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名探偵津田 第3話 怪盗vs名探偵~狙われた白鳥の歌~
12月18日(水)放送分
俳優の玉木宏さんが監督を務め、林遣都さんが主演を務めるWOWOWのショートフィルム「COUNT 100」が2月11日に放送・配信されるのに先立ち、玉木さんと林さんがこのほど対談し、作品への思いや撮影秘話などを語り合った。WOWOWは1月26日、対談内容を公開した。
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ショートフィルム「COUNT 100」は、人気俳優がショートフィルムの監督に挑戦するWOWOWの企画「アクターズ・ショート・フィルム3」のラインアップの一つ。俳優5人が製作費や製作日数など同条件で、ショートフィルムを製作する企画で、2021年1月に第1弾、2022年2月に第2弾が放送。今回の第3弾では、玉木さん、土屋太鳳さん、高良健吾さん、中川大志さん、野村萬斎さんが監督に挑戦する。
玉木さん:1回目、2回目の作品を見ていて、よく知っている人たちが監督をやっていることは知っていました。それを(アクターズ・ショート・フィルム2で監督を務めた)永山瑛太くんと話している中で「いいなぁ。やってみたいなぁ」と思っていたので、お話をいただいた時は願ったりかなったりでした。監督をやりたい気持ちはずっとあったのですが、やるにあたってどういう題材にしようかな? ということはわりと早い段階で考えました。
玉木さん:たどり着いたというか短い尺の中で何を題材にしようか? メッセージ性は強く打ち出したいと思っていました。
いろいろな題材があって、何個も頭の中に浮かんだのですが、自分がいま何を伝えたいか? ということを大切に考えた時、“俳優”というのはある意味で二面性のある職業であり、言ってしまえば別の誰かがやっても成立してしまうかもしれないもので、そういう自分ではなくてもいい、“誰か”に乗っ取られる怖さみたいなものを表現できたら面白い世界になるんじゃないかと思いました。
ただ、人が生きている上で、その背景を描かなくてはいけない。ボクシングに限らず、スポーツ選手はみなさん、そうだと思うのですが、短い時間の中でギュッと凝縮した時間を生きていると思います。たまたま僕も遣都くんもボクシングの経験があったので、それをリアルに描けたらと思いました。
林さん:お話をきいて、とてもうれしかったです。この企画自体は耳にしたことはありましたが、今回、玉木さんが監督と聞いて、憧れの俳優であり先輩なので二つ返事でぜひやらせていただきたいと思いました。
林さん:いえ、事務所のほうへいただきました。
玉木さん:連絡先は知っていましたが、こちらから打診すべきなのか? 正式にWOWOWさん側からオファーしてもらうか? と考えて、WOWOWさん側からオファーしてもらいました。でも、あとから連絡はしました(笑い)
玉木さん:結論から言うと楽しさしかなかったです。ただ、そこにいたるまでに……今回の作品は20分ちょうどなんですが、(企画のルールとして)「25分以内」という枠組みがあって、自分で脚本を書いてはいるものの尺感がわからないというのはありました。オーバーなのか? ショートなのかわからず、プロデューサーの方から、いろいろアドバイスをいただきながらブラッシュアップをしていった感じで、その作業も「なるほどな」と思うことがたくさんありました。
僕らは普段、環境を与えられてお芝居をするのですが、一歩引いたところから現場を組み立てていく面白さというのは、またちょっと違ったクリエイティブな仕事で、楽しかったです。現場では、自分が頭の中で思い描いていたことが目の前で行なわれていて、時間を忘れてしまうくらい、楽しい時間でしたが、遣都くんに関しては一人二役を担っていたので、体力的なことや、スケジュールも考えなくてはいけない。ブレーキをかけながらアクセルを踏んでいるような感じで臨んでいました。
玉木さん:遣都くんがこの役を引き受けてくれてよかったと思うし、さすがだなと思うシーンがたくさんありました。説得力を見せてくれるというか瞳の輝きひとつで全然違う人に見えて、だからこそ成立したのだと思います。遣都くんの演技にすごく助けられました。
林さん:また玉木組があったら、どんな役でもいいので毎回参加したいと思うくらい充実した時間でしたし、「俳優さんが監督をやってみた」という現場では全くなく、いつも経験している通りの撮影現場で、監督が中心に立っていて、みなさんが付いて行くというチーム感がありました。迷いがなく、まとまって、限られた時間の中で想定以上のことが生まれていく、気持ちの良い現場でした。
玉木さん:どこが印象的だったというよりも、全てを通していいあんばいだったと思います。人それぞれですが、もし遣都くん以外の人が演じたら、トゥーマッチだっただろうなと感じる部分もありました。一人二役だったので、遣都くんにとっても見えない空間での演技だったと思いますが、本当にこの物語、この世界観を、行き過ぎないリアクションで演じてくれたと思います。
玉木さん:台本の冒頭に、この作品を作るにあたってのテーマ、メッセージというのを書かせていただいたんですが、これをキャスト、スタッフに共通認識で持ってもらい、シーンごとに少しだけ思いをプラスして伝えしました。なので、そこは撮影に参加しているキャスト、スタッフの間でズレはなく、いけたのではないかと思います。
林さん:撮影は2日間だったんですが、まずクランクインして最初のカットが冒頭のシーンで、主人公が歩いてきて、チラシを手渡されて振り返るというシーンでした。ロケでエキストラの方たちもいたのですが、一発OKだったんですよね(笑い)
玉木さん:あはは(笑い)
林さん:玉木さん、全く迷いがなくてカッコいい! って思って(笑い)
玉木さん:いやいや(笑い)
林さん:さすが玉木さんだなと思いました。こういう挑戦的な企画に対しても迷いがなく、引っ張っていってもらえそうな気がして、一気に撮影の2日間が楽しみになりました。その後も、“もう1人の自分”を演じる時のあんばいに関しても、違いのリアリティーを突き詰めて考えていくことよりも、変化していく段階を玉木さんに確認しながらやらせていただいたんですが、全部、答えをいただけるので、信頼しきって、玉木さんが思い描いたものに近づけるように挑んでいきました。
玉木さん:そうですね、基本的にシーンの状況は把握されているので、軽く伝えて、すぐに臨むという感じです。遣都くんが毎回、ドンピシャなところを突いてくれるので、タイミング的なところで「もう1回」と言ったことはありましたけど、3回やったことはなかったかな……? だいたい2回目でOKは出していますね。
玉木さん:いやいや(笑い)。そこは、ちゃんと整っていたから「OK」が出せるというだけです。
玉木さん:僕の主観かもしれませんが、監督が作品を残す意味というのは、いまの時代を映すものなのか、その人が伝えたい思いなのか、その両方かもしれませんが、そういう意味合いがないといけない気がして。僕が、そういう作品を見るのが好きということがあると思います。僕自身がいま、考えていることが、この「COUNT 100」という作品を通して何か伝わればいいなと思っています。冒頭の話に戻るんですけど、俳優は二面性があって、誰か違う人に演じられているかもしれない、そういう怖さや不安を作品を通して伝えることができれば意味があるものになるのではないかと。
玉木さん:そうですね。今回でいうと6個くらい「こういうものがやりたい」というのがパパっと浮かんできました。以前、フォトブックを出した時に担当されたライターさんのやり方で、インタビューする相手に「100個、単語でも漢字でもいいから、いま頭に浮かんだものを書き出してください」というんです。それを参考に「ボクシング」「俳優」や「二面性」「乗っ取られる」、あとは「鏡面世界」など好きなワードを書いて並べて、それをつなげて、そこからひとつの物語ができないか? というやり方で内容を決めました。
結果的に背景にボクシングを入れ、自分の頭の中にあるキーワードで作り上げたストーリーになりました。それらを組み替えればまた違うストーリーもできると思います。
玉木さん:いやぁ、長編となると……。今回、何が難しかったというとセリフを考えることが難しかったんです。セリフに人格が込められると思うので、登場人物が少なければ埋め切れると思いますが、登場人物が多くなってきて、それぞれの人格をちゃんと成立させていくのは……。いろんな方向から作品を見ていかなくてはいけないと思うので、なかなかセリフを考えるのは奥が深くて難しいなと改めて感じたところです。なので長編はいまの段階ではちょっと難しいかもしれない、という思いです。
「COUNT 100」を含む「アクターズ・ショート・フィルム3」の作品は2月11日午後8時からWOWOWプライム、WOWOWオンデマンドで放送・配信される。
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2024年12月22日 16:00時点
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