山本千尋:今年は「鎌倉殿」トウ役でブレーク “アクションだけじゃない”魅力 ギャップも

山本千尋さん
1 / 1
山本千尋さん

 12月18日に最終回を迎えたNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で雑色のトウを演じ、注目を集めた女優の山本千尋さん。以前から定評のあったアクションを随所で披露し、ドラマの盛り上がりの一翼を担った。そのほか今年は、「封刃師(ふうじんし)」(ABC・テレビ朝日)、「未来への10カウント」(テレビ朝日系)、「テッパチ!」(フジテレビ系)といった民放の連続ドラマ、映画「キングダム2 遥かなる大地へ」、Netflixで世界配信された「今際の国のアリス」のシーズン2にも出演。1年を通して、話題を振りまいた山本さん。“アクションだけじゃない”魅力とは……。

あなたにオススメ

 2017年に放送された特撮ドラマ「ウルトラマン」シリーズ「ウルトラマンジード」のヒロイン・鳥羽ライハ役などで知られ、ここ数年で「アクションができる女優」として認知された感のある山本さん。10代の頃、世界ジュニア大会で金メダルを獲得した中国武術が“原点”で、身体能力は申し分なく、「アクション」が大きな魅力であることは間違いないだろう。

 「鎌倉殿の13人」で演じたトウは、ドラマの前半から中盤にかけて次々と無慈悲に人を殺(あや)め、“アサシン(暗殺者)”として人気を集めた善児(梶原善さん)の弟子にあたる女性。初登場となった第29回「ままならぬ玉」(7月31日放送)から圧巻の剣技を披露し、SNSでは「トウ、すごいアクション」「トウの動きがやべえ」「トウの身体能力」「さすが山本千尋さんカッコいい」「山本千尋さん、サスガすぎる」などと視聴者は反応した。

 また、“1000年を超える歴史を持つ伝説の暗殺一族の一人”羌象(きょうしょう)を演じた「キングダム2 遥かなる大地へ」の公開(7月15日)から日も浅かったことから、「なんかキングダムみたいな人が出てきたぞ」「トウはなんだかキングダムに出てきそう」「トウはあのままキングダム出れちゃうね」「キングダムにいても違和感ない」「鎌倉殿の13人始まったと思ったらキングダムだった」と盛り上がった。

 そんな山本さん=トウの劇中での活躍は、両親を殺された善児に対する敵討ちや、りく(宮沢りえさん)暗殺をめぐる三浦義村(山本耕史さん)との対決へと続いたが、最大の見せ場となったのが、最終回にほど近い第45回「八幡宮の階段」(11月27日放送)での、とあるシーン。息子の実朝(柿澤勇人さん)と孫の公暁(寛一郎さん)を相次いで亡くした政子(小池栄子さん)の自害を、トウがすんでのところで阻止した場面だ。

 悲しみに暮れ、小刀で自らを刺そうとする政子。トウは背後から忍び寄り、「ならぬ」と止める。そこで政子は「では、あなた(トウ)が殺して」と頼むも、トウは「自ら死んではならない」と告げる……。このとき山本さんの目は涙に潤んでいたが、そこにはトウとしての強い意志や思いが宿っていて、大きな瞳で語る演技に心を奪われた視聴者も多かったことだろう。

 “アクションだけじゃない”山本さんの魅力が凝縮したようなシーンで、山本さん自身も「鎌倉殿の13人」の中で「一番、思い出深いシーン」と振り返っていた。

 加えてもう一つ、“アクションだけじゃない”魅力として挙げたいのが、山本さんの「声」だ。前述の「大きな瞳で語る演技」を含めて、どこか人間としての「強度」を感じさせることの多い“女優・山本千尋”の意外な側面とも言うべきか。実は山本さんは、耳に心地よく、時にコケティッシュにも聞こえる、澄んだ声の持ち主で、「トウ役の山本千尋ちゃん、あんなにアクションかっこいいのに声が可愛いのがよいのよね」と“ギャップ”を指摘する声も上がっている。

 12月22日に配信がスタートした「今際の国のアリス」のシーズン2では、オリジナルキャラクターとなる“スペードのクイーン”リサを演じている山本さん。洗練された美貌を持ちながら、身体能力が高い「自分史上最もヒールな役」で、アクション監督の下村勇二さんの下で「本当に一から作り上げていった」というアクションシーンは大きな見どころとなっている。

 一方で、以前のインタビューでは、「これだけ多くの俳優さん女優さんがいて、その中で『山本千尋にこの役を演じてほしい』と言っていただけるって奇跡のようなことだと思っているので、それを求めてもらったときに準備できている自分がいて、『予想通りで、よかったよ』ではなく『予想以上』と言ってもらえるよう、常にいい意味で期待を裏切れる女優でありたいなと思っています」とも語っていた山本さん。今後も、アクションはもちろん、“だけじゃない”魅力で視聴者を魅了していってくれることを期待したい。

芸能 最新記事