少年ジャンプ+:絵が描けなくてもマンガ、アニメを作れる「World Maker」 Netflix、東宝共催の大型コンテストも

「少年ジャンプ+」のサービス「World Maker」のビジュアル(C)藤本タツキ/集英社・MAPPA (C)遠藤達哉/集英社 (C)龍幸伸/集英社 (C)千葉侑生/集英社
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「少年ジャンプ+」のサービス「World Maker」のビジュアル(C)藤本タツキ/集英社・MAPPA (C)遠藤達哉/集英社 (C)龍幸伸/集英社 (C)千葉侑生/集英社

 集英社のマンガアプリ「少年ジャンプ+(プラス)」編集部は7月12日、マンガのネームや、アニメ、映画など映像コンテンツのコンテを作成できるサービス「World Maker」の提供を開始した。スマートフォン・タブレット向けアプリで、イラストや描き文字など600万種以上のパーツを組み合わせ、内容やせりふを入力するだけでネーム、コンテが作成できるため「絵を描けない」という人もマンガや映像コンテンツ制作に挑戦できる。作成したネームにズームやパンなどのカメラワークを設定すると、動画のコンテを作ることもできる。

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 「World Maker」は、少年ジャンプ+編集部が面白法人カヤックと共に開発したスマートフォンでマンガのネームを作成できるサービス「World Maker β」のアップデート版。「SPY×FAMILY」「チェンソーマン」など人気作を手がける同編集部の林士平さんがプロジェクト責任者を務める。「World Maker β」から、新たにアニメや映画、ドラマ、CMなどの映像コンテンツのコンテ作成が可能になった。作成したネーム、コンテを英語、中国語、韓国語、仏語など17カ国語に自動翻訳する機能も搭載。作家をフォローしたり、作品にコメントしたりできるコミュニティー機能も追加された。

 サービスの提供開始を記念し、大型コンテストを8月から順次実施する。少年ジャンプ+編集部とNetflixが共催する「World Maker アニメコンテスト」、東宝と共催する「World Maker 映画コンテスト」のほか、「World Maker 漫画コンテスト」を実施。それぞれのコンテストの大賞受賞者は、原作者としてのデビューが確約される。コンテストの詳細は今後発表される。

 ◇林士平さんのコメント

 アニメ、マンガ、映画、CM、全て、絵(映像)と言葉でできています。絵が描けないが故、創れなかった方が世界中にいる、そう思ったので、素晴らしいチームと共に、このアプリを企画・開発しました。私たちは、「World Maker」を使うことで、「絵を描く」という制約を超え、誰もが自分のアイデアを世界中に届けられるようになる、と信じています。絵が描けなくても、「World Maker」は直感的なインターフェースと強力な機能を備えており、あなたのアイデア・物語・世界をビジュアルで表現する手助けをします。

 目指すのは、世界中の、未来の作家・アーティストたちの可能性を広げることです。私たちは創作のハードルを下げ、創造的なプロセスをより多くの人に広げることを目指しています。絵が描けなくても、「World Maker」を使えば、あなたのストーリーを世界に届けることができます。私たちのアプリがあなたの創造力をサポートし、新たな表現の道を開くことを楽しみにしています。一緒に素晴らしい作品を創り出し、世界を驚かせましょう!

 ◇「World Makerβ」を利用しデビューしたオカリさんのコメント

 「脳内に傑作はある。けど絵が描けないからつくれない」……この言い訳を潰した罪深いツールです。やることは棒人間と「いらすとや」のコピペマンガであり、あくまでネームに過ぎません。しかし、スマホ片手につくれる簡便さ、豊富な素材、さまざまなアングルのキャラなど。絵が描けない人でも「World Maker」なら「絵柄に統一感のあるネーム」を制作できるので、妄想を具現化できるようになりました。

 私もβ版がリリースされた2021年9月までマンガ制作の経験は一切無く、せいぜいパソコンの片隅に小説を書き散らしてはそっとパスワード付きフォルダに保管するド素人でした。ですが「第1回 World Maker 漫画ネーム大賞」をはじめ、たった4ページの物語でも公開して「面白い」と評されることがうれしく、すっかりライフワークの一部に。調子に乗って「少年ジャンプ+」の「原作漫画賞」に50ページ超のネームを2作投稿。落選。「となりのヤングジャンプ 10 漫画賞」に3作目投稿。受賞し担当が付いて……と。本当に人生を変えさせられたツールでした。アプリ版も楽しみです。

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