名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
2022年にデビュー10周年を迎えた家入レオさん。「音楽が向いていない」と悩んだ時期もあったといい、苦難を乗り越えて10周年を迎えた心境や、2023年1月14日から放送・配信されるアニメ「火狩りの王」(WOWOWオリジナル)のために書き下ろしたオープニング(OP)テーマ「嘘つき」の制作秘話、今後の展望などについて聞いた。
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10周年を迎えるに際して家入さんは、「デビューするときに『3年後、東京で歌えているのかな』という気持ちで日々を過ごしていたので、そのときの自分に『いろんな方に支えてもらいながら10周年を迎えることができたよ』って伝えてあげたいです」と感慨深げに語る。実は3年ほど前、人生の4分の1が過ぎた20代後半から30代にかけて訪れる幸福の低迷期「クオーターライフ・クライシス」に陥り、思い悩んでいたという。
「私は17歳でデビューしたので、『クオーターライフ・クライシス』が来るのがちょっと早かったんです。福岡の自分の家で『こういう曲を作りたい』ってギターを弾きながらやっていたことがお仕事になって、もっとすごい、いろんな方たちに会ったときに、自分の実力不足も感じたし、覚悟を持って音楽を磨いていけるんだろうかって……。ちょうどコロナ禍で、ただでさえポジティブでいるのが難しかったところに重なり、本当にキツかったし、毎日『歌いたくない。才能ない』って思ってました」と当時の心境を吐露する。
悩んだ末、気持ちに変化が訪れた。「考えていても何も始まらないんだなって。できなくても悔しくても罵倒されても、音楽をやりたいんだから、傷つきながらも実践していくしかない、と思って一歩踏み出したんです。そこから少しずつ自信がついていって、今はまた楽しいって思えるようになりました。それってすごく大事な時期だったなと、今は思います。ただ『楽しい、うれしい、最高』でやっていたらステップアップできていなかったと思うし、好きなことを仕事にするのは、楽しいだけじゃない部分があるって身をもって知ることができたのは、財産ですね」と自らの転機を振り返る。
家入さんがOPテーマを手がけるアニメ「火狩りの王」は、日向理恵子さんの長編ファンタジー小説シリーズが原作。“火”をテーマにしており、人類最終戦争後の世界を舞台に、主人公の灯子ら子供たちが多くの困難に直面しながらも懸命に生きる姿を描く。アニメは「SAMURAI DEEPER KYO」「今日からマ王!」などの西村純二さんが監督を務め、「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」「機動警察パトレイバー」などの押井守さんが構成・脚本を担当する。川井憲次さんが音楽を手がける。1月14日から毎週土曜午後10時半にWOWOWプライムで放送。第1話は無料放送。動画配信サービス「WOWOWオンデマンド」で配信もされる。
楽曲を書き下ろすにあたり、原作の小説やアニメのプロット(企画開発用の資料)を読んだ家入さんは、「私は割と根拠のないポジティブよりも、残酷な現実を見せてほしいという価値観を持っている人間。そういう意味でも、(後者のタイプの)うそのない作品だなって。最終戦争後の荒れ果てた地から物語が始まって、そこで生きていく主人公の灯子を見たときに、混沌(こんとん)としたこの時代に生きていくことの光と闇がしっかりと描かれているアニメに出合えたことは希望でした」と作品の印象について語る。
歌詞も「生きることの美しさと残酷さ、その二面性をしっかりうそなく書きたい」と考えた。「残酷さがあるからこそ、光がより輝くというか。灯子たちが旅に出て、人と触れ合うことで『やっぱり生きよう』と思うシーンは、より胸を打たれるし、希望を持っているから絶望もするし……。感情が動かされるのは、まだ生きる力を自分の中に宿しているということで、『傷つくってことは期待しているということ。まだ生きたいって命は言ってるよ』という生命力を内包したいと思って制作しました」という。
タイトルの「嘘つき」に関しても「『嘘つき』って人に言うということは、その人のことを信じているから。信じていたから裏切られたと思うわけで、それも希望だと私は思うんです。アニメの主人公が子供なので、子供が大人に対して憤りを表現するときにも使っていてリアリティーがあるかなと。『嘘つき』って相手に対して思うことは、やっぱり何か未来に期待している証拠。ある意味、希望の言葉だと思っています」と曲に込めた思いを語る。
今回の楽曲「嘘つき」は、約3年前の自身の「クオーターライフ・クライシス」の経験も反映されているといい、「自分の人生のターニングポイントも曲としてしっかり描けた」と家入さん。「音楽が向いてないと思いながら、やっぱりやりたいという気持ちがあったり。日々、自分の感情が変わって答えがはっきり出ないもどかしさとか。そういう思いを自分の人生経験をもってつむいだので、ライブで歌うにあたっても、よりダイレクトに伝わっていくんじゃないかと思いますね」と充実感をにじませる。
タイトルの「嘘つき」にちなみ、最近ついたうそについて聞くと、「この前、夜中にすごくおなかがすいてしまって。体を絞らなくちゃいけない時期だったので、ガマンして1回寝ようと試みてベッドに入ったんですけど、おなかがすきすぎて眠れなくて……。それで、『カロリーはない』ということにして、ワカメと豆腐のみそ汁を食べて寝ました。『みそ汁のカロリーがゼロってうそつきだな』って思いながら(笑い)」と楽しそうに明かした。
家入さんは、2月15日に約4年ぶりのオリジナルアルバム「Naked」をリリース予定だ。「まったく光がなかったところから一筋の光が生まれて、『やっぱり私には音楽なんだ』っていう気持ちを取り戻すまでの思い」が集約された、今の家入さんを表す作品に仕上がるという。不安や迷いを経て迎えた2023年は「とにかく楽曲制作をして、ライブをして、音楽三昧の1年にする」と意気込む。
10代は多忙なスケジュールで「自分がやりたいと思っていた“青春”というものができていないというコンプレックスがあったんです。それで20歳を過ぎてから、普通に友達とカフェでご飯を食べたり、テーマパークに行ったり、カラオケに行ったりして。もちろんそれもすごく楽しくて、今でもそういう時間も大事にしているんですけど、音楽を日々やっているからこそ、たまに人と会ったり遊びに行くことも楽しいと思えるんだなって感じたんです。2023年はもう1回、好きなものに自分のすべてをささげてみる年なのかなと思ってます」と抱負を語る。
さらに10年後の未来については「やっぱり喜んでもらえる歌を歌える自分でありたい」と理想を掲げる。「私にとって歌を歌うことは、歯を磨いたり、ご飯を食べたり、お風呂に入ることと同じなので、(そういう生活の一部として)ちょっとだけ無理をして頑張るというか。『今日もスタジオにずっといたし、これから家に帰って歌詞を書いたり、ギターを弾いたりするのは疲れるなあ。でもやっぱり、明日もあさっても10年後も歌っていたいから、家に帰ってやろう』という向き合い方をしていきたいなと思います。『練習、だるいなあ』と思っても、やり始めたらやっぱり楽しいんですよね。やっぱり音楽が好きですね」と笑顔を見せた。
(取材・文・撮影/水白京)
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