綾瀬はるか:男勝りの濃姫役 “信長”木村拓哉との初夜シーンは袖が毎回ビリビリに「大変だったけど楽しかった」

2023年1月27日公開の映画「レジェンド&バタフライ」でヒロインを務める綾瀬はるかさん
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2023年1月27日公開の映画「レジェンド&バタフライ」でヒロインを務める綾瀬はるかさん

 木村拓哉さん主演の映画「レジェンド&バタフライ」(大友啓史監督、2023年1月27日公開)で、日本史上の“レジェンド”織田信長(木村さん)の正室・濃姫(別名“帰蝶”)を演じる綾瀬はるかさん。信長を時に叱咤激励して支える男勝りな濃姫役に挑戦している。史実では謎が多い濃姫だが、綾瀬さんはどのように演じたのか? 3度目の共演で改めて感じた木村さんの“すごさ”とは? 映画の撮影エピソードなどの話を聞いた。

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 ◇“でことぼこ”な信長&濃姫「私の理想の夫婦像」

 東映創立70周年記念映画として製作された今作は、“最悪の出会い”から始まった信長と濃姫が、次第に心を通わせ、共に天下統一へと突き進んでいく夫婦の愛の物語。連続ドラマ「リーガルハイ」「コンフィデンスマンJP」などで知られる脚本家の古沢良太さんと、映画「るろうに剣心」シリーズでアクションエンターテインメントの金字塔を打ち立てた大友啓史監督がタッグを組み、二人の生涯を新たな視点で描く。

 総製作費20億円の壮大なスケールで製作される今作。綾瀬さんはプレッシャーよりも、「ワクワク感の方が大きかった」と顔をほころばせる。

 「主演が木村さんで、脚本は古沢さん、監督は大友さんと、座組みを聞いたときから『やってみたい!』って楽しみでしかなかったです」

 一方、「実在の人物を演じることなので、責任も伴う。たくさんの人に親しまれている人物でもあるので、緊張感を持って頑張ろうと思いました」と語る。ただ、濃姫は謎の多い人物。「調べてもほとんど情報が出てこず、どうしようと(笑い)。なので台本を見て、自分で人物像を膨らませていきました」と語る。

 今作の濃姫は、武芸にも通ずる男勝りな姫として描かれる。綾瀬さんは「ちょっとおてんばなお姫様だなと思いました」と笑いつつ、「でも愛情深いところもあり、素直じゃない不器用な感じもいとおしいなって。古沢さんの描かれた濃姫が本当に魅力的だったので、人物像をつかむのに苦労はあまりなかったです」と振り返る。

 政略結婚で始まった2人の関係。だが、次第に信長は濃姫の知恵を頼るようになり、濃姫は信長を尊敬するようになっていく。そんな二人の関係性について、綾瀬さんは「私の理想の夫婦像かもしれません」と語る。「夫婦であり、戦友であり、尊敬し合っている。“でことぼこ”というか、足りない部分を補い合っている。お互い素直じゃないがゆえ、口には出しませんが、心の中で互いのことをすごく思い合っている。私はすごく好きな夫婦です」とほほ笑んだ。

 ◇3度目の共演 木村拓哉の“すごさ”

 木村さんと共演するのは、連続ドラマ「MR.BRAIN(ミスターブレイン)」(2009年)、「南極大陸」(2011年)以来、3度目。夫婦役での共演は初めてとなる。今作で改めて感じた木村さんの“すごさ”について聞いた。

 映画の企画発表会見では「お互いに『ここはかなわない』と思ったところ」として、綾瀬さんは木村さんについて、「1ミリも負ける要素を感じさせない気迫がある。その全力を超えたエネルギーでいつもいるのが本当にすごい」と話していたが、インタビューでも綾瀬さんは「とにかく気合が、熱量がすごい」と強調する。

 「なかなかいつも全力でいることって難しいと思うのですが、木村さんはいつもそう。常にすごいエネルギーで現場にいるので、周りの人も引っ張られる。私自身も引っ張られましたし、そんな木村さんだから“どんな芝居でも受け止めてくれる”って安心感もすごいです」

 「役へのこだわりも強い」と話す。「『どうしたら面白くなるのか』を常に考えていらっしゃって。自分のやりたいこともはっきりされているので、ここを(こう)したらどうだろうってスタッフとお話されている姿もよく見ていて、私も勉強になりました」と語った。

 ◇初夜のシーンはよく練習

 信長と濃姫の掛け合いのシーンは、木村さんと念入りに話し込んで撮影に臨んだという綾瀬さん。特に、初夜のシーンは、序盤の撮影ということもあって、よく打ち合わせをしたと振り返る。嫁いできたばかりの濃姫が、“うつけ”の信長にあきれて、中谷美紀さん演じる各務野(かがみの)ら侍女たちを巻き込んでもみ合いのケンカをするコントのようなシーンになっているが、「着物を着て互いに動きにくいというのもあるので、どちらが先に手を払いのけるかって、木村さんと綿密に話をしました」と振り返る。

 こんなエピソードも。「信長よりも、濃姫の方が強くないといけないので、木村さんのパワーに負けないように腹から声を出すことを意識しました。あと木村さん、さすがに中谷さんにはやらないだろうと思っていたら、中谷さんのこともボンッって投げていて(笑い)。それぐらい激しいシーンで、カットがかかったら袖が全部ビリビリになっていました(笑い)。大変だったけど、撮影していてすごく楽しいシーンでした」。

 序盤に初夜のシーンがあったことが良かった、とも話す。「私は全身を使って表現するシーンがあると、役をつかみやすいんです。あのシーンを最初にやったことで、濃姫という人物像をつかめたのかな、と思います」と述べた。

 「お客さんにも笑ってもらえるシーンになっていると思います」と話す綾瀬さん。最後に、今作について「信長と妻がどういう関係だったかって描かれている作品はあまりないと思います。新たな視点で描かれる信長と濃姫の物語。歴史があまり得意じゃないという人でも、純粋にラブストーリーとして楽しんでいただけるのでは」とアピールした。

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