ドラゴンボールDAIMA
第6話 イナヅマ
11月18日(月)放送分
「週刊少年マガジン」(講談社)で連載中の金城宗幸さん原作、ノ村優介さん作画のサッカーマンガが原作のテレビアニメ「ブルーロック」。原作は累計発行部が1000万部を突破し、第45回講談社漫画賞の少年部門に選ばれた話題作だ。「正々堂々」を信念とする國神錬介役の小野友樹さんら豪華声優が出演していることも話題になっている。サッカー経験者でもあり、「國神とすごくリンクする部分がある」という小野さんに、同作の魅力、キャラクターへの思いを聞いた。
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「ブルーロック」は、「週刊少年マガジン」で2018年から連載中。日本をサッカーW杯優勝に導く“絶対的エースストライカー”を誕生させるための国を挙げたプロジェクト“ブルーロック(青い監獄)”プロジェクトがスタートし、集められた300人の高校生が戦いを繰り広げることになる。アニメは、テレビ朝日の深夜アニメ枠「NUMAnimation(ヌマニメーション)」で放送中。
小野さんはアニメ化が決定する前から原作のファンで、原作のPVにも声優として出演したことがある。
「PVでは、いろいろなキャラクターに声を当てさせていただいたのですが、その時から『絶対これをアニメ化したら面白いですよね』という話を現場でしていたんです。その後、アニメ化が決まってオーディションの話をいただいたのですが、当時演じていたキャラクターではなく國神役でオーディションのお話をいただいたんです。そこにガチ感がありましたね。しかも、原作の一ファンとして國神に共感する部分が大きかったので『よくぞ見抜いてくれた!』といううれしさもありました」
國神は、誠実な性格、強じんなフィジカルを兼ね備えた男気あふれるキャラクターで、「サッカーでスーパーヒーローになる」という夢のためにストイックに突き進んでいく。小野さんは國神を「究極的な道の探求者」と表現する。
「スーパースターになるという最大目標に向けて努力を重ねる男なんですよね。その目標があるからこそ曲がったことが嫌いですし、ストイックでぶれない。僕自身も決めた目標があると、困難や無理なことがあったとしても、パワープレーや工夫で何とかしようとするんです。結果、最後は目標にたどり着くケースがすごく多いんです。そういう意味のぶれなさでは、僕自身も國神チックだなと」
その“ぶれなさ”を象徴するようなチャレンジを小野さんは実践していた。小野さんは昨年ダイエットで約22キロの減量に成功しており、さらに國神役が決まってから「國神を演じる上でふさわしい体にならなければいけない」と、1カ月で約13キロ減量したというから驚きだ。
「食生活、運動を全部見直したんです。1日3時間以上歩く、固形物を食べないという2点を決めました。仕事もあるのに炎天下の中、3時間歩くのは無理ですし、固形物も食べないなんて、普通はできないじゃないですか。僕はできてしまうんですよ(笑い)。『決めたらやる』という部分が國神とすごく近いんです。あいつはもっとハードなことをやっているので、段階が違うんですけど、根っこが近い」
小野さんは「ここまで来るともはや國神のためではない」といい、「これまでケガもしなかったし、体調も大丈夫なので、どこまでさらにいけるのかなと。追い込むというより角度を変えてやっていこうという感じです」と、さらにトレーニングを続けようとしているという。
「國神と自分は近い部分がすごくあるが故に、恐らく表現だったり、しゃべっていることだったり、声の出し方みたいなことまで近いんですよ。非常に等身大で演じさせていただいています」
「ブルーロック」は、ストライカー300人の生き残りをかけたバトルロイヤルを描くという斬新な設定、個性的なキャラクターが人気を集めている。サッカー経験者の小野さんはどのように作品を捉えているのだろうか。
「極論ですし、今の日本ではできないですけど『やりたいな!』とすごく思います。僕はこういう環境下でこそ力を発揮するタイプ。学生時代に戻ってここにぶち込まれたい!と思うんですけど、リアルな話、ケガに弱いので(笑い)。多分ここの暮らしは耐えられないだろうな。でも、ケガに弱い部分も何らかのきっかけで克服できるかもしれない。今の記憶を持ったまま当時の体で殴り込みたい。放り込まれたいですね」
“サッカー版デスゲーム”とも言われる「ブルーロック」は、“エゴ”が一つのテーマになっている。小野さんは、アニメを作り上げる行程は、声優陣、スタッフの「エゴの削り出し」だと感じているという。
「(原作マンガの)作画のノムリン(ノ村さん)が魂を削って描いている、しかも自分の限界を超えながら描いているという話を聞いたことがあるんです。僕は絵がうまい人は、自分が想像した通りに描けるのがすごいと思っていたんですけど、毎回自分が描いてきたものを超えないとOKが出ないという話を聞いて、芝居と一緒だと思ったんですよね。その瞬間、瞬間で求められたものを出していく。それは魂を削ったところからしか出ないんです。そんな原作者の思いをアニメのスタッフさんも誌面から受け取り、熱量を持ってアニメーションにしてくれていると思います。みんなが自分のエゴい部分を削り出して作っている。見てくださる方には、そこをぜひ全力で一緒に楽しんでほしいなと思います」
小野さんにエゴについて聞くと、「声優の仕事においては、僕はエゴは弱めだと思うんです」という。
「自分が意図してやった芝居があったとしても、『こうしてほしい』と言われたら基本的には応えたいんです。アニメは監督さんの作品。それを作るために必要な皆さんが集められていて、その中で僕は一人のキャラクターを演じている一声優。もちろん声に関しては、そのキャラは僕しかできないから僕のエゴでいいんですけど、全体を見た上で作りたいものがある人がいらっしゃる以上、その人のイメージに近づけなければいけない。でも、自分のエゴも削り出す。不思議な言葉になってしまうんですけど、エゴのバランスが大事なんです。だから、“エゴの削り節”という表現がちょうどいいかもしれない(笑い)」
小野さんら声優陣、スタッフが自身のエゴと向き合いながら挑むアニメ「ブルーロック」。迫力の演技、映像に圧倒されるに違いない。
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