名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
集英社のマンガアプリ「少年ジャンプ+(プラス)」で連載中の遠藤達哉さんのマンガが原作のテレビアニメ「SPY×FAMILY」のシーズン2が、テレビ東京系ほかで10月7日から毎週土曜午後11時に放送される。2022年の春クール、秋クールに放送され、大ヒットしたシーズン1から約10カ月、“仮初めの家族”フォージャー家の物語が再び始まる。フォージャー家の超能力者の娘・アーニャを演じる種崎敦美さんは「シーズン1より、アーニャがより子供らしく見える」と感じているという。収録の裏側、シーズン2の見どころを聞いた。
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「SPY×FAMILY」は、2019年3月に「少年ジャンプ+」で連載をスタート。すご腕スパイが、任務のために仮初めの家族を作り、新生活を始める……というストーリー。スパイの父、超能力者の娘、殺し屋の母が互いに正体を隠してフォージャー家として生活することになる。コミックスのシリーズ累計発行部数は3100万部以上。アニメは、江口拓也さんがスパイの父・ロイド、早見沙織さんが殺し屋の母・ヨルを演じ、ナレーションを担当する松田健一郎さんがシーズン1の中盤からフォージャー家に加わった“未来予知犬”のボンドを演じる。
「SPY×FAMILY」は、連載開始当初から「少年ジャンプ+」の看板作品の一つとして人気を集めていたが、アニメ化によってさらに人気が加速し、「Yahoo!検索大賞2022」の作品カテゴリー・アニメ部門で「SPY×FAMILY」が1位に輝くなど話題になった。今年3月からはミュージカル版が帝国劇場(東京都千代田区)で上演。劇場版アニメ「劇場版 SPY×FAMILY CODE:White」が12月22日に公開される。
「本当に、街のいろいろな場所で、フォージャー家を目にすることがあり、『フォージャー家、大人気だな』と。自分が声を当ててはいるんですけど、自分とは違う世界の出来事のような気がして……。事務所のスタッフの方からも『子供がアーニャを友達みたいに思っている』という話を聞いたり、アーニャのグッズを買ったという話を聞くこともあって。あと、道を歩いていたら、老夫婦がやられている薬屋さんの店内に『SPY×FAMILY』のグッズが飾られていたりもして、本当に老若男女問わずいろいろな人の心の中に入れているんだなと。そんな作品に関われていることがうれしいなって思いました」
アーニャは、原作でも人気だったが、アニメ化によりさらに話題になった。ほかの作品では少年から大人の女性までさまざまなキャラクターを演じる種崎さんのアーニャの演技にも注目が集まり、「Yahoo!検索大賞2022」の人物カテゴリー・声優部門では、種崎さんが1位に選ばれた。シーズン1放送時もアーニャ役は「責任重大」と語っていた種崎さんだが、シーズン2は「よりプレッシャーです」と明かす。
「この大反響を受けて、シーズン2は『パワーアップしていたい』『パワーアップしていないと』と、シーズン1の時も相当でしたが、もしかしたらその時よりもプレッシャーを感じていました。アフレコ自体もちょっと期間が空いていたこともあって緊張していたんですけど、収録が始まったら、シーズン1の時と変わらない空気がそこにあって。ボンドも加わったフォージャー家3人と1匹。そのキャスト4人でいる空気がすごく落ち着きます。パワーアップしていたいとは思いつつも、変わらないものも大事にしながら、その空気を大事にしながらやっていきたいなと思います」
シーズン2は、フォージャー家の殺し屋の母、ヨルが活躍する原作でも人気のエピソード「豪華客船編」が描かれることも話題になっている。原作の中でも長編で、豪華客船を舞台にヨルが命を狙われるマフィアを護衛することになる。ヨル自身が殺し屋という仕事について葛藤を抱える姿も描かれる。
「シーズン1では、ヨルさんのお仕事っぷりは、そんなに詳しく描かれていなかったんですけど、こんなふうに殺し屋の仕事やっていたんだなと。殺し屋をやりながらヨルさんがこれまでどう思ってきたか、これからどう思っていくか、というところが見どころかなと思います」
「豪華客船編」では、アーニャとロイドは、ヨルと別行動をしているため、収録もヨル役の早見さんとは別だったという。
「それもあって、『あ、ははがいないのさみしいな』って、物理的にも心理的にも思えて……。それで、きょうの収録ですごく久しぶりにヨルさん、早見沙織さんと一緒だったんですけど、『ははがいる……』と思ってなんだか泣きそうになってしまって(笑い)。ヨルさんが一人で頑張った仕事を経て、家族のところに帰ってくる。家族が集まったその時に流れる穏やかな空気なんかも、『豪華客船編』の見どころだと思います」
シーズン2では、フォージャー家声優のチームワークもさらに強くなっているという。
「『豪華客船編』では、ほぼ江口さんと2人での収録だったのですが、私がアーニャとして出すものを待ってくれているというか、受け取ってくれているのが、収録をしていても分かるので、ありがたいな、楽しいなと思いながらやっていました。もちろんそのお話以外の時も。早見さんも、松田さんもこちらが何をやっても受け止めてくれるのが、何も言わずとも分かるというか。私はどの現場でも例外なく、どこか緊張してしまうのですが、フォージャー家のキャストは皆さん“ゆるほわ”といいますか……(笑い)、空気でいうなら本当に“家族”な感じといいますか。一生どこかしら緊張し続けてしまう私が緊張しない、レアな現場です」
シーズン1と比べて「フォージャー家のほかのキャラクターに変化を感じる?」と聞くと、「変化を感じていないのがいいんじゃないでしょうか?」という答えが返ってきた。「どんどんなじんでいっているのに、変化を感じないということは、もう自然とそうなっているということなのでは」と、気付かないうちに家族の絆が深まっているようだ。
種崎さんは、シーズン2の収録では「アーニャのコミカルなシーンが増えたような気がする」とも感じているという。
「でも、それもアーニャがロイドたちに心を許している結果なのかなと。アーニャがはしゃいでいるなと感じるんです。収録では、ふざけるところは死ぬほどふざけようと決めてはいるんですけど、そういうシーンが多くなると、『あら、アーニャ、こんなので大丈夫だったっけな?』『アーニャ、もっと可愛くなくて大丈夫かな?』って心配になりました(笑い)。収録では『もっと抑えて』と言われることもないので、許容範囲内ではっちゃけられているとは思うんですけど、ドキドキしますね」
種崎さんは、シーズン1の頃から、アーニャの魅力を「何をおいても一番に『わくわく』がくるところが本当にすてき」と感じているという。シーズン2では、そんなアーニャの「子供らしさがより見えるようになった」と語る。
「良い意味で慣れて遠慮がなくなってきたということなのかなと。シーズン2では、“THE子供”という感じで『やだやだ!』と床を転がるようなシーンがあったりするのですが、最初の頃だったら絶対やっていないだろうなっていうところが見える」
フォージャー家の娘としての子供らしさ、可愛らしさが増したアーニャ。種崎さんは、シーズン1と同じくアーニャの「わくわく」を大事にして演じている。
「それは変わらないです。『わくわく』があって物語が進んでいくみたいなところもあるので。シーズン2も出し惜しみなくなるわくわくしております」
シーズン2でも、よりパワフルなフォージャー家、わくわく全開のアーニャが見られるに違いない。
※種崎敦美さんの「崎」は「たつさき」
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