花澤香菜:「鬼滅の刃」激闘の裏側 甘露寺蜜璃の恋の呼吸を「可憐に」 “自分の居場所”を求める姿に共感

「テレビアニメ『鬼滅の刃』刀鍛冶の里編」に出演する花澤香菜さん
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「テレビアニメ『鬼滅の刃』刀鍛冶の里編」に出演する花澤香菜さん

 吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんのマンガが原作のアニメ「鬼滅の刃」の新作テレビアニメ「テレビアニメ『鬼滅の刃』刀鍛冶の里編」。フジテレビ系ほかで4月に放送をスタートし、主人公・竈門炭治郎、恋柱・甘露寺蜜璃(かんろじ・みつり)、霞柱・時透無一郎(ときとう・むいちろう)ら鬼殺隊と鬼との激しい戦い、声優陣の熱演が話題になっている。甘露寺蜜璃役の花澤香菜さんに激闘の裏側、自身の境遇ともシンクロしたという甘露寺への思いを聞いた。

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 ◇「みんなを守るんだ」と気持ちを込めて恋の呼吸を表現

 「鬼滅の刃」は、家族を鬼に殺された竈門炭治郎が、鬼に変異した妹・禰豆子を人間に戻すために旅立つ……というストーリー。原作は、2016~20年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された。コミックスの累計発行部数は1億5000万部以上。新作アニメ「刀鍛冶の里編」は、前作「遊郭編」から続くストーリーで、鋼鐵塚蛍(はがねづか・ほたる)ら刀鍛冶が住む刀鍛冶の里での鬼との戦いが描かれる。

 第10話では、上弦の肆・半天狗(はんてんぐ)の分裂体4体が合体した憎珀天(ぞうはくてん)と炭治郎、甘露寺らとの戦いが描かれた。

 「憎珀天さんの声の出し方が特殊だったので、(憎珀天役の山寺宏一さんが)いろいろなパターンを実演してくださっていたのが印象的でした。収録現場はすごくアットホームな空間でした。ただ、憎珀天はずっと余裕がある感じのキャラクターなので『勝てるのかな?』という感じはありましたね」

 甘露寺は恋の呼吸の技を連発し、憎珀天に立ち向かう。花澤さんは恋の呼吸を演じる上で「可憐(かれん)さ」を意識したという。

 「恋の呼吸は『恋猫しぐれ』『懊悩(おうのう)巡る恋』と技名は独特なんですけど、蜜璃ちゃんが可憐でありながらキリッとして戦っているというのを意識しながら演じました。彼女からあふれ出る可憐さがあるのではないかと思います」

 恋の呼吸を「これはどういうふうに言おうかな?と楽しんで演じていた」という花澤さん。

 「ただ、鬼がめちゃくちゃ強くて、生き死にがかかった戦いなので、恋の呼吸で技を放つ時はメリハリを意識して、『みんなを守るんだ』という気持ちを強く込めて演じました。ファンの皆さんも原作を読んでいる時に想像していたものがあると思うので『気に入ってもらえるか?』と緊張もします。小さい子がまねしてやってくれたらすごくうれしいですね」

 ◇炭治郎たちに守られる甘露寺に「よかったね、蜜璃ちゃん」

 第10話では、甘露寺が「女の子なのにこんなに強くていいのか」と悩んだ過去も描かれた。

 「蜜璃ちゃんは、人とは違うことを悩んでいた女の子でしたので、だからこそ、より人の痛みが分かったり、人に優しくしたりできるのではないかと。それが彼女の魅力なんじゃないかなと考えています。自分の居場所というものが見つけられなかった蜜璃ちゃんだったんですけど、第10話では『ここが私の居場所なんだ』と改めて自覚するすてきなシーンがあるんです。そこが熱いなと」

 憎珀天との戦いの中でピンチに陥った甘露寺を炭治郎たちは「希望の光」だと懸命に守ろうする。

 「炭治郎くんたちが必死に蜜璃ちゃんを守ってくれるシーンは、台本を何回読んでもぐっときちゃうんですよね。収録では『ああ、よかったね、蜜璃ちゃん』と、一緒にうれしくなっていました」

 花澤さんは、悩み、葛藤し、自分の居場所を探してきた甘露寺の気持ちが「すごくよく分かる」と共感する。

 「私自身も最初は、声優のお仕事をやろうと思ってこの業界に入ったわけじゃなくて、子役をやりながら『自分の居場所ってどこなんだろう?』と探して、声優の道にたどり着いた感じなんです。そこが蜜璃ちゃんとすごくシンクロするというか、『自分の居場所がほしい』という気持ちはすごく分かります」

 花澤さんが演じる可憐で強い甘露寺蜜璃に魅了された人も多いはずだ。「刀鍛冶の里編」の今後の展開からも目が離せない。

 ※禰豆子の「禰」は「ネ+爾」が正しい表記となる。

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