ジャパニーズホラーの名匠・中田秀夫監督が手がける映画「“それ”がいる森」が9月30日に公開される。本作で主演を務めるのが相葉雅紀さんだ。相葉さんは約8年ぶりの映画主演で、ホラー映画への挑戦は初めて。「やりきるという覚悟で参加しました」と振り返る。中田監督と「セッションしながら」作り上げていったという撮影の様子をはじめ、挑戦するときの“怖さ”への向き合い方を聞いた。
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映画は、不可解な怪奇現象が多発すると言われる実在の森が舞台。数々の“それ”を見たという目撃情報をベースにしたホラーエンターテインメントだ。相葉さんが演じたのは、主人公の田中淳一。3年ぶりに再会した小学生の息子・一也(上原剣心さん)と、得体の知れない“それ”を目撃したことから騒動に巻き込まれていく。
今作で中田監督と初めてタッグを組んだ相葉さん。「リアクションの部分で『もう少し目を見開いて』とか、見た目についての演出が新鮮でした。それから、中田監督は『あと何%上げて』といったように数字で指示されるんです。現状からどれくらい変化させればいいか明確で、とても分かりやすかったです」と語る。
演じた淳一は、3年前に離婚した男性で、元妻の赤井爽子(江口のりこさん)と息子の一也とは離れて暮らしている。離婚の原因は、ある事情に淳一がしっかりと向き合えなかったこと。そんな中、一也が家出をして淳一を訪ねてくる。爽子の頼みでしばらく一也を預かることになった淳一は、“それ”との遭遇を通して、父親としても一人の人間としても変化していく。
息子役を務めたのは、ジャニーズJr.のグループ「Go!Go!kids」の上原さんだ。相葉さんは、12歳の上原さんについて「他の子役と比べてある程度の距離はあったと思います」と明かす。「何となく、剣心にとっては同じ会社の先輩という認識なのかなと。本当に懐く子役だと膝の上に座ってきたりするのですが、剣心はあまり甘えてくることもなくて。僕も後輩として頑張ってほしいという気持ちで接していましたし、監督の素晴らしい演出を受けて、それが彼の身になったらいいなと思っていました」と振り返った。
淳一という人物については、「この作品は淳一の成長物語でもあったので、分かりやすくポイントになる部分を探しながらひもといていきました」と語る。そのポイントを確立させるために、相葉さん自ら、監督に提案もしたという。
「僕が提案したのは二つで、一つ目は最初に親としてこの子を守らなきゃと強く思うところ。もちろん父親ではありますが、それまでは別々に暮らしていたので、実感を得にくい部分もあるだろうと。そこから、一也を守らなきゃと変化していく部分について提案しました。もう一つは、クライマックスで一也と淳一が話し合うところ。その会話にもう一押しあるといいんじゃないかと相談させてもらいました」
「自分がこうしたいと思うことがあれば、一度は伝えてみる」という相葉さん。
「もちろんそれが当てはまらない場合もあるので、そのときは元のやり方に戻します。今回は監督が『それいいね』と受け入れてくださって、よりセッションしながら進められたような気がします」
現場では、中田監督とのラフな会話も。中田監督は相葉さんの冠番組「相葉マナブ」(テレビ朝日系、日曜午後6時)の大ファンだといい、相葉さんは「すごくチェックしてくださっているんですよ」と驚いた様子。「ホラーが初めてだった僕のために、あえてそういった話を振ってくれて、緊張感をなくしてくれていたのかもしれません。監督の優しさを感じました」と感謝していた。
相葉さんは、今作で約8年ぶりに映画で主演を務めた。また、今年は6~7月に約12年ぶりとなる舞台「ようこそ、ミナト先生」にも主演として挑戦。長い期間空いたものに再び挑むことになったが、一体どんな思いだったのか。
相葉さんは、その問いかけに「覚悟、ですかね」と答え、「やりきるという覚悟をもって挑みました。やっぱり相当な覚悟がないとできないですよ」と率直に明かした。覚悟を決めた理由については、「まずはそういったお話をいただけたことが一番。それから、ホラー映画はやったことがないジャンルでしたし、初めて経験させてもらえることに単純に挑戦してみたいと思いました」と告白。仕事へのたゆまぬ姿勢がうかがえた。
挑戦には恐怖を感じることもあるだろう。相葉さんは「自分にこの役割が務まるのかと思ってしまうときはやっぱりあって」と口にする。それを乗り越える糧になっているのは「後悔はしたくない」という思いだ。
「例えばそこで断ることができたとしても、後になってもしチャレンジしていたら……と思うのが一番嫌なんですよ。怖いぶん、怖さが少しでもなくなるように準備はします。ライブの本番に向けて、リハーサルを十分にすれば緊張も少しは和らぐじゃないですか。そうなれるように、自分で考えて準備をしておきます」
今回は両作品とも主演での参加となったが、特に立場は意識せず「映画でも舞台でもドラマでも、全ての作品に対して臨む気持ちは一緒。自分の力を全て出しきるのみです」ときっぱり。「主演だからというよりも、全ての力を注ぐことが一番だと思うので、今回もベストを尽くしました」と、年齢や経験を重ねても純粋なままだ。シンプルなことを変わらず大切にし、徹底し続ける。相葉さんの魅力を感じた瞬間だった。
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