名探偵コナン
#1143「乱歩邸殺人事件(後編)」
11月23日(土)放送分
堀貴秀監督がほぼ一人で作り始め、約7年かけて制作したことも話題になった映画「JUNK HEAD」。新作「JUNK WORLD」が2025年の公開に向けて制作中であることが発表され、話題になっている。堀監督は映像制作の経験がなかったが、CG全盛の時代に、あえてストップモーションアニメで「JUNK HEAD」を作り上げた。「JUNK HEAD」はインディーズ映画だが、興行収入が1億4000万円を突破するなどヒットし、数々の映画賞を受賞するなど世界から称賛を集めた。しかし、新作もあえてインディーズ映画として制作している。堀監督に新作について聞いた。
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堀監督は1971年生まれ、大分県出身。高校卒業後、アルバイトを転々としながら芸術家を目指し、29歳でアートワーク専門の仕事で独立。絵画、彫刻、球体関節人形、マンガ、アクセサリーなど創作活動を続けてきたが、どれも長続きしなかった。2009年12月に約30分の短編「JUNK HEAD 1」の自主制作を開始。映像制作の経験はなく、一人でストップモーションアニメを作ろうとした。ストップモーションアニメは、人形を一つ一つ手で動かしながらコマ撮りするため、手間が掛かる。CG全盛の時代に、新作もあえてストップモーションアニメを作ったのには理由がある。
「元々、ものづくりをしていたベースがあって、自分ができるところから始めました。リアルにあるものは、存在感が強いし、CGには出せないものがたくさんあります。感情に訴えることもできる。それが自分の強みにもなっています。CGでたくさんの人、金を使ってもできることは分かっているけど、コストを回収するために無難な作品になることもある」
人形、セットなど造形物からCGでは感じられないような生々しさを感じる。ニッチな表現ではあるが、だからこそ注目を集めたところもある。
「基本的には自分の頭の中のイメージは実写映像です。予算や技術がなくて仕方なくコマ撮りでやっているところもあります。今いるメンバーでできることをやっていて、基本的に技法にはこだわっていない。最終的に映像になった時、フルCGでいいものになるのであれば、それでもいい。ただ、コマ撮りは、これまで持っていた技術も使える。映画の中ではニッチな表現だけど、だからこそ注目してもらえたところもあります。コマ撮りは可愛いキャラクターのものが多いけど、ダークなSF作品でも成り立つことが分かりましたし、新しいジャンルを目指したい。そこが強みなので」
「JUNK WORLD」は前作の「JUNK HEAD」と同じくインディーズ映画だ。「JUNK HEAD」は、2021年3月に長編が公開されると、ファンタジア国際映画祭で最優秀長編アニメーション賞を受賞したほか、「パシフィック・リム」のギレルモ・デル・トロ監督が絶賛するなど、世界中から称賛を浴びた。成功を収めたが、新作でもインディーズ映画であることにこだわっている。
「クラウドファンディングはやっていて、配給はアニプレックスさんにお願いしていますが、出資は受けていません。基本的には自己資金で、自分でできることを展開していきます。新しい映画の作り方の形を確立したい。経営者として人を雇って、仕事を納めることを40歳くらいまでやってきましたし、予算がある中で作る感覚は身に付いています。それができないと映画は作れない。アートであることばかりにこだわって予算のことを考えていないわけではない」
インディーズ映画にこだわっているのは、自由な発想で作りたいからだ。アートであり、ビジネスでもあるというバランスが難しいところではあるが、堀監督は絶妙なバランス感覚で映画を作っている。
「新作を成功させて、次の作品を作りたい。そのために、変なこだわりは強く持たないようにしています。ネットによってニッチな作品でも届きやすくなったところに助けられています。派手に宣伝しなくても、ニッチな作品が海外を含めて広がりやすい土壌があるからできる」
新作について「前作は30分の短編を作り、発表してお金が集まってから追加撮影で長編にしました。今回は最初から長編作品としてのバランスを考えているので、単純に映画として面白くなっているはずです。世界が広がり、ガラッと変わったところもあります。この作品は3部作で、3作目で『JUNK HEAD』『JUNK WORLD』のキャラクターが絡み合って、一つの結末に向かいます」と語る堀監督。「JUNK WORLD」、さらなる新作への期待が高まる。
堀監督は制作費増強のためクラウドファンディングを実施している。「JUNK HEAD」は動画配信サービス「Amazon Prime Video」などで配信中。
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