ドラゴンボールDAIMA
第6話 イナヅマ
11月18日(月)放送分
小説投稿サイト「小説家になろう」から生まれた天壱さんのライトノベルが原作のテレビアニメ「悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。(ラス為)」が、7月6日からTOKYO MX、MBS、BS11で放送される。乙女ゲーム「君と一筋の光を」で国と民を苦しめる最悪の女王プライドが、思い出してしまった前世の記憶を頼りに、これから起こる悲劇を回避し、登場人物みんなが幸せになれる世界を目指す……というストーリー。人気声優のファイルーズあいさんが“悪役令嬢”のプライドを演じることも話題になっている。ファイルーズさんに同作の魅力、収録について聞いた。
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主人公の過去があまり明かされないまま話が進んでいきますが、過去が分からないのに彼女の考え方や理想とするもの、どういった人間なのかを自然に理解できました。それは自分よりも他人のために尽くすプライドの優しさがストーリー展開に紐付いているからなのかなと感じました。私が乙女ゲームの世界へ行ったら好感度高いことをたくさん言って、ちやほやされまくると思うのですが(笑い)、自分の立場を理解して、より良い世界を作るために浮ついた気持ちを持たずに奮闘する姿が見ていて格好いいなと思いました。
昔は結構プレーしていました。でも性格が悪い敵キャラにハマったりするので、攻略できないんですよね(笑い)。「ラス為」は味方サイドのステイルやアーサーも攻略対象のキャラクターとして出てきますし、逆に正規じゃない攻略キャラも出てきて会話をしたりすることもできるので、乙女ゲームをプレーしてきた人間としては正規のキャラ以外とも話せる楽しみもあってすごくワクワクしました。
私がこれまでプレーしたゲームに悪役令嬢というキャラクターはいなかったのですが、ヒロインレベルで可愛いプライドが主役の乙女ゲームがあってもよいのではないかと思うほど魅力的なルックスだなと思いました。元々は一プレーヤーだった主人公が自分の立場を理解して悲劇を回避する行動を起こすのは、すごく勇気のいることだと思いますし、生まれ変わったとはいえ元はごく普通の平凡な人間なので、そこから自分を奮起させていく姿や周りの人に振りまく愛情の深さがすごく魅力的なキャラクターだと思いました。
優しすぎるところですかね。いいところでもあり欠点でもあるのですが、自分が王女として生きてきて記憶を思い出すまではわがままに生きてきたわけじゃないですか。でも人間は、利己的な生き物でもあると思うので、記憶を取り戻しても習慣や今まで培ってきた周りの人間関係から絶対に横柄な態度になってしかるべきだと思います。でも、そんな気持ちを押し殺して、どうしたら国がよくなるか、どうしたらこの子に手を差し伸べられるかをずっと考えていて、だからこそ鉄壁だったステイルの心も開けたし、この先のキャラクターたちも彼女によって救われていって、そこが主人公たる主人公だなと感じました。ティアラと初めて出会った時も「私、嫉妬している」と正直に心の中で言うのですが、それが見ている人の共感を得られるのではないかと思うんです。初対面で「うわーティアラだ、可愛い」となると「嫉妬しない?」と見ている側は感じると思うのですが、気持ちを正直に言うことで見ている人も「そうだよね」って共感してプライドの人間らしい部分を見ることでより好きになっていくのかなと思います。
慇懃無礼(いんぎんぶれい)でひょうひょうとしているジルベール宰相が、原作を読んでいる時から遊佐(浩二)さんのイメージだったので、ジルベール宰相が遊佐さんだったら熱いな!と思って現場へ行ったら本当に遊佐さんで、すごく感動しました。声が付くことを想像して読んではいるのですが、その想像のはるかに上をいく嫌味な感じや隠された思いがあるといった細かなニュアンスのお芝居がすごくすてきだなと思いました。今回の現場で初めてお会いしたのですが、ウワサで聞いていた通りめちゃくちゃ人間力の高い方で、本当に信じられないくらい優しいんです。大好きになりました。ジルベールも話が進むにつれて彼自身が持つ深い葛藤や悩みが見えてきたりもするので、ぜひ注目していただきたいと思います。
-ー「ラス為」で攻略したいキャラクターはいる?
難しい……。現時点ではプライドのパパがよいですね。器が大きくて一番格好いいです。王配としての威厳もあるし、娘への愛情の深さもあるし、だけどちょっと抜けていたりすきがあったり、ジルベール宰相あってのパパというか王配というか、そういったところにキュンとしますよね。でも妻帯者なので遠巻きに「すてきだわー」と言って横から見ているファンみたいな感じです。あの世界で推し活したいです(笑う)。でも本命はこの先に登場するキャラクターなのでお楽しみに!
オーディション原稿は自分が記憶を取り戻すシーン、涙ながらに説得をするシーン、諭したり寄り添ったりするシーンなどさまざまなバリエーションがありました。特に難しかったのはプライドの年齢感で、前世の記憶を思い出した時は8歳、それからどんどん年齢を重ねていきます。女の子は変声期があまりないのでその変化を出すのが難しく、プライドの実年齢と転生した記憶があるという精神的な年齢の差もあるので、その差をどう表現したらよいかをマネジャーさんと一緒にさまざまなアプローチを考えてオーディションテープを作りました。前世の記憶を思い出したばかりの性格、優しさ、外道さといったいろいろなバリエーションのあるキャラクターですし、役者としてもいろいろな表現をみせられるので、オーディションに受かってすごくうれしかったです。プレッシャーはありましたがいろいろな面を見せることでプライドのことを好きになってもらえたらなと思っています。
お嬢様でしかも古風な時代の話なので、かしこまった話し方をするのですが、中身は現代人なので、語尾の収め方でディレクションをいただいたのを覚えています。心の声は現代人の語尾なのですが、皆の前では王女プライドとして堂々とかつ品のあるしゃべり方をしなければならず、長いモノローグの後にせりふがあって、またすぐにモノローグへと変化が続くと、頭の中がこんがらがりそうになりました。せりふが多いキャラで、毎回どうしようか?と思っていましたが、プライドと一緒に成長できたのでよかったなと思いました。
-ー演じる際に意識したところは?
外道プライドと普段のプライドとの差がはっきりと分かるように、そして同一人物の声帯から出ているような声や芝居になるように意識しました。どちらかというと私は外道プライドのようなキャラクターの方が得意なので、外道プライドのせりふがくると「よっしゃ!ラッキー」くらいの気持ちでいました。一オタクとして性格の悪いキャラクターが好きなんです(笑い)。今まで自分と出会ってくれたキャラクターたちのおかげで演技の引き出しが増えたので、そういうのもプライドにつながっていったのかなと思います。
-ーアフレコで印象に残っていることは?
ステイル役の内田真礼さんが、私がネズミの愛好家ということを知ってくれていて、ある時にお土産で、ハムスターの形をしたもなかの皮の中に自分であんこを入れるお菓子をプレゼントしてくれました。少し残ったあんこをハムスターの手元に乗せて付属のクルミやナッツを付けると、ハムスターが持っているように見えるユニークな最中で「あいちゃんが好きそうで、イメージして買ったんだ」と言われて、乙女ゲームだったら親愛度がカンストしてトゥルーエンドでエンドロールが流れてきそうでした(笑い)。その時、一緒にいた真礼さんとヴァル役の諏訪部(順一)さんとジルベール役の遊佐さんと4人でハムスターを持って友情の証みたいな感じで写真を撮りました(笑い)。そういった和気あいあいとした現場です。
プライドの演じやすい部分は外道の部分しかないのですが、普段のプライドはどうしたら魅力的に聞こえるか、どうやったら彼女を好きになってもらえるかを意識しました。心の声がギャグだったりツッコミだったり、周りにいる人によって立場が変わるポジションなので、その振れ幅をやりすぎないように調整するのがこの作品ならではの挑戦だったと思います。ギャグに振りすぎると、王女としての品格がなくなってしまうし、キャラクターもブレてしまう。でも、やらなさすぎるとコメディーとしてそのシーンが成立しなくなってしまう。そのほかにもアーサーとステイルが思わず赤面してしまうような可愛さも残しておきたいというのもあって、その案配が難しかったです。
-ー主人公は乙女ゲームにハマっていますが、ファイルーズさんがハマっていることは?
やはりオタクなので常に何かのジャンルにハマっていますね。オタク趣味以外だと最近は家庭菜園にハマっています。
プライドの赤みたいな色のお花を植えたり、ベイビーリーフ、パクチー、みかん、いちご、ラベンダーとかを植えていました。今度はトマトの苗を買ってきて植えるつもりです。
プライドがこの作品において主人公として国を治めることに女性のエンパワーメントを感じたので、皆が皆、自分らしくいられて、かつ皆と違っても「こういう人もいるよね」と温かい気持ちで皆を迎えられる国にしたいと思います。そして動物たちも大切に守りたいですね。動物と人間が共存できるように自然を守って住みやすい国にしたいです。欲を言えば世界一好きなチェコの建築物も取り入れたいと思います。
-ー放送に向けてメッセージをお願いします。
本作は普通の女の子が自分の目的意識ややるべきことを見つけていく過程でいろいろな苦悩をしつつ、すてきな家族や仲間との出会によって自分で未来を切り開いていくお話なので、プライドに感情移入をしながら、自分もプライドになったつもりで見ていただけると、より深く物語に入り込めるのではないかと思います。私と同世代の方は嫌われ者、嫌われスタートの作品はなじみが深かったりするのでノスタルジックな気持ちになりながら楽しんでいただけると思いますので、ぜひご覧ください。よろしくお願いします。
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