松村沙友理:卒業から1年3カ月 連ドラ初主演「こんなにも早いタイミングで」 今でも部屋着は「乃木坂46のライブT」

連続ドラマ「推しが武道館いってくれたら死ぬ」に主演する松村沙友理さん
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連続ドラマ「推しが武道館いってくれたら死ぬ」に主演する松村沙友理さん

 アイドルグループ「乃木坂46」の元メンバーで女優の松村沙友理さんが、主演務める連続ドラマ「推しが武道館いってくれたら死ぬ」(ABCテレビ・テレビ朝日)が放送中だ。松村さんは、今作でアイドルに人生をささげるオタクの主人公・えりぴよを演じている。えりぴよは、熱烈に支持する「ChamJam(チャムジャム)」の人気最下位メンバーの市井舞菜(伊礼姫奈さん)が“推し”で、舞菜の応援に金と時間をつぎ込み、自分の服は高校時代の赤ジャージーしか持っていない、という特異なキャラクター。特製だという衣装のジャージーが似合いすぎる松村さんに、今作での演技やグループを卒業して1年3カ月の心境などを聞いた。

 ◇膝上丈の特製赤ジャージー「楽でよかった」

 今作は、平尾アウリさんが「COMICリュウweb」(徳間書店)で連載中の同名マンガが原作。岡山で地道に活動する地下アイドルグループ「ChamJam」と、熱狂的なファンたちの姿を描く。2020年にはアニメ化され「推し武道」の愛称で親しまれている。ドラマ「推しが武道館いってくれたら死ぬ」は、関西ではABCテレビで日曜午後11時55分、関東はテレビ朝日で土曜深夜2時半から放送中(ABCテレビで放送後、「TVer」「GYAO!」で見逃し配信)。

 昨年7月に乃木坂46を卒業した松村さんにとって、今作は初主演ドラマとなる。「自分の中では女優業は卒業してからがスタートなのかなという気がしています。メンバーではない方と深く演技するという経験はあまりなかったので。自分の中ではこんなにも早いタイミングで主演というポジションでやらせていただけるのは、ありがたいなと思いました」と喜びを語る。

 主演だが、プレッシャーはそれほど感じなかった。「スタッフさんも以前ご一緒した方が多かったり、共演者の方も(同じアイドルオタクのくまさ役の)ジャンボたかおさんもお芝居が初めてだったので、みんなで話し合いながら進められる環境で、それはとてもありがたかったです」という。「(オタク仲間の)くまささんと基さん(豊田裕大さん)が一緒にいて、話していると自然とえりぴよになる気がして。生身の人間がえりぴよを演じたときにナチュラルになったらいいなとは思いました」と自然体で演じることができた。

 えりぴよは、私服が高校時代の赤ジャージーのみというキャラクター。えりぴよを演じる上でジャージーは重要なアイテムだが、「原作マンガがもともと好きだったので、そんなにジャージーには抵抗はなく……。応援している『ChamJam』のメンバーはアイドルらしいすごく可愛い衣装で、(元アイドルだった)自分がジャージー姿というのが、ちょっと面白いなと思いました」とそのギャップを楽しんだという。

 ジャージーはボトムを膝上丈にした特製のものだ。モデルとしても活動する松村さんだけに、ジャージーなのにチャーミングに着こなしている。「あそこまで可愛く着こなせる人も珍しい」と伝えると、「わあ、うれしい」と満面の笑みを見せ、「すごく楽でよかったです。ボトムは本当は長い丈だったんですけど、私の脚の長さに合わせて切っていただいたんです」と明かす。

 松村さん自身は普段、家ではどんな服装で過ごしているのかと尋ねると、「私も楽な服装が多いかな。基本はTシャツですね。家の中だけで過ごすときはずっと乃木坂46のときのライブのグッズTシャツを着ています。10年間分、全部持って帰ったので。40~50枚はあります」と笑顔で答えた。

 えりぴよはアイドルに人生をささげているが、松村さん自身が人生をささげてもいい“推し”は?と尋ねると、「今はアロマオイルですかね。ローズやラベンダー、お花系が好きなので、場面場面に合わせて、匂いを変えるのが好きで、家じゅうたいてます」と語る。

 ◇ファンとのすれ違いは「感じたことない」

 「推し武道」が2020年にアニメ化されたときは、「そのころは乃木坂46の現役で、どちらかというと推されるアイドル側だったので、ファンの皆さんの心情をリアルに感じて、映像として目にしたのがこの作品が初めてで、感慨深いものがありました」という。

 ほぼ真逆の立ち場を演じてみて、自身のファンに対する意識に変化があったのか。「今作のえりぴよと舞菜はすれ違うことが多いんですが、私自身はファンの方とすれ違ったと思ったことがなくて。私が考えていることはファンの方のほうが分かってくれている。自分がうまく言葉にできなくても、ファンの方は細かいところまで理解して、絶対に見てくれていると感じているので、発見という意味では意外となかったかなと思いますね」と自身とファンとの関係に揺るぎないものを感じている。

 ただし、「推しに会うために何時間も並ぶとか、想像はしていたけれど、実際にやってみると、思ったよりしんどいものなんだなと(笑い)」と肉体的なつらさは実感しつつ、「でも好きなものが同じ人たちが集まってワイワイやるのはすごく楽しいなと思いましたね。実際、私が現役だったときに『このあとみんなでご飯に行くんだ』とか、『休みの日に集まってみんなで歌ったんだよ』という話をファンの方から聞いていたので、自分で体験できたのは楽しかったです」と顔をほころばせる。

 第1話では、興奮しすぎて鼻血を出すシーンも。実生活で鼻血を出したことがないという松村さんにとって、未知の体験であり、体当たりの演技だが、「CGではなく、実際に鼻に仕込んで(鼻血を)垂らすというシーンだったので、タイミングが難しくて。たくさん人に囲まれているシーンでもあり、思いのほか時間がかかってしまって、オーケーが出たときは皆さん拍手してくださって。現場に一体感が生まれました」と振り返る。

 今後の見どころについては、「ChamJamのメンバーそれぞれ、すごく魅力がありますし、それを推しているオタクの皆さんも魅力があって、このドラマは一人一人個性が強い作品だなと思います。えりぴよだけじゃなくて、周りのオタクの皆さんのそれぞれの気持ち、人によって推し方とか好きになり方はまったく違うので、一人一人の人生、考え方にも注目してもらえたらいいなと思います」といい、「推しがいる方もいない方も、みんなで見て、感想とか言い合ってもらえるんじゃないかな。そんな深い作品になっています」と紹介した。

 ◇卒業後「暇が怖い」のは「乃木坂46の宿命」?

 「乃木坂46」を卒業して1年3カ月。自身の中で大きな変化は「時間の使い方」だという。「卒業前はグループの仕事もあったし、個人の仕事もあって、毎日目まぐるしくて忙しかった。時間がなくて、瞬きするように(あっという間に)日々が過ぎていったのが、今はもう少しゆとりができたなと思います」という。

 ゆとりがあって、自分のペースで進められるほうが性に合っているかと思いきや、「向いてないなと思いました。10年間ずっと忙しかったので、忙しさに体が慣れてしまっていて、暇が怖くて、1日予定がないと何をしたらいいか分からなくて」と苦笑する。

 「何もできない自分が嫌でわざと一日中寝たりして。あまり時間をうまく使えてないなと思うんです。それは他のメンバーも何人か言っていて、これは乃木坂46の宿命なのかなと(笑い)。今後は自分の時間をうまく使えるような人間になりたいです」と目標を掲げる。

 そんな松村さんに10年後を想像してもらうと、「もともと海外旅行が大好きで、コロナ禍になる前はメンバーや家族といろんな国へ出かけていたので、10年後もいろんな国に遊びに行ける人になっていたらいいなと思います」と答えた。

 「コロナ禍になる直前に行ったのがイタリアで、ローマ、ベネチア、ミラノとナポリなど主要な都市を全部回ったんです。街並みがぞれぞれ全然違っていて、とてもきれいでした」といい、「国内旅行もあまりしたことがなくて、コロナ禍になって海外に行けない分、国内に目を向けると、本当に日本って楽しいいろんな文化やさまざまな料理があって、すてきな国なんだなって改めて思いました。今後は行ったことのない東北のほうを回ってみたいです」と思いをはせていた。

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