俳優の吉岡里帆さんが、6月29日放送の黒柳徹子さんの長寿トーク番組「徹子の部屋」(テレビ朝日系)に初出演。俳優を目指すきっかけとなったエピソードと、下積み時代の生活を語った。
ウナギノボリ
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吉岡さんは、京都の東映撮影所近くで生まれ育った。18歳の時、嵐山のアルバイト先で「8時間空を見上げる体力がある子はいないか」と声を掛けられ、映画のエキストラとして撮影に参加。「(撮影所に行ったら)まさに撮影がスタートしだして、気付いたら町娘の格好をしていて」と振り返った。
8時間ただ空を見上げるだけの撮影だったが、吉岡さんは「あの時の衝撃が今でも忘れられなくて。大勢でものを作るっていうこととエンターテイメントを届けるっていう裏側には、こんなに多くの人の労力と熱が注ぎ込まれているんだ」と感動したという。
その映画を撮影していた滝田洋二郎監督から「東京に来たほうがいいよ」と言ってもらったという吉岡さん。「なんとなくふわっと言ってくださったのを私は真に受けて、そこから大変な生活が始まりました」と苦笑いした。
俳優を目指してからは苦労も多かった。「お金ももちろんないですし、どういうふうに道を切り開けばいいかも分からないので試行錯誤。ワークショップを受けてみたり、オーディションもいっぱい受けたり、アルバイトしながら養成所に行ってという感じが5年ぐらい続きました」と回顧した。
黒柳さんから「アルバイトもたくさんした?」と聞かれると、吉岡さんは「やりすぎなんじゃないかぐらい」と笑った。美術館に飾る作品を搬送する仕事をした時には、2メートル以上ある大きな作品を背中にかついで運んだこともあったという。睡眠時間を削り、四つのアルバイトを掛け持ちしたことも。「歌舞伎とか演劇とかチケットが高くても見に行きたいって思っていたので、そのためにお金が必要で。あとワークショップ、演劇のレッスン代とかもあって」と明かした。
吉岡さんは当時を振り返り、「夢がかなうかどうかも分からないけど、なぜか漠然と追いかけたいってすごく信じていた。自分のことも信じていたし、自分が追いかけている夢のことも信じていたので、大変は大変なんですけど生きている感じがすごくして、へこたれず頑張れました」と笑顔を見せた。
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