すずめの戸締まり:「ベルリン国際映画祭」でプレミア上映 新海誠監督、原菜乃華がレッドカーペットに 「草太さんも一緒です」

「第73回ベルリン国際映画祭」にレッドカーペットに登場した「すずめの戸締まり」の岩戸鈴芽役の原菜乃華さん(左)と新海誠監督(C)2022「すずめの戸締まり」製作委員会
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「第73回ベルリン国際映画祭」にレッドカーペットに登場した「すずめの戸締まり」の岩戸鈴芽役の原菜乃華さん(左)と新海誠監督(C)2022「すずめの戸締まり」製作委員会

 新海誠監督の新作劇場版アニメ「すずめの戸締まり」が、独で開催中の「第73回ベルリン国際映画祭」のコンペティション部門に正式出品され、2月23日(現地時間)にプレミア上映された。新海監督、ヒロイン・岩戸鈴芽(いわと・すずめ)の声優を務めた原菜乃華さん、川村元気プロデューサーがレッドカーペットに登場した。日本のアニメーション作品が同映画祭のコンペティション部門に正式出品されるのは、宮崎駿監督の劇場版アニメ「千と千尋の神隠し」(2001年)以来、約21年ぶりとなる。

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 原さんは鮮やかな赤の着物をまとってレッドカーペットに登場し、新海監督と共に「夢のよう」「日本の出来事を描いたこの映画がベルリンから、そこから先の世界の方々に少しでも深い場所へと届くといいなと思っています」と語った。レッドカーペットには、黒のチョウネクタイで“おめかし”をした草太(すずめの椅子)の姿もあり、原さんは「草太さんも一緒です」、新海監督は「我々は(草太を演じた)松村(北斗)くんと一緒に、いってきます」と力強く話した。

 「すずめの戸締まり」のプレミア上映後には、約3分にわたり観客の拍手が巻き起こった。鳴りやまない拍手に迎えられ、新海監督、川村プロデューサー、原さんが壇上に登場した。新海監督は「たくさんの人に見ていただけてとてもうれしいです。この作品は12年前の東日本大震災をベースにしています。今でも故郷に帰れない人たちがたくさんいます。すずめが最後に飛び込んだ扉の先で街が燃えているのは、地震や津波の後にガスの爆発などで街が燃えたためです。屋根の上に横たわる船の描写は津波によって打ち上げられたものです。これらは全て12年前に日本で起こったことです」と説明。

 「『すずめの戸締まり』というエンターテインメント作品を楽しんでもらいながらも、少しでもそのことを知ってほしかった。どんなに大きな災害にあっても、人は笑いながら成長していきます。こうやってたくさんの方に笑いながら見てもらえたことが幸せでした」と思いを語った。

 原さんは「私はアニメが大好きで、新海監督の作品が大好きでした。そんな監督の隣でこのベルリンに来ることができて、こんなにたくさんの人に映画を見てもらえて、夢のようでぜいたくすぎる時間でした。この作品に関わられた皆様に感謝しています」とあいさつした。

 フォトコール、記者会見、レッドカーペットイベント、ガラ・プレミア上映を終えた新海監督は「ベルリン国際映画祭のレッドカーペットはとてもすてきでした。いろいろな国から来たたくさんの方々が声をかけてくれてうれしかったです。プレミア上映では、すごく笑いが起こっていました。日本とは違うところで笑いが起こるので勉強になりました。特にダイジンが出てくるたびに笑う人が多かったですね。笑いながら、泣きながら見てくれていました。今回は着物姿の菜乃華さんと、椅子の状態となってしまった北斗君と一緒に、3人でこの作品をベルリンへ伝えにきました。この場所に来ることができたのも、日本の皆さんの応援があったからです。ありがとうございます。これからすずめはベルリンをスタートにしていろいろな世界へ旅立っていきます。何となく気にして遠くから応援してもらえたらうれしいです」と話した。

 原さんは「ベルリンの方々の反応がとても良くて、たくさん元気をもらいました。ここまで来ることができたのも、本当にたくさんの人が見てくださった結果だと思います。見てくださった方たちに感謝していますし、新海監督や、たくさんのスタッフの方々にも感謝しています。世界中の方と感想を語り合えるような機会があったらいいなと思います」と語った。

 「すずめの戸締まり」は、日本各地の廃虚を舞台に、災いのもととなる“扉”を閉める旅をする少女・岩戸鈴芽の解放と成長を描く。原さんがヒロイン・すずめ、人気グループ「SixTONES(ストーンズ)」の松村さんがすずめが出会う青年・宗像草太を演じたことも話題になっている。2022年11月11日に公開され、興行収入が137億円を突破し、観客動員数が約1036万人を記録するなど大ヒットしている。

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