すずめの戸締まり:新海誠監督×野田洋次郎×陣内一真 音楽制作の裏側語る 十明の「時代を超える声」

「すずめの戸締まり」の(左から)音楽を担当した陣内一真さん、新海誠監督、「RADWIMPS」の野田洋次郎さん(C)2022「すずめの戸締まり」製作委員会
1 / 4
「すずめの戸締まり」の(左から)音楽を担当した陣内一真さん、新海誠監督、「RADWIMPS」の野田洋次郎さん(C)2022「すずめの戸締まり」製作委員会

 新海誠監督の新作劇場版アニメ「すずめの戸締まり」で音楽を担当したロックバンド「RADWIMPS(ラッドウィンプス)」の野田洋次郎さんと作曲家の陣内一真さん、新海監督が、同作の音楽のこだわりを語った。

あなたにオススメ

 「すずめの戸締まり」では、RADWIMPSと陣内さんが音楽を共作した。レコーディングの一部は、新海監督作品では初となる海外で行われ、数多くのミュージシャンがレコーディングを行っている歴史的なスタジオである英ロンドンのアビー・ロード・スタジオでも実施された。

 新海監督は、RADWIMPSと陣内さんが手がけた音楽について「どの映画もそうかもしれませんけど、この映画に音楽がなかったとしたら観客は何を受け取ったのか、何を受け取っていい映画なのか整理がつかなかったかもしれないなと思いました。ポジティブにも取れるし、逆にすごく重いものとしても受け取ってしまうような内容も含んでいるから、僕たちが思っていること、できれば世界をこういうふうに感じてほしい、ということを音楽が伝えてくれているとは思います」と説明した。

 主題歌「すずめ」を歌った歌手・十明(とあか)さんについて、野田さんは「インタビューで『なんで十明さんの声だったんですか?』って聞かれて思ったんですけど、(オーディションの時に)うまい人はいっぱいいたじゃないですか。こう歌ってといわれたら歌える器用な人もいっぱいいて。でも、十明はどっちかっていうとまったく器用ではなかった。それでも『なんで彼女だったんだろう』って思った時に、多分探してた声って、時代性がない声というか、時代を超える声だったというか。100年前もこの人はたぶん歌ってたんじゃないかな、100年後もこの声がどっかで歌われてるんじゃないかと感じるような声だったんだと思います」と魅力を語った。

 楽曲制作から本編のダビング作業を経て、陣内さんは「監督がよく“耳に届く音”っておっしゃっていたのが印象的で、耳に届くものっていうのは面白い一音だったり、メロディーだったり、そこはコード進行ではなくて、主張のしっかりあるキャラクターになれるものということなんですよね。今までそこまで求められることが自分はなかったので、そういった意味で自分にとってはちょっと今までにない制作っていう感じでした」と今作ならではの制作について語った。

 「すずめの戸締まり」は、「君の名は。」(2016年)、「天気の子」(2019年)で知られる新海監督の新作。日本各地の廃虚を舞台に、災いのもととなる“扉”を閉める旅をする少女・岩戸鈴芽(いわと・すずめ)の解放と成長を描く。女優の原菜乃華さんがヒロイン・すずめ、人気グループ「SixTONES(ストーンズ)」の松村北斗さんがすずめが出会う青年・宗像草太を演じたことも話題になっている。

写真を見る全 4 枚

アニメ 最新記事