駒木結衣:人気お天気キャスターの“原動力” 昔も今も変わらない「誰かのために」という思い

「ウェザーニュースLiVE」のお天気キャスター・駒木結衣さん
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「ウェザーニュースLiVE」のお天気キャスター・駒木結衣さん

 YouTubeなどで配信する気象情報番組「ウェザーニュースLiVE」のお天気キャスター・駒木結衣さんが、初のフォトエッセー「空を結ぶ」(ワニブックス)を1月末に発売した。ウェザーニュースの仕事を始めて5年目を迎えたが、「昔も今も変わらないものとして、自分のためにというよりかは、誰かのためにっていう気持ちが大きくて、それが一番の原動力なのかなっていうふうに思います」と“伝える仕事”への思いを明かす。同書では、仕事以外にも、生い立ちや日々気になることなど、プライベートについてもつづっている駒木さん。フォトエッセーを通じて発見した自分とは……?

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 ◇普段使っている言葉で、背伸びせずに書こうと

 駒木さんは1996年6月9日生まれ、仙台市出身の26歳。2018年から同番組のお天気キャスターを務め、「ゆいちゃん」「おゆい」「こまきゅい」「もぐゆい」の愛称で人気を博している。

 同書では、書道や剣道に久しぶりに挑戦する姿や、初めて挑んだデートをイメージしたグラビアなどを収録し、番組では見せたことがない一面を披露。地元・仙台で過ごした18歳までのプライベートショットや、仕事中の秘蔵写真も初公開。エッセーでは、生い立ちや日々気になること、5年目に入ったウェザーニュースの仕事、空や天気について自身の言葉で書きつづっている。

 発売後、ファンや読者から「意外な一面が見られた」という意見や、「言葉が優しくて楽しめました」といった感想をもらったという駒木さんは、「普段使っている言葉で、背伸びせずに書こうと思っていたので、それが伝わったのかなと思ってうれしかったです。これまでの失敗や恥ずかしいエピソードも盛り込ませていただいたので、こんなおっちょこちょいなところがあるんだと笑っていただけたりもしました」とほほ笑む。

 幼少期から学生時代までを振り返ってもいて、「家族と一緒に思い出しながら書いたところもあったので、母も喜んでくれました。妹と書店に行った際、実際に本が棚に並んでいるのも見て、(妹が)『本当に発売されているんだね』とポロッと涙を流して、それを見て私もジーンときちゃいました」と明かす。

 撮影を通じて、約10年ぶりに剣道をする姿も披露。久しぶりに胴着と袴(はかま)姿になると「すごく背筋が伸びた」という。「初心に帰って、また頑張ろうと思えたというか。手ぬぐいをつけて、面をかぶってというのも懐かしく、当時の汗の匂いとか残っていたりして、青春を思い出しましたね」とも語っている。

 また同書では、多彩な衣装をまといさまざまな表情を見せていて、「普段、写真を撮っていただくときにはしないような、ちょっと切ない表情だったり、物思いにふけっているところも新たな挑戦でした。恥ずかしさはあったはあったのですが、自分ができる限りの表情を、無意識ではありますが、させていただきました」と撮影を振り返った。

 ◇「自分のことを書く」ことで発見も

 改めて同書について、「自分のことを多角的に見ることはないので、不思議な感じですし、こんなに自分がいるのは慣れないっていうのはあります」と率直な感想を口にする駒木さん。「自分のことを書くのってやっぱり難しいですよね。自分ってどんな人間だろうってところから始まって。掘っていけばいくほど、『恥ずかしいな』とか『ここは人には見せられないな』とかもあったのですが、そういったところも含めて正直に文章にさせていただいた結果、『共感しました』とか『私も同じです』という声をいただけて。そのことが救いにもなりましたし。自分を肯定的に思えたりもしました」と話す。

 さらには「自分のことを書く」ことで発見もあったといい、「私は自分のことをネガティブな人間だと思っているのですが、元々そうだったのではなく、小さい頃、大きくあったポジティブな部分が、年齢を重ねるうちにネガティブな殻に覆われるようになったんだなって。それに気づけた分、これからはそのネガティブな殻を破る、というわけではないのですが、少しずつポジティブな部分を出せていけたらなというのは、気づきとしてありました」と語る。

 そんな駒木さんだが、仕事で「壁に当たることは多々ある」といい、また「気分が乗らない、なかなか元気が出ないなっていうときもある」と告白。それでも、「カメラの前に立つと自然とそんな自分から脱することができるというか。そういう意味でも、この仕事は自分の中で大きな存在だなって思います」と明かしていて、ウェザーニュースのキャスターは“天職”であることがうかがえる。

 同書では、「言葉選び」についてなど、“伝える仕事”に携わる人間としての思いや悩みも記しているが、「一番、気をつけているのは誰も傷つかないよう、他人を傷つけるような言葉は言わないようにというのはあります」とも話す駒木さんは、「どうしても自分が発した言葉が意図しない形で伝わってしまうことってあって、そこでもどかしさを感じたり、反省を繰り返してはいて。そういったことがゼロにはならないかもしれないのですが、少しでもなくせるように、言葉も優しく、柔らかくっていうのは意識していきたいです」と真摯(しんし)な思いを口にしていた。

 小さい頃の夢は「プリキュアになりたい」だったらしく、また「医療の道に進んで、人の命を助けたいと思った時期もあった」というが、どこか共通しているのは「誰かのために」という思い。

 駒木さんは「今、番組はネット配信が主なので、そのよさとして見てくださる方との距離感の近さというのがあって、その分、地震などの災害情報も、より言葉が届けばいいなとい思うので、親近感を感じてもらえるようなキャスターになっていきたいですし、そういう存在であり続けることができたらなって思っています」と力を込めていた。

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