ダンダダン
第7話「優しい世界へ」
11月14日(木)放送分
「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の芥見下々(あくたみ・げげ)さんのマンガが原作のテレビアニメ「呪術廻戦」の第2期が、MBS・TBS系で7月6日から毎週木曜午後11時56分に放送される。第2期は、五条 悟や夏油 傑(げとう・すぐる)らの呪術高専時代のエピソード「懐玉・玉折」とハロウィーンでにぎわう渋谷の街で起こる「渋谷事変」が連続2クールで放送されることになった。「懐玉・玉折」は新キャラクターとして星漿体(せいしょうたい)と呼ばれる過酷な運命を持つ少女・天内理子、星漿体の暗殺を狙う伏黒甚爾(とうじ)などの新キャラクターが登場。人気声優の子安武人さんが甚爾を演じることも話題になっている。五条役の中村悠一さん、子安さんに第2期の「懐玉・玉折」、同エピソードのテーマの一つである“青い春”について聞いた。
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子安さん うれしかったです。原作を読んで、甚爾を演じたかったんです。格好いいですからね。悪党じゃないですか。一般的にはくず野郎ですが、こういうキャラクターにひかれるんです。どうしようもなくダメな人間で、何をやってもうまくいかなくて、鬱憤があるところが。人生うまくいかなくて、落ちぶれてしまっても強くて、人間としてキレイじゃないところにひかれます。ちょっと憧れがあるんでしょうね。とことん落ちて、好きなことをやれたら、幸せかもしれない。現実にはなれないじゃないですか。でも、創作物では演じることができます。もしかしたら、正義の味方よりも、悪党の方が演じるうえでは楽しいかもしれない。あくまでも創作物のお話ですよ。五条も格好いいからやりたいんですけど、甚爾がいいです。だからうれしかったんです。
中村さん 甚爾は、生い立ちとしては恵まれていないけど、この世界の設定では、ある意味恵まれているのかもしれません。呪力を持っていないから、本人がそれを利用した上で仕事をしていますし、そこから生まれた強さがある。そこまで考えて彼を見ると、やっぱり格好いい。でも、簡単に人を殺しちゃうんでね。そういうところは良くないです。
子安さん 倫理的には全く賛同できないですよ。でも、そんな悪党に魅力を感じてしまう気持ちがあるのかもしれない。
中村さん 誰しもが持っている怒りをお芝居で出せるのは、やっていて面白いですしね。街中で突然、大きな声を出したらヤバいじゃないですか。でも、僕らは演技の中で許容されている。むしろ「もっと出せ!」となる。ただ、僕は甚爾が好きだとは言っていないです(笑い)。格好いいけど。
子安さん 僕はやっぱり好きですね。人間として賛同できないけど。
中村さん 人気のキャラクターですし、五条とは別ベクトルで強い人物なので、どういう人がキャスティングされるのだろう?と興味がありました。甚爾は、五条たちよりも年齢が上ですし、僕よりも先輩がやるのだろうけど、果たして誰が?と考えていました。子安さんと聞いて、すごく納得しました。子安さんは、絶対折れないような声なんです。子安さんは、フラフラしていて優柔不断な役を演じたことってあります?
子安さん そりゃあるよ。でも、そんなに多くないかもしれませんね。
中村さん 芯のあるキャラクターが多いじゃないですか。オレはこう生きるんだ!と。
子安さん よく生命力が強いって言われますね。弱いのは苦手です。
中村さん 気持ちが強い声なんです。芯が通っているんですよね。キャラクターは多面的なところがあり、いろいろな方向性がある中で、今回は子安さんが演じられるということは、甚爾の強さ、説得力を出していくんだろうな……と思っていました。
子安さん いいこと言うねえ! ありがとうございます!!
中村さん お願いしますよ!
子安さん 僕にとって可愛い後輩です。今回の五条は若いので、どういうふうになるのかな?と思っていたら、これが若いんですよ。さすがですね。
中村さん ありがとうございます!
中村さん 高専時代の五条なので、逆算して第1期から引き、「懐玉・玉折」から引いて演じました。五条は最初から全てを持って生まれてきています。ここまで苦労せずに能力がどんどん開花していったはずです。最初から自分は強く、何でもできると思っていたけど、今回のエピソードは成長する要素がある。それを引いていきました。一方で、周りからぞんざいに扱われているので、にくめないところもあるんでしょうね。能力は高いけど、鼻につかない感じなのかもしれません。
中村さん 五条としては、第1期では分からなかった強さの裏付け、ほかのキャラクターとの関係性がはっきり分かります。第1期の夏油をフラットに見ると、五条との関係性が分からないところもありますが、たもとを分かつ理由も描かれます。甚爾は、名字が伏黒ですし、伏黒恵と関係があることが分かりますし、恵の生い立ちにも深く関わってくる人物です。大事なエピソードです。
子安さん 第2期を見てから、第1期を改めて見ると、見方が変わりますよね。あくまでも五条と夏油のお話ですし、甚爾は敵役として出てきて、僕の気持ちとしては、それだけで終わってしまうのがもったいなくも感じますが……。キーになる重要なお話です。
中村さん かなり追い詰められた戦いになります。甚爾は五条のことを知っていて、興味があるし、意識しているけど、五条は甚爾のことを知らない。戦いますが、お互いの気持ちをぶつけ合っているわけではないんですよね。
子安さん やりあった印象がないんですよね。一緒に演じていたんですけど。
中村さん そんなに因縁がない二人ですしね。
子安さん 僕の青春は映画ばっかり見ていました。映画小僧で、映画館にずっと通っていました。中学生、高校生の頃は、朝から晩までやっている映画館に籠もっていました。名画座みたいなところです。いろいろ見まくっていました。映画を見ている中で声優になりたい!というきっかけもありました。
中村さん 青春だったと後から思うのは、声優を目指して東京の専門学校に入って、クラスのみんなで稽古をしていた時です。劇団とかだと違うのかもしれないのですが、プロの世界に入ると一人なんですよね。収録前の練習も一人で台本に向き合う。でも、当時はみんなで話したり、取り組んだりしていました。それはそれで面白かったですね。18歳の時、みんなで集まって公園で大きな声を出して、滑舌練習や発声練習をしたり、卒業公演の舞台のために稽古したり。
子安さん いいねえ! 青春っぽいね。
中村さん 当時は青春だと思っていなかったですけどね。振り返ると、青春だったのかもしれません。ただ、公園で練習していたから、周りの人は嫌だったでしょうね。大声ですし。
五条と甚爾の激しい戦い、五条や夏油の“青い春”など「呪術廻戦」第2期の「懐玉・玉折」は見どころが満載だ。中村さん、子安さんの熱い演技にも期待が高まる。
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