日本テレビ:31年ぶりアニメ枠「フラアニ」新設の狙い アニメのグローバル展開に注力 第1弾は「葬送のフリーレン」

日本テレビの新アニメ枠「FRIDAY ANIME NIGHT」のロゴ
1 / 1
日本テレビの新アニメ枠「FRIDAY ANIME NIGHT」のロゴ

 日本テレビが、10月から金曜にアニメ枠「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」を新設することになった狙いを説明した。映画枠「金曜ロードショー」に続く毎週金曜午後11時のアニメ枠で、同局が全国ネットのレギュラーアニメ枠を新設するのは約31年ぶりとなる。同局の佐藤貴博スタジオセンター長は、新設の狙いを「アニメでのグローバル展開に注力していきたい」「金曜ロードショーに続く金曜夜11時にアニメを放送することで、改めて『テレビで見るアニメ』の面白さを再発見していただければ」と説明した。

ウナギノボリ

 新アニメ枠の第1弾として「マンガ大賞2021」で大賞に選ばれたことも話題のマンガが原作のテレビアニメ「葬送のフリーレン」が10月6日午後11時から放送される。同作の初回は、2時間スペシャル「初回2時間スペシャル ~旅立ちの章~」として金曜ロードショーで9月29日午後9時から放送される。金曜ロードショーでテレビアニメシリーズの初回が放送されるのは初めてで、以降が新アニメ枠で放送されることになった。

 佐藤さんは新アニメ枠について「フラアニは老若男女の心に響く、普遍的テーマを持ったアニメ作品を放送し、国内はもちろん、海外でも大きなムーブメントを起こすような作品をラインナップしていきます。家族、パートナー、友人みんなで一緒に見て、楽しんでいただきたいと思います」とコメント。

 アニメ枠の名称については「金曜ロードショーに続く放送で、金曜夜のアニメ枠であることをストレートに表現してみました。多くの視聴者の皆さまに永く親しんでいただければと思っています」と説明した。

 TBSも10月に毎週日曜午後4時半に全国ネットのアニメ枠を新設するなどキー局がアニメに注力する動きもある。数多くのアニメが配信され、視聴習慣も変化している。

 日本テレビが新アニメ枠を設立する経緯を「日本テレビは映画・アニメ・ドラマなどの製作チームを統括し、より面白い作品を生み出しグローバルに展開していくためにスタジオセンターを新設しました。特にアニメでのグローバル展開に注力していきたいと思っています。しかし現在、数多くの配信プラットフォームが誕生し、アニメを楽しむ環境において、テレビ局の存在感は薄れつつあります。そこで、金曜ロードショーに続く金曜夜11時にアニメを放送することで、改めて『テレビで見るアニメ』の面白さを再発見していただければと思っています」と説明した。

 フラアニを起点として、映画やドラマなどのグローバル展開を目指しており、「そんな広がりのある世界観を持った面白い作品をどんどん放送していきますので、今後どんな作品が放送されるのか楽しみにしていてください」と語った。

 「葬送のフリーレン」は、山田鐘人さん原作、アベツカサさん作画のマンガで、「週刊少年サンデー」(小学館)で2020年4月に連載をスタート。勇者一行が魔王を倒した後の物語を描く“後日譚”ファンタジーで、エルフゆえに長寿である魔法使いのフリーレンが仲間の死を経験し、“人を知る”ために旅をすることになる。コミックスの累計発行部数は1000万部以上。

 アニメは、「ぼっち・ざ・ろっく!」などの斎藤圭一郎さんが監督を務め、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」などのエバン・コールさんが音楽を担当する。「サマーウォーズ」などのマッドハウスが制作する。

 種崎敦美さんが主人公・フリーレンを演じるほか、市ノ瀬加那さん、小林千晃さんらが声優として出演する。音楽ユニット「YOASOBI」がオープニングテーマ「勇者」、シンガー・ソングライターのmilet(ミレイ)さんがエンディングテーマ「Anytime Anywhere」を担当するなど豪華スタッフ、キャストが集結したことも話題になっている。

アニメ 最新記事