劇場版アニメ「映画デリシャスパーティ プリキュア 夢みる お子さまランチ!」(座古明史監督)が、9月23日に公開された。同時上映の「わたしだけのお子さまランチ」で「デパプリ」に加え、第18弾「トロピカル~ジュ!プリキュア(トロプリ)」、第17弾「ヒーリングっど プリキュア(ヒープリ)」、第16弾「スター☆トゥインクルプリキュア(スタプリ)」の4世代プリキュアが共演することも話題になっている。「トロプリ」の夏海まなつ/キュアサマー役のファイル―ズあいさん、「ヒープリ」の花寺のどか/キュアグレース役の悠木碧さん、「スタプリ」の星奈ひかる/キュアスター役の成瀬瑛美さん、に4世代共演、「プリキュア」への思いを聞いた。

ウナギノボリ

 ◇プリキュアが大好き オーディションの裏側

 --「プリキュア」の思い出は?

 成瀬さん 私は「おジャ魔女どれみ」「明日のナージャ」など日曜朝のアニメをずっと見続けていって、楽しませていただいていたのですが、「プリキュア」が始まった時、こんなに女の子が戦うアニメをやっていいんだ!とすごく衝撃を受けました。アクションも激しかったですし、ちょっとけんかをしたり、心に刺さる展開も多くて、新しい風が吹いた!これは素晴らしい作品になる!とアニメファンの気持ちで最初から見させていただいていました。妹と一緒に見ていたので、一緒にごっこ遊びをしたりして。それからずっと好きです。

 悠木さん 「プリキュア」シリーズを知っていましたけど、ちゃんと見たことがなかったのですが、「キラキラ☆プリキュアアラモード」のキャラデザが発表された時、キュアショコラに一目ぼれをしたんです。もう大人だったのですが、1年通して見て、大人の私でも「プリキュア」を見るとこんなにキレイな涙が流れるんだ……と対象年齢に戻されるんですよね、頑張れ、プリキュア!と応援したくなって。キュアショコラ推しで見ていて、グッズを集めたのもショコラでしたが、それだけじゃなくて、キャラクターのみんなが家族みたいな気持ちになって1年が終わったんです。すごい作品だ!と感じました。キャラクターが、ちゃんと人間として描かれていて、すごいんです。

 ファイルーズさん 私が小さい頃は、女の子向けのアニメをあまり見ていなかったんです。ただ、中学生になって「Yes!プリキュア5」のココとナッツが気になって見ていました。学童保育でアルバイトをしてた時、女の子が「プリキュア」のお弁当箱やハンカチなどを使ってるのを見て、子供に大人気なんだ!と感じていました。実際、自分が「プリキュア」に出演させていただくことになり、子供たちの憧れのお姉さんに一歩近づけてうれしかったです。

 --オーディションの際に印象的だったことは?

 成瀬さん 「スタプリ」の時は、おそらくいろいろな業種の人が受けていたみたいなんです。最初、キュアソレイユちゃん役で受けました。自分のアイドルとしてのテーマカラーがイエローだったこともあって、ソレイユちゃんを受けたのですが、ピンクのキュアスター役として出演させていただくことになりました。キュアスターには私の大好きな星の黄色いモチーフがちりばめられていますし、オーディションの時の私の髪形が星奈ひかるちゃんと全く一緒だったんです。歌のオーディションもあって、楽しくて、振り付けを考えていきました。すごく楽しいオーディションでした。

 悠木さん 同世代、少し上の人たちがヒーリングアニマル役でオーディションを受けていて、私じゃないかも……と思っていたんです。でも、やれることをコツコツ、きちんとやって、落ち着きつつ全力でいい芝居に取り組もうとしました。今まで別作品で担当してきたキャラを考えると、スパークルなのかな?とも思っていたので、グレースは意外でした。何度も、本当の優しさや穏やかさを込められているか振り返りながら取り組んでいました。彼女の穏やかさは、私が憧れているものでもあったので、その思いを込めようとしながら1年が終わりました。

 ファイルーズさん オーディション原稿を読んだ時、受けたまなつの印象を大切にしようとしました。底抜けに明るい子で、“トロピカってる”って何だろう?と思いつつ、そういうところはあまり考えない子なんだろうと。いい意味で頭を空っぽにして、考えすぎず、台本から感じた素直なイメージをそのまま乗せて、元気にやりました。

 ◇久々のアフレコ 憧れが現実に

 --劇場版で「トロプリ」「ヒープリ」「スタプリ」が集結することになり、感じたことは?

 成瀬さん めちゃくちゃびっくりしました。いつか「トロプリ」「ヒープリ」「スタプリ」の3世代の共演があるのかな?と思っていたこともあったのですが、時間が過ぎていき……となっていたので、4世代共演のお話をうかがい、びっくりしたし、うれしかったです。「トロプリ」「ヒープリ」も大好きなので、大きなガッツポーズをしました。

 悠木さん 以前も映画でコラボに出演させていただく機会があり、「ヒープリ」のみんなで「私たちも先輩になって出演するのに憧れるよね」と言っていたんです。その憧れが現実になったことがうれしかったですし、なにより久しぶりにグレースを演じられることが幸せでした。

 ファイルーズさん 私はそんなに久しぶりではないのですが、「トロプリ」の主題歌の歌詞に「1年中ココロはサマー」とあるように、ずっとサマーが当たり前のようにそばにいてくれます。4世代が一緒になるのが、すごく新鮮で楽しかったです。テレビアニメの放送は終わりましたが、「トロプリ」がずっと好きといってくれる子もいますし、私もずっとサマーの気持ちでいることが大事だと思っています。

 --成瀬さん、悠木さんは久しぶりにプリキュアを演じました。・

 成瀬さん プリキュアショーの収録などはありましたが、アニメのアフレコは本当に久しぶりで、すごく楽しかったです。フワ役の木野日菜ちゃんと一緒に収録したのですが、私と一緒に並ぶと、身長差もあって、本当にひかるとフワみたいになるんですね。常日頃からプリキュアの気持ちでいるので、すぐにプリキュアになれるのですが、日菜ちゃんとは久しぶりでしたので、ちょっとドキドキそわそわしていたのですが、すごく楽しかった!

 悠木さん 私は皆さんの声が入った状態で収録をさせていただいたので、皆さんの声を聞いて、わー!プリキュアがいる!となっていました。テレビアニメの放送が終わってから、しばらく時間がたちましたし、プリキュアが私にとってまた夢の存在になっているんです。もちろんグレースとしてきちんとマイク前に立つのですが、心が沸き立っていたので、ちょっと気を引き締めました。でも、そのワクワクがあったまま、アフレコした方がいいんだろうな……とも思っていました。グレースも新しいお友達が増えて、うれしいはずですしね。みんなそれぞれ見せ場があって、グレースのお人よしなところもしっかり描かれていて、うれしかったです。演じていてほっこりしました。

 --それぞれの「プリキュア」の印象は?

 成瀬さん 長くなってしまいそう……。なるべくシンプルに話しますね(笑い)。「ヒープリ」「トロプリ」は方向性が違って、「ヒープリ」は地に足がついてて、伝えたいことがしっかりあって、心に染みこんでくるような楽しさがあります。たくさんの子供たちに作品を見て、育ってもらいたいな!という気持ちになります。「トロプリ」は別方向に素晴らしいんですよね。ひたすら楽しく、お祭りみたい。もちろん真に迫ったテーマもあるのですが、明るくいこう!というところを貫いていらっしゃったので、その明るさが格好いいんです。どちらも素晴らしい作品です。

 悠木さん 「スタプリ」「トロプリ」は、共にエネルギッシュですが、エネルギーの質がそれぞれ違うんですよ。キュアスターちゃんは、自分が好きなものに対する内に向いたパワーがすごくて、それがあふれていて、輝いています。キュアサマーちゃんは、外向きのエネルギーがすごく見えるんです。どっちにもすごく元気もらえるし、どっちにもなりたい!と思うんです。明るいといっても、いろいろな明るさがあって、それぞれに笑ってる人に元気をもらえるところがあります。「ヒープリ」は癒やして元気にするタイプだとしたら、「スタプリ」「トロプリ」は鼓舞してくれる感じがあるんです。3世代がそろって、そこをより感じました。

 ファイルーズさん 「ヒープリ」は、温かくて優しい印象で、内に秘めた強さ、メッセージ性の高さが魅力的だと感じました。「スタプリ」はキャラデザが可愛くて、すてきなんですよね。

 --「デパプリ」の印象は?

 悠木さん 私はキュアヤムヤムが好き!

 成瀬さん 私も! かぶりましたね!

 悠木さん 第一印象から決めていました! 可愛いですね。

 成瀬さん ひかるちゃんと通じるところがあります。好きなものが本当に好きで、突っ走ってるところがあるので、ひかるちゃんと仲良くなれるんじゃないかな?と思っています。

 ファイルーズさん エナジー妖精も可愛い。うちの海の妖精よりも頼もしそうです(笑い)。

 ◇これぞプリキュア! 劇場版の魅力

 --改めて感じた「プリキュア」の魅力は?

 ファイルーズさん プリキュアにもいろいろな子がいて、自己投影できるキャラクターがいるのがすてきですよね。みんな笑顔になり、元気をもらえるところも魅力的です。

 悠木さん 久しぶりにみんなの声を聞いて、帰ってきた!となって、アットホーム感がありました。それがうれしかったですし、耳が幸せでした。プリキュアに関わってた人たちは、チーム感、ファミリー感があるんです。今回の映画は、幸せそうに笑っておいしいごはんの話をしていて、そう、それでいいの! 人の幸福ってそういうことよ!と感じました。どのシリーズもみんなが笑顔でいられるにはどうしたらいいのか?を描いていて、それが詰まった作品になっていました。これぞ、プリキュアだ!と改めて感じました。

 成瀬さん プリキュアが世代を超えて集う時、出会ってすぐに笑顔になって、ごはんを一緒に食べる。会ったばかりでも、すぐに仲良くなれるんです。映画版でたくさんの世代が登場する際の醍醐味(だいごみ)なんですよね。本当に素晴らしくて、そこが魅力だと改めて感じました。

 --テレビシリーズに1年通して出演する中で、成長したことは?

 成瀬さん アフレコの経験がなかったですし、1年通してアフレコできたことが何よりも成長でした。元々、大きな声で発声していましたが、滑舌やイントネーションをより気をつけるようになりました。生き方が変わりましたね。それに、プリキュアのキャスト同士が仲良くなったっていうのも本当に楽しかったです。先日も小原好美ちゃんの写真展に安野希世乃ちゃんと一緒に行ったんです。1年間、一緒にできたから、仲良くなれたんです。友人は人生の宝ですからね。終わって2年くらいたちますが、改めて素晴らしさを感じています。

 悠木さん 1年同じチームでやらせてもらえる現場はすごく貴重です。チームワークを育むことが重要になるのですが、そこにコロナによる分散収録という結構大きいタスクがありました。コロナだからできなかった……となってしまってはいけないですし、それでもできることを画策しました。1年だったからみんなで試行錯誤できたし、絆が生まれました。いろいろみんなで試行錯誤できたことは、ほかの作品の分散収録にもすごく役立ちました。それに、収録で相手を思いやる気持ちをより意識するようになったんです。大きな学びだったなと思います。

 ファイルーズさん まだ記憶に新しいのですが、1年間通して、ハイテンションなキャラクターを演じる中で、喉が鍛えられました。高い声、元気な子を演じたことはありましたが、常に明るく、テンションが高いので、喉との戦いでした。収録を重ねるごとに喉の使い方が分かってきたんです。大きな成長につながりました。

 --最後に劇場版を楽しみにしている人にメッセージをお願いします。

 成瀬さん 難しいことはなくて、明るく楽しくごはんを食べて、楽しい気持ちになります。本当に幅広い世代の方が楽しめる作品です。子供の頃に最初に読んだ絵本のような感覚もありますし、もちろん大人の方も楽しめます。日本語が分からない方が見ても楽しいはずです。みんな見て! 楽しいです。

 悠木さん その通りですね! 誰かがごはん食べるところを見るのが大好きなので、最高です! 笑顔で食事をすることは、平和の象徴だと思います。プリキュアは楽しくごはんを食べて、生きている!というのが伝わってきます。彼女たちの人間性がより想像していただける内容になっています。ぜひそれぞれの表情を楽しんでいただけたらうれしいです。

 ファイルーズさん プリキュアの姿では戦っていることが多いのですが、日常会話はこれまであまりなかったので、そこも新鮮で、楽しんでいただけるはずです。出ているプリキュアがすごい多いですし、ぜひ何回も隅々まで見てほしいです。

アニメ 最新記事