花江夏樹×内田雄馬:二人の安心感 「死神坊ちゃんと黒メイド」で兄弟役

「死神坊ちゃんと黒メイド」に出演する内田雄馬さん(左)と花江夏樹さん
1 / 3
「死神坊ちゃんと黒メイド」に出演する内田雄馬さん(左)と花江夏樹さん

 ウェブマンガサービス「サンデーうぇぶり」(小学館)で連載されたイノウエさんのマンガが原作のテレビアニメ「死神坊ちゃんと黒メイド」の第2期が7月9日からTOKYO MX、読売テレビ、BS11ほかで順次、放送される。“触れたもの全てを死なせてしまう”呪いを魔女にかけられ、孤独な日々を過ごす貴族の坊ちゃん、メイドのアリスの“世界で一番、切ない両想(おも)い”を描いた作品で、2017年10月~2022年5月に連載され、テレビアニメ第1期が2021年7~9月に放送された。第2期の放送に向けて、主人公・坊ちゃん役の花江夏樹さん、坊ちゃんの弟・ウォルター役の内田雄馬さんに、同作の魅力などについて聞いた。

ウナギノボリ

 ◇優しい世界 思いやりがある

 --作品の魅力は?

 花江さん 重い内容ではあるのですが、ギャグやお色気シーンもあり、バランスがいいので、大変な状況ではありますが、幸せを感じ、いつまでも見たくなるんですよね。坊ちゃんとアリスは、お互い思い合っていて、そこからどうなるのか?と応援したり、見守ったりしたくなります。そこが作品の根幹にあり、魅力だと僕は感じています。

 内田さん ハードなテーマではありますが、ファニーに描いていますし、坊ちゃんが人に触れられない中で、アリスとの距離をどうやって縮めていくんだろう?となり、見ていてほっこりするんですよね。テンポもすごくいいんです。ツッコミ、ギャグ、言葉のチョイスもすごく面白い。貴族社会だけど、今っぽい言葉が出てきたりするので、その辺も面白く感じます。それぞれのキャラクターに悩みもあるけど、思いやりもすごくある人たちなので、好きになります。

 --重度の“次男コンプレックス”をこじらせているウォルターもすごくいいキャラクターです。

 内田さん 敵対心が強く、アニメは動きが派手になっているのもあって、よりパンチ力が増していました。最初は悩んだところもありましたが、ディレクションをいただき、声を張っていきました。第1期は、なんだこの人!と衝撃があったかもしれません。

 --坊ちゃん、ウォルターは第2期で変化がある?

 花江さん 第1期の時よりは、前向きな気持ちでいるのかな?とも感じます。友達や助けてくれる人が増え、いろいろな経験を経て、アリスと一緒に歩んでいくために頑張っている途中です。みんな癖があるけど、根はいい人なんです。坊ちゃんのことを受け入れてくれる。お母さんも兄妹もそうです。坊ちゃんを人間としてちゃんと見てくれる人が多いので、恵まれている環境だと思います。

 内田さん 元々、兄弟仲がすごく悪かったわけではなくて、ウォルター自身は、長男を超えたいし、自分なりの答えみたいなものを生きていく中で積み上げてきているのかな?という印象があります。第2期では、敵対心を出す場面だけではなくて、物事を受け入れたり、彼の本来のいいところが見えてきます。ウォルターは、坊ちゃん以外の相手を受け入れられますし、長たる器があるんじゃないかな、とも個人的には思います。ただ、コンプレックスが強いので、そこをどうやって解決していくのかも楽しみです。第2期は、ダレスとの絡みも出てきて、ウォルターのドラマも広がっていきます。楽しみにしていてほしいです。

 --複雑の兄弟ですが、似ているところもある?

 花江さん 家族を大事にしているところは、似ているかもしれません。対抗心はあるけどやっぱり兄弟ですしね。ウォルターは、坊ちゃんが呪いをかけられてしまったことを憂いている。だからこそ、対抗してくるのかな?と思います。

 内田さん パッと見の印象は違うし、坊ちゃん一人で生きてきたので、性格は違うけど、ピュアさが似ているように感じています。(妹の)ヴィオラもそうですけど、ピュアなところが似ていて、やっぱり家族なんですよね。3人でシンクロして言うせりふでは、やっぱり兄弟なんだな……と思うところもありました。

 花江さん ウォルターはにぎやかで、そこが可愛いですし、本当にピュアなんだなとすごく感じます。何事に対しても全力で感情を出すところは、ヴィオラと似ています。

 内田さん 坊ちゃんもピュアで、アリスの色仕掛けに対して、すごく素直な反応をして、そこがすごくいいんですよね。全てを諦め切っているっているわけではなく、みんなと一緒にいたい思いはあるけど、誰かを傷つけることが怖くて、優しさがある故に恐怖を感じています。不器用なところもあって、本当に優しい人なんです。

 ◇ミュージカルのように 歌も魅力

 -ー第2期で演技に変化はあった?

 花江さん あんまり意識していなくて、第1期からずっと演じてきているので、特別に成長を意識したわけではなく、自然に少しずつ変わってきています。せりふ自体も変化していますし、自然に違いが出ているかもしれません。第1期の最後で、お母さんに自分のいいたいことをぶつけたこともあり、第1期よりも相手に自分の気持ちを伝えるせりふ、シーンは少し増えていると思います。

 内田さん 何か変えようというよりも、せりふが自然に変わってきているので、しっかり台本を解釈して考えることを大事にしようとしました。第1期の時は語られていなかったことも多かったウォルターの人間性がより出てくるエピソードも多く、そこをしっかり演じていけば、よりウォルターのことを知っていただけると思います。

 --キャラクターが歌い出すシーンも魅力です。

 花江さん ミュージカルっぽくていいですよね。アニメならではの魅力になっています。歌う時は、アリスとのバランスを意識しています。

 --第2期でも歌を楽しめる?

 花江さん そうですね。歌うキャラも増えます。

 内田さん ウォルターはどうなるんだろ……。

 花江さん キャラクターの組みあわせも注目してほしいですね。基本は楽しい歌ですが、切ない歌もありますし、いろいろあるのがうれしいです。

 内田さん お楽しみに!

 ◇普段と仕事は違う!?

 --お互いの役者として印象は?

 花江さん 普段、一緒に遊んだりするのですが、仕事の時はやっぱりしっかりしています(笑い)。普段は……

 内田さん ちょっと!! 部屋を片付けてもらったことがあったり……。たくさん生活も助けてもらっています(笑い)。

 花江さん ピュアな役の印象も僕はあるけど、クール、格好いい役もやっていて、幅の広さを感じています。せりふに込める熱量がすごくて、一言一言にしっかり意志が乗っている感じが聞いていて、気持ちいいんです。絞り出して、割と無理やり言っていますが(笑い)。

 内田さん (笑い)。ありがとうございます。先輩のことをお話しするなんて……という気持ちもあるのですが、普段はお友達として遊んでいるので、一緒にいると安心感があります。現場でもそうですね。坊ちゃんのような繊細で受け手のキャラクターのピュアな表現がすごいんです。純粋な反応や細かい機微をしっかり表現されていることが、すてきだと感じています。受け手としてのアリスとの会話もすごく丁寧で…相手のことをちゃんと見ているところは、坊ちゃんとリンクしています。安心感と信頼感があると僕はいつも思っています。

 花江さん 絞り出した?

 内田さん そんなことないですよ!

 二人のコンビネーションは抜群? 第2期の兄弟の活躍が期待される。

 ※クレジット(敬称略)

 原作:イノウエ(小学館『少年サンデーコミックス』刊)▽アニメーション制作:J.C.STAFF▽製作:死神坊ちゃんと黒メイド製作委員会

(c)イノウエ/小学館・死神坊ちゃんと黒メイド製作委員会

 花江夏樹:へアメーク:加藤ゆい

 内田雄馬:へアメーク:花嶋麻希▽スタイリスト:AM3/LANCE SHOWROOM

写真を見る全 3 枚

アニメ 最新記事